TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』まさかの全編いらすとやで押し切った第1話

TVアニメ「100万の命の上に俺は立っている」公式サイトより

 アバン部分はHPで見た通りの絵柄だったので油断したのだが、オープニングが明けたら別のアニメが始まったのかと思ってだいぶ戸惑ってしまった。内容も序盤はいらすとやのインパクトがでかすぎて全く頭に入ってこない。とりあえずこの作画で進むのだな、と理解してからはもうこのテンションを受け入れて楽しむことしかこちらには選択肢はない。

 中三の主人公、四谷友助は学校でも無気力系男子として協調性のない生活を送っている様子。友人も少ないようでそんな様子だと進学したとき高校生活が大変だぞ、と先生にも小言を言われてしまう。
 
 放課後、日直だった友助は教室の戸締りの為に最後まで残っていたのだが突然誰もいないはずの教室で勝手に黒板に絵がどんどん描かれていく現象が起こる。何が起こったのかと思った次の瞬間には、彼はまるでゲームの中のような場所にいた。

 もちろんこの時の背景も作画もすべていらすとや。だから緊迫感もないし、ゲームの世界にいった感もあまりないのだが……。

 その突然の異世界に驚いていると「やった! ついに男子が!」という声が聞こえてくる。声の元に目をやるとそこには異世界の衣装に身を包む同級生の姿が(この姿もいらすとやである)。

 一人は読モも務めている学校でも人気者の新堂衣宇と、今まで接点がなかった箱崎紅未末の二人。二人と会話もロクにしない間に顔が半分の変態が出てくると言われてしまう。

 その言葉通り、現れた顔が半分の変態。彼は自分をゲームマスターであると名乗り、ルール説明を始めた。ゲーム? ルール? 一体何なのか。そういった質問に答えてくれるわけではないらしい。彼が提示したのはクエストの課題だった。その課題は「村長の依頼にこたえること」

 クエストに応えるごとに人数が増えていくことになるらしいが、一体どういう仕組みなのか?

 色々脳内に疑問符が浮かんでいるのだがとにかくこの世界での友助の職業を決めることに。決定はよくテレビなどで見かけるルーレットダーツ。そこで友助がダーツを刺して決まった職業はなんと「農民」。衣宇と紅未末は魔術師と剣士という職業で、友助にも戦力となる職業を当ててほしいと願っていたようだがかなり当てが外れた感じになってしまい落胆も大きい。農民はレアな職業っぽいがかなり役には立たなそうだ。

 職業も決まりやっと落ち着いて二人に話ができることになった友助。最初にこの世界にやってきたのはどうやら衣宇のようだ。マスターに出されたクエストをクリアし、現実世界に戻ったもののそこでも紅未末と友達になる、というクエストが出されたのだという。そうしてまたこの世界にやってきた際に紅未末も参加、二人でクエストをクリアした次の現実でのクエストが、友助と三人きりになること、というものだったらしい。

 放課後の教室でその機会を狙い、それが叶ったらこの世界に呼び込まれた、というのがことのあらましらしい。

 そんなわけで今回も出されたクエストをクリアしなくてはならいのだが、村人である友助の武器はクワなどの農具しか選ぶことができない。ゲームっぽいコマンドが現れてその中から選択できるのだが、選択肢が農具しかない時点で戦闘には向かなそうだ。

 だがそんな愚痴を言っている間もなく、ゴブリンのようなモンスターが現れる。仲間たちもまだこのゲームに参加したばかりとあって、それぞれの職業の技を使いこなせているわけでも強力な技が使えるわけでもない様子に、これからの戦いに不安を覚える。

 そして何よりも自分の持っている武器の強度の無さ! 対戦用に作られていないクワは敵相手にふりかかるとアッと今に壊れてしまう。そして武器と共にあっという間に殺されてしまう友助。

 自分が死に、仲間も瀕死の重傷を負わされてしまいパニック状態になる友助だったが30秒たつと生き返ることが発覚。なんとも簡単な蘇生条件。とにかく蘇生がそんなに早くできるのならば、ということで自らの命を差し相打ちすることでモンスターを倒すことができた。

 まだまだレベルが弱すぎるために暫くはこの戦法でいくしかないかと思ったが、パーティーメンバーが全員死ぬと本当に死んでしまう、という条件を聞いてしまい暗鬱たる気持ちになってしまう。だがまぁ、3人いればなんとかなるのではないか、とは思うが果たしてそう簡単に行くのだろうか。

 ちなみにクエストをクリアするともらえる報酬は、マスターに1つ質問をする権利。かなりショボイ報酬にも感じるが、全く情報のないこの世界においては重要であるようにも感じる。友助は自分がクエストをクリアしたらあのマスターにどのような質問をするのだろうか、とぼんやりと考え始めていた。

 だが、ぼんやりとしていられるない事態があっという間に彼らを襲う。先ほどのゴブリンとはくらべものにならないほどの大きさのトロールが、衣宇をとらえ、紅未末も負傷していた。

 確実に自分たちよりレベルが高そうな相手に、死の危険を感じ取った友助。その矢先衣宇の頭部が食いちぎられてしまう。これ、いらすとやじゃなかったらそこそこにグロイシーンになっていたような……。マミさんじゃん……。 このままでは全滅してしまうと直感した友助は紅未末を引っ張り先に街にいくことを衣宇に告げてその場を立ち去る。

 必死に逃げて村にたどりつくも、紅未末の食べられた手が元似戻らないことから衣宇のももしかしたら戻っていないのではないかという恐ろしい予測を立ててしまう。死んだら蘇生できるけれど井の中にいるとそれもできないということなのか?

 残った紅未末は戦士という職業ではあるものの全く剣が扱えず戦力にはならず、むしろマイナスだと感じている友助。 村にたどり着き、クエストをの課題である村長の願いを聞きに行くと、最近トロールが現れて困っているから倒してほしいと頼まれてしまう。 今まさに死にそうになった相手である。

 こいつを倒すためには今の力では無理だ。友助は紅未末に相談するわけでもなく自分のレベル上げをすることを決意する。

 悲惨な状況であるにも関わらず、日常に絶望していた友助はむしろゲームの世界のこの状況に興奮を覚えていた。

 命のやり取りがあってもなお、楽しいという気持ちがまさる友助、悪い顔をしていたようだがいらすとやなので迫力はない。

 果たして友助はどんな手でこの世界を生き抜いていくつもりなのか? 衣宇は戻ってくるのか? 

 とにかく今回のいらすとやの印象がついてしまい、オープニング・エンディングで通常のキャラデザに戻っても誰だお前? という気持ちが強く、一発目でこれをやってしまったことが果たして正解なのかどうかは判断がつきかねる。ネット上でも公式のこの悪ふざけに対して嫌悪感を抱いているコメントも多く見られた。

 この悪ふざけがプラスに働くほどに中身が面白ければいいのだろうが、2話目以降のハードルはかなり上がっただろう。1話切されてしまう可能性もある中でこの全篇いらすとやで挑んだ結果が吉と出るか凶と出るか。

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