TVアニメ『キングスレイド意志を継ぐものたち』前情報のない視聴者は置いてきぼり?第3話

TVアニメ「キングスレイド意志を継ぐものたち」公式サイトより

 スマホゲームが原作であり、そのファンが多いのかもしれないが、全く前情報がない視聴者は置いてきぼりにされる。往年のRPGのような感じではあるが、ゲームの中だとありな進行もアニメだと違和感を感じるものだ。

 今回のエピソードは、主人公の出生に関わるエピソードを延々と語るもの。

 100年前、カーセルたちの住む町ではダークエルフも共に住んでいた。だが、その時にいたイリア、という女性がダークエルフが現在迫害される原因を作ったらしい。

 カイル王がまだ魔王を倒す前、このイリアという女性と王は異母姉弟。自分の身分も顧みず、お忍びで街に出かけ、市民たちの暮らしを観察していた。自分が次に王になるときのために民を幸せにできるようになりたい、と王子の時分から考えていたようだ。
その立派な心掛けを見て、イリアもカイルの為に魔導学を学びそれを彼が治める国に役立てようとしていた。

 よく学び、剣の訓練を欠かさず、周りからの支持も厚い信頼を得ていた。そんな中、彼はカーセルの母、アルレッテと恋に落ちた。このころの二人は愛し合い、とても幸せそうに見えたという。だが、彼とアルレッテには身分の差があり、まわりからその関係は祝福されず、二人の仲は切り裂かれた。さらに、そんな彼の前に魔族が現れ、街や村を襲撃していった。それを食い止めるためにカイルは軍を立ち上げ討ち取っていった。

 そんな中、彼の父である王が急死してしまい、彼が王位を引き継ぐことに。彼は元々持っていた志の通り、民を守り魔族を一匹残らず倒すと誓い、その通りに動き続けた。カイル王の意欲におされ、国中の士気もあがったが魔族の勢いは強く苦戦を強いられていた。そんな中、カイルはアルレッテと再会を果たす。引き裂かれた二人は再び愛し合い、アルレッテは妊娠した。二人は生まれてくる子供に「カーセル」という名前を付けようと約束をする。

 カイル王はこの子を守るためにも、世界を守りたいと強く願うようになる。その強い願いに呼応するように光の女神ルアがが彼に聖剣エアを授けた。同じ時期、イリアは約束通り魔導工学を極め、この聖剣に匹敵するものを作りあげてしまった。この行為は女神への冒涜として受け止められてしまう。彼女はこの聖剣を届けようとしていたところを魔族に襲われ命を落としてしまう。さらには死後裁判にかけられてしまう。それがダークエルフ迫害の原因になったのだ。
 
 カイル王は聖剣を携えて魔王討伐に向かうが、その後魔王と共に姿を消してしまった。噂には、魔王を討ち取ることはできなかったのではないかと言われている。だが行方が分からなくなった後、魔族は沈静化されたことで平和は戻った。

 残された人間たちは残された聖剣を封印することにした。まだ倒れたわけではない魔王がいつか復活したときの事を危惧し、カイル王の子種を残すことにし、彼の子を身ごもっているアルレッテを100年眠らせることにした。

 だが100年後アルレッテはカーセルを産み落としたが、魔族に襲われ死んでしまったのだ。これが、カーセルの出生の秘密だという。そして残されたカーセルはドミニクスが孤児院に入れ、成長を見守っていたようだ。彼がカイル王子の息子であることは間違いないらしい。今現在魔族の活動が活発化していることから、魔王が復活しそうになっている前触れであると考えており、カーセルにこの討伐を頼みたいと思っているようだ。

 その意志をカーセルに確認すると、彼自身も父のカイル王と同じように大事な人を救いたいという気持ちが強いため、魔王討伐をする意欲はあるようだ。聖剣を持っていれば魔王と対峙することができるのではないか、と考え聖剣を手にしたいとのぞんだ。
 
 今現在、聖剣は封印されており、封印を行ったものたちに一人ずつ会いに行く必要があるという。だがドミニクスはこの賢者の塔から離れるわけにはいかないので、彼の元にいるクレオとロイをカーセルの元につけることを約束してくれる。

 全員見習いレベルの実力者たちでの冒険がはじまることになり、やっとここから物語が動き出すようだが……。3話までが長く、また過去の王との因果関係やダークエルフの迫害についても少々突飛なようにも感じられた。

 普通のアニメのように12~3話で終了すると確実に尻切れトンボになりそうな予感しかしないので、次回でばしっと視聴者の心をつかむ展開がほしいところだ。

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