アニメ『フルーツバスケット　2nd season』夾が演劇中にブチギレ？第23話

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　今回は原作15巻88話、89話のエピソード。文化祭当日がとうとうやってきて、透くんたちのクラスの出し物『シンデレラっぽいもの』がAパートで描かれた。

　兎にも角にも幕が上がった『シンデレラっぽいもの』。はなちゃんがシンデレラというだけで一筋縄ではいかないことは誰しもが想像できたと思うが、シンデレラという名前を借りた「はなちゃん」が自らの欲求のままに進んでいく。のを司会者と魔法使いがいさめるというのが大まかな内容だ。

　劇の練習をしていた割に誰もが台詞ではなく感情で思ったことを口走ってしまうあたり、はなちゃんがいかに台詞を守っていない可がうかがい知れる。彼女と絡む役（ほぼ全員）は確実に1度以上台詞ではないだろう言葉を引き出されてしまっている。

　特に可哀想なのはキョンである。王子姿はもうたまらなく格好いいのだが、元々やりたくなかった劇で天敵ともいえるはなちゃんを相手にストーリー上仕方なくでも求婚しなくてはならないのだ。ツッコミどころ満載の行動をとるはなちゃんをいつものように怒鳴ってもいけないし、お互い乗り気でないことがありありとわかるシンデレラと王子なのに、シンデレラのお約束であるやりとりを段取りとして踏まなければならないところが特に可哀想だった。

　舞踏会を開き、色々な女性から告白をにされるシーンで透くんだったことを忘れて怒鳴ってしまったときに本気でへこんでしまう夾は本当に可愛かった。全校生徒に透くんが好きってばらしてるの可愛い。本人気付いていないだろうけれどもそれすらもまた可愛い。

　自主的にガラスの靴を置いていったはなちゃんシンデレラを探しに来た王子（嫌々）。だが、別にシンデレラに求婚したいわけではないだろうということを見抜かれれてしまい話的に破綻している王子。さらにシンデレラは知ってか知らずか、夾に対してなのか王子に対してなのか「そうやって自分を胡麻化しながら生きていくつもり？　お城の中で、お城の中に閉じ込められて」　と、夾の境遇にドンピシャな台詞を言ってしまう。この台詞に王子であることを忘れてかっとなって言い返してしまう。

　だが、夾以上にこの言葉に反応したのは透くんだった。「私はそんなの……」と会話に割り込んでしまう。シンデレラの姉がここで割り込むのは展開上おかしい。つまりこれも透くんの本心から出た言動だ。これは透くんが彼が閉じこめられしまうことを望んでいないことが全面に出た言葉だが……。

　とにかく今は舞台の真っ最中。司会者と由希の機転によりシンデレラは姉と焼肉店を経営し、王子がそれをサポートするということで一件落着となった。シンデレラっぽ香かったのは最初だけでエンディングはかなり別物になっている。
　
　なんとかやり遂げた夾。そんな彼の元に一番見てほしくなかった存在、師匠が現れる。どうやらハルがこっそり教えていたようだ。師匠が現れると、いつもとは全く様子の違うはなちゃんが師匠に向かって挨拶をしていた。以前一度会ったときに師匠を好みのタイプといっていた彼女が動き出したのだ。

　その様子を見て先走りすぎて「結婚しないでくれ！」と懇願する程度には混乱していた夾。
師匠はやってきたものの、肝心の劇本編には間に合わなかったようだ。だが紅葉が録画をしていたので後々DVDに焼けるという。

　透くんはその話を聞いて、自分にも1枚焼いてほしいと頼み込む。紅葉はそれを聞いて透くんが紅野にもっていくつもりだということを察して自らその役を買って出る。
　
　一方、クラスの出し物が終わっても生徒会の仕事がある由希は生徒会室に向かう。だが、生徒会室では煩雑な仕事にイライラしている直とうるさい公だけがおり、真知と翔の姿が見えない。出ていってから帰ってこないとのことで、直に探してくるように指示をだされた由希は校内を探しにいく。

　すると、真知が女生徒に囲まれて何やらいちゃもんをつけられている場面に遭遇してしまう。すぐさま助けようとする由希だったが、翔にそれを止められる。なんでも、絡んでいるのは由希のファンだそうで、本人が庇ったらますますややこしいことになってしまうからだという。

　言い返さない真知にも非があるという翔だが、歯がゆい由希。真知は彼女らに「由希は王子じゃない」といった発言の真意を問いただされていた。真知はそれに「天然の人で、心細そうな人だと思う」という返答をしたために余計に怒らせてしまう。

　翔の計らいで全校放送で由希と2ショットが取れる企画が行われると宣伝されたおかげで、真知を取り囲んでいた女子たちは姿を消し、騒動は落ち着いたようだが、由希を王子として見ないという印象を話していた真知に興味を持ったような由希。この二人の話もまだこれからだ。

　原作通りに行くと、次は夾の過去回想になりそうだがアニメのサブタイトル的に先に由紀関連からいきそうな予感。今期は由希の問題をきれいにする算段なのだろうか。とにかく楽しみだ。
（文=三澤凛）