TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』過去と向き合い、スバルは乗り越えることができるのか?第29話

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TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オフィシャルサイトより

 今回はスバルの過去回想回。今まで全く触れられてこなかった菜月昴という人間について知り、そして彼を形成するルーツを知り、そういえばなんでスバルみたいな人間が不登校だったんだっけ? という疑問にもまるっとアンサーを出してきた。

 エミリア達の存在する異世界に転生したことから物語がスタートしていたスバル。だけれども、彼には元のこの世界に生活の拠点があったのだ。彼は引きこもりで学校には行かないという生活をしていた。家族構成は父と母とスバルの三人家族。

 目が覚めたら、そんないつもの家族との日常がスタートする。テンションが高すぎる父、天然さく裂な母。家族そろって食卓を囲む仲のいい家族だ。

 この日も、父がスバルにプロレス技をかけて朝がスタートする。負けじとスバルも父に反撃を決めるなど毎朝いい勝負を繰り広げているようだ。というか朝からこのテンションで仕掛けてくる父親はちょっとウザイくらいだ。

 そんな二人の技の応酬を止めに入る母。起きたのだから一緒に朝ごはんを取るための仲裁だ。

 母が用意した朝ごはんは、ジャムトーストに味噌汁。そして大量のグリーンピースだ。スバルが好き嫌いしないようにと用意したらしいが、スバルは食べることを拒否し父親に押し付ける。だが父もそれを母にそのまま押し付ける。そして母はスバルに押し付ける……と堂々巡り。それもそのはず、父も母もグリーンピースが嫌いだったのだ。親も偏食しているものを子供に食べさせようとしても食べないよな。

 こんな明るくはつらつとした家庭で育ったスバルが、一体なぜ引きこもるようになってしまったのか? 朝食を終えて、父が学校にいくことを促してみるも、スバルはそれを拒否。学校に行くことなく昼までもうひと眠りしようとしてしまう。

 だが、学校に行くことを拒否すると死に戻りをした時のように心臓が痛む発作が現れる。父は苦しんでいる様子のスバルに対し気分転換に外で話をしよう、と半ば無理やり外へと連れ出した。

 外に出ると父はすれ違う人皆に声をかけられる。地元で有名な人なのか、スバルが周りに人が集まってくるタイプなのは父からの遺伝であるのがよくわかる。

 公園のベンチに座り一息つくと、父は「好きな子はいるのか?」とスバルに質問を繰り返す。好きな子、と聞いて脳裏に思い浮かぶのはエミリアの姿。だが、この不思議な空間ではエミリア達がいた世界の記憶がぼやけているようで、うまく思い出せず思い出そうとするとまた心臓が痛んでしまう。

 だが、優しく呼びかけるエミリアの声と姿に段々と記憶がはっきりしてきたのかスバルは「好きな子ができた」と語り始める。

 そしてエミリアが好きだと確信したスバルは同時に、逃げていた自分についても父に対して語り始める。

 何でもできる父の息子として、小器用な部分があったスバルは小さなころから勉強も運動もなんとなくできてしまっていた。だが、それは小さなころまでの話で、どんどんその才能に特化した人物が器用だけでは追いつけない部分の領域に進んでしまい、自分はどんどん二番手三番手の存在になっていってしまう。

 そこからどんどん、人付き合いが下手になり、目立たないように過ごしていたというスバル。だが、高校生になったときに間違った高校デビューを果たし、再度孤立。

 寝坊したことをきっかけに、学校に行く頻度が下がり、どんどん行かなくなることが普通になっていってしまい、今に至るという。

 そんな自分だったけれど、両親は全く変わらずに自分に接してくれていたことがどんどん自分の中で重荷になり、両親が自分を嫌いになって突き放して投げ捨ててくれればいいのに、と思っていたことを告白する。

 そんなスバルからの言葉を聞いた父の反応は、盛大なかかと落とし。親が子供が殻に閉じこもっているくらいで嫌いになったり投げ捨てたりするはずがないだろう、と言い放ち、偉大過ぎる父親でごめんな、とスバルを抱きしめてやるのだった。

 外からみても、もしかしたら職種や経歴的にもすごい父親なのかもしれないけれど、明るくあっけらかんと、偉大な父感を出せるこの父親かっこいい……!

 スバルは、公園で父と別れ家に戻ることに。父とは、これであえなくなるかもしれない、と予感したスバルは父を呼び止め、ちゃんと挨拶をして別れ、家に戻る。

 父と話したことで前を向く気持ちになったスバルは学校の制服を着こみ、家を出ようとする。その姿に気付いた母もスバルが学校に行こうとしたことに喜び、一緒に家を出ることに。

 スバルの目はお母さん譲り。吊り上がったお目目に似合わずかなりふんわりした雰囲気のお母さん。父と何を話したかを聞き、それでスバルがやる気をだしたことをとても喜んでいた。どの作品でも母親という存在は強く優しく子供の全てを丸ッと包み込む包容力を持っているがスバル母も例外ではなかった。

 スバルが決めたことを否定せず、スバルがスバルのままでいることを肯定してくれる。ずっとずっと、スバルが殻にこもっている間も何に悩んでいるかも知っていたうえで見守ってくれていたことがわかり、そのありがたさに思わず涙ぐんでしまうスバル。母との別れの時、簡単には会えないかもしれないことを伝えるが、それでも笑顔で背中を押してくれた。

 そして、スバルに忘れてたと、「いってらっしゃい」という言葉をかけてくれる母。この言葉は、スバルが異世界に転生させられたあの日、コンビニに行こうとしたスバルもかけられていた言葉だ。だが、その時スバルは「いってきます」といわずに出ていき、それをずっと後悔していたのだ。今回、スバルは笑顔で「いってきます」といい、両親と別れることが出来た。

 異世界で、大好きなエミリアや大切なレムという存在と生きることを選んだとしても、この二人の子供であること、会いたかったという気持ちがなくなることはなく、過去に残していたわだかまりをキチンと解決して前に進むことが出来たのだ。

 そしてスバルは両親と別れ、トラウマの元である学校へと足を向ける。緊張の面持ちでクラスの扉を開けると、そこにはエキドナの姿が。

 過去と向き合えたか? ときくのはこの過去の描写はやはり彼女の差し金であったようだ。過去と向き合い、乗り越えたスバル。倒れていたはずのエミリアはどうなったのか。次回はまた元の時空に戻った話になりそうだ。
(文=三澤凛)

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