アニメ『フルーツバスケット 2nd season』由希と夾の間にまだまだ確執はあるものの?第22話

『フルーツバスケット』公式HPより

 今回は原作15巻86話87話のエピソード。由希が抱えていた気持ちの吐露が今回で一段落、といった様子だ。

 翔相手に、透くんのことを「お母さん」のように感じていたことを言語化していく由希。最初はお母さんのような存在を透くんに対して感じたことを打ち消そうと男として、女性に対するようにふるまってみたこともあったけれど、それが恋心でないことに気付いてしまったのだ。

 そのきっかけとなったのが、夾のブレスレットが外れてあの姿になった時。あの時、夾を追いかけた透くんの姿に「女」を見た由希。自分の前では異性である前にお母さんだった透くんの女の姿を見て動揺したのだ。そしてその女の部分をはっきりと意識している夾を見て、自分との違いを明確に思い知ったのだ。今思うと、あの夜はいろんな人の気持ちが大きく動いた日だったんだなぁ。夾と透くんは勿論、神楽も由希も、見ないようにしていた自分の心の奥深くのところと向き合わざるを得なくなった日だったのだ。

 翔は由希の発言に「お母さんとしてみることは恋愛においていけないことなのか?」という質問をするが、由希にとってはそれは明確に違う事なのだという。夾と透の間に流れる空気のように、お互いを大切に思うその関係を彼は望んでおり、透くんは彼にとってかけがえのない存在であることには変わらないが、それは恋ではないのだ。それがさみしくもあり、涙を流してしまう。

 なんだかんだ言って、今まで誰にも言えずにいたことを全て話せてしまった翔という存在に由紀は改めて驚きを覚えるが、それは由希が変わったからでもあるのだ。改めて、由希が変わるために必要だった透くんという存在の大きさを感じる。過去にネズミになった姿を見られて記憶を消した友達とは違い、透くんは記憶が消されてしまうかもしれないとなった時に「記憶がなくなってもまたお友達になってくださいね」と言ってくれたただ一人の人だったのだ。自分の事より他人の事ばかりを気にしてしまう彼女に、お母さんを求めていたとか、感謝の気持ちを伝えるには時期尚早かもしれないが、彼女の幸せのために、由希は動くことを決意した。

 その決意は、夾への態度に現れる。両片思いの間柄であることは誰の目にも明らかになってきたが、お互いにその状態から先に進むという思考回路に至っていない。彼女のために夾が行動を起こすように促そうとする態度が見られるが、由希自身が色々すっきりしたからといって、夾にそのペースを求めてはいけない気もする……。夾の中ではまだ色んなことが片付いていないのだから……。

 さて、学校では文化祭に向けてクラスの出し物の練習もスタートしていた。透くんたちのクラスの催しは劇。シンデレラの演目をやることになっているが、配役が問題だらけで練習すらもままならない。そもそも透くんに意地悪な役はハードルが高すぎる。本人の意見を無視して夾が王子役ということで練習をさぼりまくったりと先行きが不安だ。あまりにもあまりにもだったことから、脚本が書き換えられることになったり、由希が出演ということで綾女が衣装を担当しようと学校に乗り込んできたりと波乱が続く。果たしてどんな舞台が完成するのだろうか。

 夾は透くんが自分のために考えて行動してくれていることを知り、いやいやではあるものの王子様をちゃんとうやる決意をする。公式で透くんと夾がこのあたりからイチャイチャしだすのが本当に毎回たまらん……。由希の気持ちもはっきり提示されたので、由希も二人のイチャイチャをため息交じりで見ている感じがね、もう本当ありがとう。

 まだまだ由希と夾の間に確執はあれど、それはお互いがお互いを「羨ましい」と感じその気持ちが妬み嫉みに発展しこじれてしまったことゆえなのが痛ましい。時間はかかるが一つ一つ彼らには乗り越えていってもらいたい。

 次回は文化祭当日になるのだろうか? 完成したシンデレラがどれほどのカオスさに仕上がっているか、今から楽しみだ。
(文=三澤凛)

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