アニメ『日本沈没2020』不幸は続く…父の次は？第3話

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　前回のショッキングすぎるラスト……。吹き飛んだ一家の大黒柱の死を乗り越えて一行はまた歩みを進み始める。こうやって先に進もう、と言い出せる人がいることがすごいことなのだと思う。自分だったら目の前で家族が吹き飛んで、そのあと足を踏み出そうと思えるかどうか、とても自信がない。歩もそういったタイプなようで、先頭を切って歩いていく母親に対してイライラが募り、ぶつかってしまう。

　お父さんが死んでも悲しがる素振りもなく進めるなんておかしい、と座り込んでダダをこね始めてしまう。もちろんそんなことをしても父は帰ってこないし、母に文句を言っても始まらない。状況的にも父の死だけじゃなく日本という国が全体で未曾有の事態なのだ。そうはわかっていても、イライラを止められない歩の気持ちもわからなくないから、見ていてとてもつらい気持ちになってしまう。

　母マリと歩が喧嘩をしている最中に、一台のトラックがやってくる。喧嘩も忘れて、彼女たち一行はこのトラックに同乗させてもらえることに。だが、この運転手はこの未曾有の事態を楽しんでいる様子が見られ、飲酒をしながら運転をしたり暴言を吐いたりと、あまりいい気持ちのする人物ではなさそうだ。

　ガソリンスタンドで給油をしようと立ち寄った際に事件が起こる。給油を手伝おうとした七海と外に出た男はそのまま彼女を襲おうとしてくる。もちろん七海はそれに抵抗。だが、殴り合いへと発展してしまう。女相手に容赦もなくさらにはスタンガンまで持ち出す卑劣っぷり。途中、マリが気付いて参戦してくれるもやはり男の力に押され気味になってしまう。寸でのところで、スタンガンを奪い取り反撃して男を倒すことに成功。一行はトラックでさらに西を目指す。
　
　トンネル近くで崩落があり、トラックではこのまま進むことができないという地点まで進みそこからは歩きで歩を進めることに。歩き通しだった為、そろそろ休憩したいと歩は七海にトイレにいきたい、と伝える。二人は連れ立って一目につかない脇道に入り用を足そうとするが、歩は足元に多くの鳥の死体が転がっていることに気付く。どういうことか、と七海の方に目を向けるとさっきまで話していたはずの七海が倒れている。

　その光景に駆け寄ろうとするが、上空から「そっちにいくな！」と声をかけられる。パラシュートのようなもので空を飛んでいる人物が歩に有毒ガスが出ていることと、七海が倒れている方向に進んではいけないことを指示し、歩は家族の元へと戻ることが出来た。七海は有毒ガスを一息吸って命を落としてしまったようだ。彼女を弔うことも助け出すこともできず、父に次いでまた一人目の前で息絶えてしまったことに歩は自らを責めてしまう。もちろん彼女のせいではないが、自分がトイレに行こうと誘わなければ死ぬことはなかったのではないかと考えるのは止められない。

　パラシュートの人物の正体は人気YouTuberのKITE。彼はその燃料つきパラシュートで一人だけなら安全な場所につれていってあげる、というが一行はそれを拒否。彼に突っかかってくる歩の発言を受けて、KITEもパラシュートをすてこの一行と共にいくことに。
　
　歩いて歩いて、見つけたショッピングセンターのような場所で物資を調達することに。食べ物や衣服なども扱っている店内はそこそこに商品を持ち出された痕跡はあるがまだまだ何かしら必要なものが見つけられそうだった。それぞれが思い思いに店内をめぐっていた時、突然槍のようなものがマリとKITEの前に投げ込まれた。

　幸い当たりはしなかったものの、自分たちの命を狙おうとするものがいることに衝撃が走る。槍を投げた主は自分の店からモノを盗み取ろうとするこの一行に制裁を与えようとしているらしかった。投げ込まれる位置から相手方の居場所を特定して、歩たちは姿を隠すが、豪が逃げ遅れ彼の体めがけて鋭利な槍が投げ込まれてしまう……。

　2話でお父さんが亡くなったのもかなりの衝撃だったがあっという間に七海さんまでもが亡くなってしまいこの作品の容赦のなさに慄いている。災害が起こった時、それに乗じて女性に暴行を加えようとする人本当にいるみたいだから途中で出てきた男は不快感がものすごかった。さらに過剰なイキっている感じのお芝居が不自然なのもあり彼に対するイライラは募るばかり。車もなくなって彼はそのあと一人でどうしているのだろうか。

　　剛までもが討たれてしまったのか、それとも無事でいるのか？　攻撃を仕掛けてきた人物は一体何者なのか、日本は本当に沈むのか。ああ、次回も怖いけれど見なくては。
（文=三澤凛）