アニメ『日本沈没2020』古賀の陸上選手としての覚醒しかし……第9話

Netflixオリジナルアニメシリーズ『日本沈没2020』公式サイトより

 クライマックスが近い。母を見送った歩と剛は彼女から遺品をもらいそれを身に着け先に進むことに。古賀先輩も1話からかなり様子が変わり、二人を励ますようにテンションをあげてボートを進める。

 転覆した大型船から投げ出された物資から水や食料を積み込み、どうにか先に進もうとする。すると、そこに水陸両用の車両のようなものが近づいてくる。運転していたのはカイトだ。

 お互いに生存を喜び合い、母マリの死を知ったカイトは小野寺を連れて座標の場所に向かうとしている車内に歩たちを誘う。どこで手に入れたのかわからないが、強度が心もとなかったボートに比べてかなりしっかりとした機体だ。

 陸地を見つけた面々はそこで休憩を取ることに。突然温泉が沸き上がり、足湯を楽しみながら体を休めることができた。その休憩の間に、今現在それぞれが抱えているフラストレーションを吐きだそう、とカイトが音楽をかけてラップバトルを提案する。

 突然のラップバトルに度肝を抜かれるが、それぞれ無理のない範囲で思いをリズムに乗せて吐きだしきるとすっきりしたようだ。どれだけ一緒にいても、それぞれが別の人間なのだからたまにはこうやって思っていることをぶつけ合うのは大切なのかもしれない。

 カイトは小野寺が示した座標の場所を目指していた。そこには小野寺がかつて組んでいた博士との研究のアーカイブが残されているという。現在小野寺が持っているアーカイブとそれを合わせることで、この日本に起きている天変地異を止めることができるかもしれない、という眉唾な情報ではあるが、今はそれを信じることしかできない。
 
 その研究所は天変地異にも耐えられるとはじき出された場所にこっそりと作られており、カイトが小野寺を負ぶってその場所に二人だけで行くことに。さらに大地震がまたくる予想がされていたので、歩たちは大事をとって待機することに。

 動けない人間を一人抱えて進むのはそれだけでもかなり骨が折れる。カイトはなんとか研究所にたどり着き、小野寺が歯の中に隠し持っていたデータをアーカイブと合わせる作業に入る。

 だが、途中で大地震が再度起こり、研究所に水が侵入してしまう。あと少しのタイミングで機械に水が入ってしまう。すわ失敗か、と思ったタイミングでカイトは小野寺とデータを持ち出し脱出を図る。研究所にあった酸素ボンベを小野寺に装着してなんとか水面に脱出するも、小野寺は既に息をしていなかった。

 だが、自分の不手際で誰かの命を失うことを良しとしないカイトの必死の人工呼吸と心臓マッサージにより、小野寺は水を吐き一命をなんとかとりとめたようだが心臓マッサージを行っているさいに、持ち帰ってきたデータが高波にさらわれてしまう。次から次へと遅いかかかる苦難は彼らを試しているのだろうか?

 幸いにも、波にさらわれたデータは障害物に引っ掛かって波間を揺蕩っていた。だが、それもいつまで続くかわからない。早く捕りに行かなければならない。波の法則を見ていると、10秒以内に戻ってくればいけることがわかる。そこで名乗りを上げたのが古賀だ。彼は元々陸上部のエースであり、歩のあこがれの存在だった。引きこもりになってから全く走っていなかったようだが、ここで彼の走りを見ることに。

 データに向かって素晴らしい走りを見せた古賀。往復でかなりのスピードで歩たちの元に戻ってきたが、データを歩たちにめがけて放ったところで、大きな波が彼を皿て言ってしまった。また一人、仲間が命を落とした。彼はこうなることをわかっていながらも、最後に大好きだった走りで仲間に貢献できたことで満足そうだった。それにしても、悲しすぎる。 普段、感情をあらわにしないカイトもこの時ばかりは声を荒げてしまっていた。

 先輩が命を賭して奪還したデータには、いったいどのような力があるのか。次回、とうとう最終回。日本にはどんな結末が待っているのか、心して目撃したい。
(文=三澤凛)

アニメ『日本沈没2020』古賀の陸上選手としての覚醒しかし……第9話のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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