人間の三大欲求の一つ、睡眠。この睡眠にここまで焦点を当てたアニメが今まであっただろうか。これは良アニメな予感。
長い治世の元、笑いあい幸せに暮らしていたところに魔王が現れ、安定を乱し始めた。魔王はカイミーン国の姫、スヤリス姫を奪い魔王城に人質として閉じこめてしまう。人間側が姫を心配し、彼女の無事を祈り勇者が立ち上がり、姫奪還のために冒険に出発した。だが世間のそんな動きはつゆ知らず、姫は魔王城の中で暇を持て余し寝ること以外することがない、とぼやいていた。
その眠りについても、枕は固く、シーツも固く安眠には程遠くイライラが溜まっていた。そこで姫は、それなら寝心地のいい寝具を整えてみたらどうだろう、と考えその考えを実行するために動き出した。
まず最初に目を付けたのは、枕の材料になりそうな素材を持つ「でびあくま」というモンスター。彼らは姫にごはんを運んできてくれるのだが、モフモフの毛並みはさぞかしいい材料になりそうで、食事についていたナイフとフォークでそいつらを引き裂いてやろうかと思ったのだが、その毛並みに注目することに。
でびあくまの毛並みをブラッシングするとフワッフワの毛玉が大量に取れ、さらにブラッシングを餌にでびあくまに鍵を持ってこさせ、牢屋から外に出て材料探しができることに。
もちろん城の面々は姫が逃げ出したことで大パニック。姫は変装して3色のハーブもゲットし、でびあくまからでた抜け毛をこよって糸を作り枕の中綿にもでびあくまの毛を使いふわっふわの枕を作成することができた。
完成した枕に顔をうずめてみると天にも昇る心地よさ。あっという間に眠りに落ちてしまう。姫が牢から抜け出したことを知った魔王は一言注意しようと姫の元に訪れるがあまりにも気持ちよさそうに寝ている姿に起こすのをはばかられ、次の日に持ち越すことに。
久しぶりにゆっくり睡眠をとれた姫、目が覚めるとごわごわのシーツのせいで顔についてしまった跡にショックを受ける。そもそも前髪を固定したいがために着けている王冠のせいでおでこにも変なあとが残ってしまっている。
これをどうにかするために、ヘアバンドを作ろうと思い立つ。幸い、枕を作った材料があれば作成することは可能そうだ。だが布を断つものが無くて困っていたところ、今日はいつも見ないシザーマジシャンが食事を持ってきてくれた。
彼の体にたくさんついているはさみが、留め具の調子が悪いために全て落下してしまったのを見て、一本分けてほしいとお願いしてみる。留め具の代わりに自分の王冠を差し出し、交換という形で大き目のはさみと手ごろなはさみをもらうことができた。そのおかげで可愛さと機能性を重視したヘアバンドが完成したのだった。
さて、ヘアバンドもできたのだからお次はメインのシーツである。牢屋の前を通った綺麗なマントをめがけてまたもや牢屋を抜け出す姫。出会った魔族のマントを切り裂きながら肌触りのいいものを探し回る。牢屋から出ているだけでも大騒ぎなのにさらにはさみを振り回してマントを切って回るのだから姫様怖すぎる。
とうとう、うろこトナカイのマントとおばけふろしきの体が求めていたつやっつやの肌触りを持つものだと判断した姫様はこの二つを容赦なく切り裂き、寝心地のいいシーツを手に入れることができた。
新しいシーツに飛び込み、またしてもすやすやと眠りに落ちる姫。そしてタイミング悪くやってくる魔王。またしても彼女を叱ることができずに、ただただ可愛い寝顔を見つめるしかできない魔族たち。寝てたら起こさないあたりが、魔族優しい。
さて、安眠できる寝具が揃ってきた姫だったが牢屋の環境が悪いことに気付いてしまった。どこからともなく聞こえてくる誰かのいびきが気になって眠れないのだ。そこで、姫は安眠できる場所を求めてマクラを抱えて城内を歩き回ることに。
そこでたどり着いたのは魔王城の法具殿。その中によさげな物がないかと調べてみると、風が逆巻く盾を発見する。
うっかりそれを倒した際に、風の上に乗ったのが心地よく姫はその風が出てくる部分だけを取り出すことを決意。邪魔な盾部分から石だけ採れればいいと、法具殿の見張りをしていたしょうわるダイヤを布に包み、ガンガンと叩くことでこの石を取り出そうとする。
まさか法具殿に姫がいると思っていない魔王様は、近くの場所で部下と共に法具殿にある風使いの盾は明日ダンジョンにおいて勇者を退けるのに使う大事なものだから絶対に壊すなよ!
と命令をしていた。まるでドリフのコントのように「絶対だからな!」という彼の声を聴いてしまった姫。 だが時すでに遅し、もう既に盾はボロボロになっていた。とりあえず体裁を保とうとそれっぽい形に整えようとしたのだがゴミができただけだった。姫はそれを改めて宝箱につめて誤魔化し、またしても自らの最適な寝床を探し、歩き回り始めたのだった。
だが、魔王城には危険がいっぱい。溶岩がグツグツしている道を歩いている際に、うっかり足を滑らせて姫は溶岩に落ちて命を落としてしまう。まさかの初回で主人公が死ぬ。こんなにもあっさりと。とはいえ魔王や勇者がいる世界なので教会でお祈りをしてもらえれば生き返ることができるのだ。あくましゅうどうし の元で起き上がった姫は自分が棺桶に寝ていることに衝撃を受ける。ところが棺桶の頑丈な蓋に着目しこれなら騒音が聴こえない! あくましゅうどうしの角を使ってやすりをかけ、スライムでワックスをかけ、自作のシーツと枕を使って最高の寝床に仕上げてしまった。
そのまま寝こけてしまった姫を起こすのもやはり忍びない、と牢屋に棺桶のまま運び込む魔族の皆さま。王様も今回も起こすことができないまま、連れてくる姫を間違えたかも……とうなだれるのだった。
あまりにもマイペースなスヤリス姫が貪欲に快眠を求める新感覚アニメ。これをみたら自分も今すぐベッドにダイブしたくなること請け合いかも。姫を見習って、寝具を見直してみる。
TVアニメ『魔王城でおやすみ』まさかの睡眠がテーマ!?第1話のページです。おたぽるは、アニメ、作品レビュー、魔王城でおやすみ、お姫様の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
人気記事ランキング
人気連載