アニメ『GREAT PRETENDER』いつどの瞬間に騙されるかわからない緊迫の第8話

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　今回も「ここってもしかしてもうだまし入ってる？」と思わされる瞬間が沢山あった。だけどそう思わせる部分もまた作戦の内なのかもしれない。どこまでも気が抜けないコンゲーム、シンガポール編もそろそろ大仕掛けに入ってきたようだ。

　エダマメはアビーのことをもっと知ろうと、彼女を密室でありゆっくり話せるかもしれないと観覧車へと誘う。　だがアビーはいつも通りのそっけない態度。自分たちは仲間ではなくただの共犯者であるというスタンスを崩すつもりはないらしい。

　ローランたちはイブラヒム兄弟を釣り上げるために、裏カジノの現場をでっちあげる。金儲け大好きな兄のサムをここに誘いこみ、弟のクラークとアビーの勝負で大金を賭けさせて結果を変えてしまいこっちが儲ける作戦だ。この作戦にはいかにサムが乗り気になるかが重要になってくるということで、セクシークイーンを名乗るシンシアが彼を色仕掛けで誑し込むことに。

　だが、サムは20歳以下の女性のことを一括で「ババア」扱いする質だったために、シンシアの色気は全く通じずこの作戦は失敗。逆にシンシアの怒りに火をつけてしまい、もっと徹底的に搾り取られることも確定した。

　第2の作戦として、ローランはエダマメを投入することに。日本でローランたちに担がれてエンジニアの技術を多少なりとも手に入れたエダマメ。イブラヒム兄弟のエンジニアチームから一人抜けたところを見計らって、超優秀なエンジニアがアビーチームの方に面接に現れたところをこれ見よがしに見せつける作戦だ。

　さらにその為に以前イブラヒム兄弟と組、ヒール役を請け負ったことで大きな負傷をしてしまったルイスと妻のイザベルも加わった。　元々ルイスのチームにエダマメが所属していたという設定になり、ルイスがパイロットとして活動できなくなったために再就職先としてアビーのチームにイザベルが紹介するという筋書きだ。

　ゼロ戦の技術を持っているという触れ込みで、エダマメが入ってからルイスのタイムが格段に縮んだのに、誰かの陰謀で事故を追ってしまった……ということでクラークにはエダマメの技術は魅力的に映ったようだ。アビーのチームと契約をする前にこちらにも一度面接に来てほしいと懇願される。これで第一段階はクリアしたも同然だ。
　
　まもなく自分はイブラヒム兄弟のチームに入ることになるだろうことを告げると、ルイスは徹底的にあいつらを苦しめてほしい、という物騒な発言を繰り返す。自分は詐欺という行為に手を染めるつもりはない、ともいい協力をする気はないようだが妻のイザベルが加担するのは構わない、など曖昧な発言を繰り返すが兄弟への憎しみは強いようだ。そんなルイスの姿にイザベルも何か不満がたまっている様子……。この夫婦の真意は一体？

　アビーはルイスが元軍人であるかどうかを気にしているようだが、アビーの過去回想にあった軍人っぽい人たちと共にいたことが理由にあるのだろうか？　このあたりもまだ判然としない。

　イブラヒム兄弟は、エダマメのエンジニアとしての資質を見るために、クラークの機体のメンテナンスを命じる。ぱっと見は普通のメンテナンスしかしていない（できない）のだが、テスト飛行をした後、エアレースの記者たちがこぞって「すごく変わったけれども何があった？」と取材殺到したことなど、外的要因からエダマメの技術が証明されたように映り、エダマメを正式にエンジニアとして雇おうかと気持ちが揺らぐことに。もちろんこの記者などは全部ローランの手先だろう。

　だが、その直前に前回のロサンゼルス編でも大活躍だったキムが、エダマメにいつあもんをつけるためにやってくる。もとルイスのパトロンだったがエダマメが裏カジノで稼ぐためにルイスを失墜させたとして脅しに来たのだった。このキムの脅しのおかげで今までエダマメを軽視していた兄のサムの心が動かされ、兄弟そろってエダマメがほしい人材へとグレードアップした。

　弟はエンジニアとしてのエダマメを、兄は裏カジノへのパスを持っている人物としてエダマメを欲したのだ。すっかり手の上で転がせるようになったサムを連れて、エダマメはローランの作ったニセ裏カジノへとやってくる。そこには日本でタッグを組んでいた工藤もローランたちの仲間として働いていた。サムはトルコ料理屋の経営者として裏カジノに入りこみ、大金を稼ぐ気でいる。自分がこれから搾り取られるとも知らないで。

　だが、この作品がそんなにあっさりシンプルに終わるとは思えないので、この段階で術中にはまっているのはもしかしたらエダマメたちなのか？　それとも案外スッとイブラヒム兄弟を陥れることができるのか？　アビーの過去についてやルイスの憎悪などまだまだクリアされていない謎も多い。次回、どんな展開が待っているのかが楽しみだ。
（文=三澤凛）