TVアニメ『ミュークルドリーミー』ゆり先輩と杉山先輩の関係に白黒決着か？第16話

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　今回は主人公のゆめちゃんに久々に単独でスポットが当たる回。毎回目立ってはいるけどメイン回が案外少ないということに気づかされた。

　憧れの杉山先輩の引退試合。優勝をかけた最後の試合をチア部として応援にやってきたゆめちゃん。まいらちゃんとことこ先輩も、応援をするゆめちゃんを応援しに来る。

　大好きな先輩の最後の試合、全力で応援するも対戦相手の実力もなかなかのもの。瀬3セットマッチでお互いに1セットずつ取り、最後先輩がおされる展開になってしまう。どうしても先輩に勝ってほしくて、誰よりも大きな声で先輩に声援を送りそのおかげか点をいれまくる先輩だったが、ラストで相手側が猛攻をしかけ結局杉山先輩は優勝を逃してしまう。

　この試合会場に来ていたのは何もゆめたちだけではなく、ゆに様もやってきていた。試合があるところでは負けると会場全体からブラックスキームが出ると企んできていたのだが、負けた後は確かに出ていたブラックスキームも、杉山先輩の爽やかさでアッという間に浄化。ブラックアビスを注入するに至らないまま終わってしまう。
　
　試合は残念だったが、それならばそれでかける言葉はあるものだ。皆から背中を押されて杉山先輩の元に向かうゆめだったが、照れと恥ずかしさで二の足を踏んでいたらあっという間にゆり先輩が隣にいる姿を見て、声をかけるのを諦めてしまう。そのしょんぼりした姿にブラックスキームの影を見たゆに様は、いつも自分の邪魔をするゆめがブラックアビスに飲み込まれたら痛快だ、とゆめを狙い始める。

　だが、ゆに様がゆめの周りをうろちょろしているのを発見したみゅーちゃん達は、ゆめにブラックスキームを育てさせないように、自分たちでゆめを楽しい気持ちにさせることを誓う。
家ではみゅーちゃんが様子を見張り、少しでも気落ちしそうなことがあれば楽しませ、仲間に連絡をとって協力をあおぐことに。

　部活に行けば練習している姿を覗き見られていたのに、引退してしまった後ではそれができなくなり、杉山先輩成分が足りなくなるゆめ。ことこ先輩の家に宿題を教わりに赴いた際には、ことこ先輩と同学年で杉山先輩ファンクラブの会長からファンクラブ会長のあとを継がないかといわれているから、生写真がほしくても手が出せないとまたプチ落ち込みをしてしまう。

　慌てたことこ先輩は、杉山先輩が学習塾に通っていることを教えてくれ、そこに無料体験ができるはずだから、ゆめも行けばもしかしたら会えるのでは？　というアドバイスをくれる。少しでも杉山先輩に会いたい！　とまいらちゃんとときわちゃんも誘って学習塾の無料体験に勇んで出向くが、頭のいい先輩は一般的なクラスではなく特進クラスのようなものに参加するために校舎が移ったと知らされる。結局塾では苦手な勉強だけさせられて疲労困憊。さらに別校舎にいた杉山先輩を偶然見かけることができたのだが、その隣にはやはりゆり先輩もいたことから、またしてもゆめのブラックスキームが覗き出てしまう。

　この隙を狙っていたゆに様はしめしめ、と近づくがそのブラックスキームが大きくなりそうな瞬間に、まいらちゃんことこ先輩、ときわちゃんとぬいぐるみたちが、ゆめちゃんを路地裏に呼び込む。みんなはいつもゆめがチア部でやっているように一生懸命ゆめを応援。ゆめに元気になってもらいたい、という気持ちがダイレクトに届いたのか、彼女の中のブラックスキームはあっという間に消え去り、ゆに様の期待はあっけなく終了。

　ゆめは、自分がチアが好きになったきっかけである漫画を読み返し、今日みんなが「ゆめちゃんを応援したい」と応援してくれた行為で元気になれたこと、それが自分の原点であることを思い出した。

　杉山先輩を応援したい、そう思ったからチア部に入ったこと。人を元気にしたいという気持ちを大事にして、改めてチア部で頑張っていこうと心にきめたようだ。落ち込むこともあるけれど、私は元気です。といわんばかりに朝陽にも「私がんばる！」と宣言し、眠りにつくのだった。　

　杉山先輩の引退が偉くあっさりと終わってしまったけれど、それで一喜一憂するゆめちゃんと、それを近すぎず遠すぎずな距離感で応援するみんなとの仲の良さが本当に可愛らしいエピソード。ゆに様が不憫すぎる気もしたけれど、こういう回も必要だ。

　それにしてもゆり先輩と杉山先輩の関係もそろそろはっきりさせてもらいたいような気も……。ゆめには朝陽があってると思うんだがこのあたりの恋愛関係は白黒結果がでるのかどうか、楽しみだ。
（文=三澤凛）