アニメ『フルーツバスケット 2nd season』紅葉くんには本当に幸せになってもらいたい第16話

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『フルーツバスケット』公式HPより

 今回は原作13巻の74話、75話のエピソード。全体的に物語の進み方も原作に沿って進んでいるようだ。

 うおちゃんが思い人と再会することが無くなり、落ち込んでいる様子を心配に思っていた透くんたち。せめて名前でもわかれば……とこぼしたところ、彼の名前が「クレノ」だということが発覚。その名前に聞き覚えがあった透くんは草摩の紅野と同一人物なのかもしれないという、か細い可能性にかけて草摩本家へと乗り込みに来てしまう。

 約束をしているわけでもなく、どこにいるのかも分からない。ただただどうにかしたいという気持ち一つできてしまったが、慊人との間にある恐怖を考えると乗り込むにも勇気がいる。少し気を紛らわせてから乗り込もう、と屋敷の敷地の周りを廻っていると小さな女の子とぶつかってしまう。
 
 どこかで見たことがあると思ったら、その少女は記憶を消されている紅葉の妹・桃だった。つい「紅葉」という名前をつぶやいてしまった為に、透くんが紅葉の知り合いであることがバレてしまうが、桃はこっそりと敷地内に入って紅葉と会える場所へと連れていってくれる。
 
 桃はいつもこっそりと敷地に入り、こっそりと紅葉を見ているという。紅葉と会おうとすることを、パパは嫌がるのだという。自分のママに紅葉がそっくりだと母に伝えても、母は似ていないという。小さな桃は、パパの言いつけを守り紅葉に直接会う事はしないが透くんにお願いを託す。「紅葉はいつ私のお兄ちゃんになってくれますか?」と。大人たちの思惑は知らず、ただ純粋に桃は紅葉を慕い、彼が兄だったらいいのにと願っている。本当の兄であることを知らず、紅葉を真似て自分もバイオリンを習い、一緒に遊べる日を願っているのだ。

 桃はその願いを託すとそのまま去ってしまう。透くんは紅葉の部屋に入れてもらい、桃の願いを伝える。どちらも会いたいと願っているのに会えない関係であること。兄であり妹である関係は間違いないのにその関係で対面できない辛さを目の当たりにしてしまった透くんは涙をこぼすことしかできないでいた。

 紅葉はこの話を聞き、桃が自分を見てくれていたこと、自分を思ってくれていたことを聞いて心から嬉しそうにしていた。彼はバイオリン弾きになっていつか小さなコンサートを開いてそこに家族全員が来てくれることが夢なのだと、そう語ってくれた。そんなことすら「夢」になってしまうのがただただ切ない。いくらでも、一緒にバイオリンが弾ける仲のはずなのに。いくらでも聞いてもらえるはずなのに。

 紅葉のように、会いたい人に会いたいように会えない、というのはうおちゃんも同じだ。透くんは紅葉に、ここには紅野に会いに来たことを伝えるも、十二支憑きですら中々会えない存在らしく難しいのではないだろうかといわれてしまう。だが、紅葉は透くんの気持ちを汲み紅野がいると思われる場所の地図を描き何かあったら自分の名前を出すようにとまで言ってくれる。

 勇気を奮い立たせ、人に見つからないように奥へ奥へと進むが間もなく紅野がいるだろう場所に近づいたところで、「誰かいるの?」と部屋から声をかけられてしまう。どうしたらいいのかわからず、縮こまっていたところにやってきたのが紅野だった。紅野はその声の主に、自分が通ったことを告げ慊人に心配をかけるからもう行かなくては、と誤魔化し透くんがいることを隠し通してくれた。

 さらに、人気のない場所まで連れ戻してくれたところを見ると、透くんを助けてくれる意志があっての行動のようだ。だが、透くんからすればこのまま帰されてしまうわけにはいかない。うおちゃんを知っているかどうかを聞くと、確かに彼はその名前を聞いて反応を示した。

 うおちゃんが探していた「クレノ」が紅野であることを確信した透くんは、彼女が会いたがっていること、会えなくて悲しそうにしているということを伝えた。だがその話を聞いての紅野の返答は「会うつもりはない」というもの。十二支憑きだからなのかと問うてもそうではない、というばかりでらちが明かない。

 透くんは、うおちゃんの連絡先を強引に私、今すぐ連絡しなくてはいけないわけではないが、今は会う気がなくてもいつ会いたくなるかわからないから! とうおちゃんの「会いたい」という気持ちを諦めたくない一心で紅野にぶつけた。紅野は連絡をするともしないとも返事をせず、透くんを返した。あとはもう、願うしかできない。叶うことを信じて。

 その夜、屋根の上で星を見ていた透くんの隣に夾がやってくる。紅葉やうおちゃんの気持ちが届いてほしい、という事を考えぽろりと夾に「好きな相手とは一緒にいたい、側にいたいですよね?」とつぶやいてしまう。この話を、透くん自身の話と受け取った夾は透くんにもし好きな人ができたときは「俺が協力してやる」と言ってしまう。この言葉を聞いた彼女は自分でも気づかないうちに涙をこぼしてしまう。

 紅葉くんには本当に幸せになってもらいたい。こんないい子いない。どんどんキャラクターたちの奥底のほうにまで触れるエピソードが続いて心臓がえぐられてしまいそうになる。全員笑顔になれる方向に進んでいきますように。
(文=三澤凛)

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