アニメ『日本沈没2020』死者の声を聞くことができるシャンティとは一体?第5話

Netflixオリジナルアニメシリーズ『日本沈没2020』公式サイトより

 日本全国どこにいっても安心して休める場所がない中でたどり着いたシャンシティ。新興宗教団体というと、平時にはあまり関わりたくないように感じてしまうが、こういう緊急事態にはそこにすがりたくなってしまう身勝手さ。それさえも受け入れてしまう度量の深さには感服してしまう。

 マザーと呼ばれるこの団体の長のような人物は、死者の声が聞こえるという。10歳の息子、大地の力を借りて、日に3人の選ばれた人達の持つ遺品を触り、その死者の声を伝えるらしい。

 歩たち一行は、彼女の儀式を見せてもらい父をはじめとする今までであって来た死者を想いやりきれない気持ちになってしまう。

 カイトはその力を嘘っぱちだと考え、七海のメガネを不意打ちで彼女に私、なんと言っているかを言わせようとする。ガードマンに止められたが、マザーははっきりと、前情報がないはずの七海の言葉を彼らに伝え、その力に驚愕させられてしまう。

 マザーの力が本物らしいと感じた歩と剛は父の声を聴きたい、と思うようになる。歩は最初は声を聴いて自分が責められたらどうしよう、という思いを抱いていたようだが、それでもやはり声が聴けるなら聞きたいという気持ちが勝ったようだ。

 だが、マリは声を聴くのはやめておこうと歩を諭す。その物言いに歩は反発し二人は喧嘩のような状態になってしまう。親の気持ちも子供の気持ちもどちらも想像できてしまうから、辛い。信じられない状況に追い込まれ、最愛の人物が目の前でいなくなってしまうという状況。そして2人の子供たちを守らなければならい状況に追い込まれえた母が一番会いたいに決まっている。

 だけれども、聞いたら折れてしまいそうだと感じてそれを押しとどめようとしているんだろうこともわかる。

 ダニエルがそれを悟ってさりげなく、楽しそうな雰囲気を作ってマリを励ましているシーンはグッときてしまった。一人の人として、ちゃんとマリの立場をわかって話をきいてあげられる距離感。

 シャンシティには豊富な食糧、そして学校や仕事もある。学校に通うこと、労働をして生活をするという基盤がやはり人間には必要なのだということを感じさせる。

 コロナ禍で日常が崩れた時にも強く思ったが、人は何もしないでは生きられないのだ。ずっと引きこもっていた古賀も、ここにきて労働をしたこと、人とふれあったことでどんどん様子が変わっていっている。

 週末に開かれるというパーティに参加した時も、カイトが古賀の持ち出していたレコードをかけたことで、自らDJをやったりと、塞ぎこんでいた部分が一気に解放されたようだ。

 このシャンシティは、大麻を栽培しそれを活動につなげているようだ。通常の生活をしていたら確実にアウト案件だが、今はそれもオープンなのか。パーティでも大麻を楽しむ人も多くハイになる輩も多い。

 歩は酔っぱらった男に迫られ、身の危険を感じるが自らの攻撃でそれを撃退。あとから駆けつけたカイトはクスリでテンションが上がっていたので、歩のこの行動をかなりのハイテンションでほめたたえた。

 このことで、二人の間もぐっと距離が近づいたようだ。カイトは金持ちがどんどん海外に脱出した後も、「面白そう」という理由で日本にとどまった様子。彼が歩たちに同行してくれている理由は見えないままだが、いい影響を一行に及ぼしているようにも見える。

 歩とマリが、お互いに時間を置いたことで仲直りを果たしていたその時、一行をここまで導いてくれた疋田が不穏な行動をとる。ここにきて与えられた電動車いすを操り、マザーの元へと接近していく。かなりの腕前の弓矢を手に、側近を一人ずつ倒し、マザーではなく、彼女の息子大地を連れ出し、車に乗せてシャンシティを抜け出そうとするが、クスリが切れて発作を起こし、車は壁に激突してしまう。

 大地に向かって「じいじが迎えに来たから一緒に帰ろう」と言っていたことから彼は大地の祖父であり、マザーの父ということなのだろうか? このシャンシティとの関係は?
(文=三澤凛)

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