TVアニメ『魔王学院の不適合者』魔王学院と勇者学院との交流試合は波乱の予感？第10話

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　この作品を見ていると、少しずつ魔族に感情移入していくから不思議である。視点をどちらに置くかで見え方も大きく変わってくるとはこのことか。　

　魔王学院からの出発からタイムリミットの10日を迎えて続々と集まる学院性たち。ギリギリにやってきた者たちはアノス達が初日に既にたどり着いたということに衝撃を覚えるが、その到着がズルか何かではないかと疑ってかかる者もいた。

　それが今回キーマンとなる、魔王学院三回生主席のリーベストだ。彼は不適合者であるアノスを認めておらず、辛辣な言葉を投げかけてくる。もちろんアノスはそんなことは気にしないのだが……。

　兎にも角にも、とうとう勇者学院との学院交流がはじまった。　初日は簡単なリクリエーションからスタートということで、お互いの魔力を見せ合おうという趣旨のイベントからスタートされた。

　各校から代表者1名を選出して全員の前で魔法を使うというものだったが、魔王学院からはリーベストが出ることに。簡単な魔法なので特に問題もないかと思われたが、勇者学院が綺麗に技を披露しているのに対し、リーベストの魔法が発動しない。

　勇者学院はそんな魔王学院の不出来をあげつらうような態度を取られ、初日から面目丸つぶれになりそうになってしまう。だが、そこでもちろん立ちあがるのがアノス様である。勇者学院側が魔王学院がふりになる魔法を仕掛けていたことを堂々とばらし、その魔法を解いたうえで圧倒的魔力を見せつける。

　魔王学院側にしてみればいつものことだが、勇者学院は一気にアノスという人物に注目を集めることになる。だが、このせいで元からアノスに対して嫌悪感をもっていたリーベストは更に釈然としない思いを抱いてしまう。

　初日から険悪な空気に陥った学院交流。だがその日には町では祭りが催されていた。その祭りに行ってみたアノスとサーシャ・ミーシャ姉妹は二人で着ていたレイとミサの姿を発見する。　射的に興じる二人は、今日の双方の学校の険悪さを案じていた。特にミサは争いが嫌いでありどうしたら平穏にこの交流試合を送ることができるかを本気で考えていた。

　そんなミサの優しさに、魔剣試合の際に母とのことで悩んでいたレイは救われた礼として射的の景品をプレゼントする。

　その景品はネックレスで、昔から思い人にプレゼントすると結ばれるという逸話のあるものだった。レイはそんなことは知らなかったらしいがこの二人のやりとりは公式カップル登場を予感させるイチャイチャぶりだった。末永く爆発しろ。

　そんなほのぼのとした祭りも明けて次の日。本格的な対抗しあいがスタートした。湖を舞台にした模擬戦でそれぞれの学院から一班が選出される、昨日苦汁をなめさせられたリーベストは再戦のために出陣に立候補する。

　負けてばかりはいられない、と彼らの出場は認められいざ回戦。しかし、またしても勇者学院側のこざかしい策略によって、リーベストは苦境に立たされてしまう。湖の中には水中都市や洞窟などがあり、最終的には水中の中での戦いが待っている。だが、この水中に既にしかけが施されていた。

　魔族にとって、聖水はダメージを受けるもの。だが勇者陣営にとっては聖水は体力を回復し力を増幅させてもらえる。　その聖水が湖の中で循環しており、入るだけで魔王学院側には不利になっていた。

　そんな状況の中、リーベストは仲間に指示をだそうとするもそれも阻まれ、さらに聖痕という魔族側の回復魔法がきかなくなる傷をおわされてしまう。かなり魔王学院側に敵意があり、またやることが汚い勇者学院側。これには魔王学院側全員がかなりの怒りを覚える。もちろん、アノスもだ。

　アノスはあっという間にリーベスト達を助け出し、回復魔法が聞かない彼らの聖痕も直してやろうとする。だが、リーベストはアノスを信じることができないと突っぱねてしまう。もちろんアノスは慌てず騒がず、リーベストを心配する教師の気持ちを考えたらここでアノスが敵討ちすることを認める方がいいことを諭してやる。

　リーベストもいやいやながらも、アノスの強さをもってしかこの屈辱を晴らすことはできないと腹を決め、彼に雪辱戦を託すことに。意地の悪そうな勇者チームは、魔王学院側をかなりこばかにし再戦するなら湖の池を全部抜いたほうがいいんじゃないの？　と挑発する。

　アノスはその安い挑発にあえて乗り、本当に湖の水を一瞬で干上がらせてしまう。この湖は勇者側にとっては大切なものだったようで、かなり怒りを刺激されたようだ。

　お互いに怒りはピーク。確実にアノス様が圧勝しそうではあるが、意味ありげにエレオノールが現れたことで多少の波乱が予想される。果たして、魔王学院は勇者学院と平和な交流試合をすることができるのか！？
（文=三澤凛）