TVアニメ『ピーター・グリルと賢者の時間』男とはダメな生き物なのか？第6話

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　義父となるはずのギルド長は娘可愛さのあまりにピーターとの結婚を快く思っていないことから、二人の結婚を破談にしたくてたまらないらしい。ピーターとピグリットの間に間違いがあれば、大手をふって二人の縁談を破談にできるとたくらんだのか、ピグリットの飲みものに何かしらの媚薬を混ぜていたようだ。

　興奮状態のピグリットは、ピーターと二人きりの部屋で露出度の高い下着姿で豊満な肉体をピーターに向けて見せつけるように、媚薬の聞いた体を持て余すようにしなだれかかっていた。

　今まで何度も愛するルヴェリアえお裏切ってきているピーター。だが、今回は義父になる予定の男の思惑もあり、ばれたら確実に自分の幸せな未来が閉ざされることが目に見えているだけに、ピーターもかなり必死にその欲望に抵抗を試みる。触りたいくらい豊満なおっぱい、そして可愛らしくいじらしいピグレットの魅力にまんじりとしない状態に陥り、自らの精神力が試される。

　ピグレットも今までオーク族として辛い人生を送ってきていただけに、ヒューマンの魅力的な男に自分の体が欲情される対象であるということには悪い気もせず、またこの関係がうまくいくことによって、自分を今まで苦しめてきたオーク族に仕返しができる一世一代の大チャンスでもあるらしく、床を共にすることを強く希望するのだった。

　欲望に負けそうになり、ピグレットも乗り気となったらそのまま一直線に進んでしまえばお互いに楽であることは確かなのだが、一過性の快楽に負けて輝かしい未来を失ってしまうのは愚の骨頂である、とピーターは決死の思いで、ピグレットへ説得を試みる。

　二人の出会いは仕組まれたものであり、どうしてもこの一夜を何事も終わらせないと自分の今後が危ないことを言葉を尽くしてわかってもらおうとするが、オークに世界はヒューマンの世界と違って一夫多妻制が一般的らしい。
　
　気持ちを落ち着かせて禅の呼吸を用いて、この苦境に立ち向かうことを決意したピーターだったが、次の瞬間には夜が明け、二人は全裸で朝を迎えていた。むなしく、罪深い賢者タイムの始まりである。

　朝食の席に着くと。ギルド長とオーク族の長が二人に好機の目を寄せてくる。ピーターもやってしまった手前、何も言えずピグレットの返答の出方に全てをかけるしかない状態に。手の震えに動揺が全面にでながらも、運命の時をまつピーター。口を開いたピグレットの一言一句に心臓を掴まれたようだ。彼女の口からは、ピーターは自分に指一本触れず、ギルド長たちの期待に応えることはできなかった。という、ピーターにとっては勝利宣告をなされたようなまさかの逆転大勝利な発言がなされる。

　これでルヴェリアとの婚姻関係は守られた。と胸をなでおろしたピーターだがもちろんそんな単純に話が終わるはずもない。ピグレットは、手こそ出してもらえなかったが、ピーターの態度から勝機が感じられたので、ギルドに出向してさらにピーターと友好関係を深める機会を与えてほしいと直談判したのだ。今までよりもっと距離の近いところに常に身を置くことで、認知してもらい、子種をもらい受けていつかオーク族に復讐を果たしたいという思いを抱えているらしい。

　思ったよりも根深いピグレットの闇を垣間見たような気もしたがピーターはまたしてもピンチな状況に追い込まれた。

　この作品を見ていると、男は誘惑に打ち勝つことが出来ない生き物であることをまざまざと見せつけられ、男なんて信じられないという気持ちにさせられていく。

　いつかピーターが誘惑に打ち勝ち、むなしい賢者タイムを迎えなくなったら、男性に対して希望をもつことができるのだろうか。
（文=三澤凛）