TVアニメ『魔王城でおやすみ』睡眠だけで話は成り立つのか?第2話

TVアニメ『魔王城でおやすみ』公式サイトより

 睡眠は大事。いい眠りがあってこそ、起床時のパフォーマンス効率はあがるのだ。今回も、スヤリス姫の貪欲な睡眠への探求心がすばらしい。
 
 姫は安眠を守るために、塔を登っていた。安眠の為に何故魔王城の塔を登らねばならないのか。それは、魔王城の気密性が原因だった。姫が眠りをむさぼっていたところ、小さな虫が彼女の腕を刺していた。そのせいで刺された部分がかゆい! 刺されたと気づいてしまったから痒い。王国で寝ていた時はしっかりと守られていた気密性。姫の肌はいつだってすべすべだった。

 だが、牢屋だし魔王城だし、虫に刺されても仕方ない……とならないのがスヤリス姫。王国にあったような蚊帳を取り付ければ虫が入ってこれなくなると考えた姫はさっそく行動に移ることに。
 
 とりあえず大きな布を手に入れることだ。すると、自ら犠牲になりに来たのか? と言いたくなるほどのタイミングでかいぶつふろしきがやってきてしまった。今までの仕返しに来たようだが、布がほしい姫から見たら、鴨が葱を背負って来たようなものだ。頭と腕はいらない、とそれ以外の部分を見事に切りとられてしまう可哀想なかいぶつふろしき。だが彼らの犠牲のおかげで見事な蚊帳ができた。だが、蚊帳は吊るさないと意味がない。高いところに紐を括りつけたいとあたりを見渡した姫は、塔を発見する。

 だが、塔に登るにはどうしたらいいだろう? そう思ったところにこれまた都合よくネコスタンプがやってきた。壁をスタンプを押すようにぺたぺたと歩くことができる手足をもっている。姫はその手足についている靴がほしい、と思い「この部屋は土足厳禁だ」といって靴を脱がせた瞬間に靴を奪い「貸して」と半ば強引に奪い取り、壁を登れる靴をゲットした。

 あとは塔に登って紐を括りつけるだけである。ぺたぺたと一歩ずつ登っていく姫。だが彼女が昇っている塔は100年に一度しかかえらないフェニックスの卵がちょうどかえろうとしているとき。貴重なアイテムであり、魔王城をあげて守らねばならないものである。

 姫の魂胆を知らない魔族たちはタマゴが危ない! と姫の登頂を阻止しようとする。だが全くこちらの意見を聞き入れてくれない姫。焦る魔族。だが、姫の目的は紐を登のてっぺんに結ぶことだけ。それが済むとさっさと塔を降りていってしまう。姫がタマゴを盗もうとしてるなどと言い出したのは誰だ! と魔族同士で喧嘩が起こってしまう。可哀想である。

 姫はそんなことはつゆとも知らず、蚊帳をつけたベッドにダイブして、またしても最高の睡眠時間を手に入れていた。

 睡眠に対して貪欲な姫。魔王城で長老たちがアイテムの運用について会議をしていた際。議題にあがった新しい睡眠薬を取り出したとき、姫がその会議に愛想を振りまいて入ってきてそのままの流れでその睡眠薬をパクっていこうとしたが、さすがに止められた。新しい睡眠薬の効果が知りたかった姫は不満げだが当たりまえである。

 こうなったらより良い眠りを誘うものを探しに行かなければならない。貪欲な姫は慣れた手つきで脱獄をし、よりよい睡眠を求めて城内をさまよう。

 この姫の行動を見て怒りで震えている影が……。姫は睨まれているとも知らず、立ち入り禁止と書いてある先に気持ちよさそうに見えるキノコがびっしり生えている場所を発見。上に載って眠ったら気持ちよさそう、と飛び込んでみるがそのキノコは毒キノコ。気持ちいい寝心地はあっという間に姫を死の眠りへと導いてしまう。

 なんと姫、この魔王城にきてから週一レベルで死んでいるという。教会で生き返ることができるにしても、もう少し危機感を持ってもらいたいものである。あまりの姫の奔放さ、無防備さ、無鉄砲さに魔王側が頭を抱えるレベルである。

 だが反省などしない姫はまたしても安眠を求めて城内をさまよう。通算100回目の脱獄である。ずっと彼女を怒りの目で見つめていたレッドシベリアン・改はとうとう姫の元に現れ、その怒りを彼女にしっかりと示すことに。

 今まで彼女が部屋に貯めてきた安眠グッズやそれを収集するための道具はこの城の備品や魔族たちの体から奪い取ったものだ。改はそれらを全て没収し、くどくどと説教をするが、姫には全く響いていない様子。でびあくまだけは、愛玩用として手元に残していいといったが、棺桶などは全部没収だ。

 でびあくまを抱えた姫はあっという間にお眠モードに入ってしまい、説教の途中にも床に寝転がって寝ようとしてしまう。さすがに怒った改。無理やり立たせて魔王城の掟を読み聞かせようとするが、改の体のモフモフの気持ちよさに気付いた姫はそこに顔を寄せ、改の説法を子守唄にして眠ってしまう。

 馬の耳に念仏、暖簾に腕押しという感じで全く彼の言葉は届かない。この結果に落胆んした改は、魔王に自らのモフモフを刈ろうかと相談するが、このモフモフは魔王もお気に入りの部位らしく激しく反対され、刈ることはできなくなった。
 
 魔王城の誰もが姫の睡眠への欲求に勝てないでいる。魔族の誰よりも自分の欲望の為なら犠牲にする気満々の姫。あまりにも気持ちよさそうに眠るので見ているとベッドにダイブしたくなってしまって困る。自らもよりよい睡眠のためにもっと探求心が持ちたくなる。

 だがこのネタだけでシリーズ続けるほどエピソードが生まれるのか? 勇者が姫を助けに来ようと奮闘している描写も所々に挟まれているので、彼らが近づけばまた状況も変化するのだろうか。

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