アニメ『フルーツバスケット 2nd season』キョンの浴衣姿に胸キュンな第14話

『フルーツバスケット』公式HPより

 今回は原作12巻69話、70話の話をわりとしっかりとなぞった内容となっている。いつもに比べて作画が不安定だったのが気になるが、ハルと依鈴の話に見せかけてちゃんと由希の話でもあるという、ちょっと難しい回。

 今回からオープニング、エンディングともに新しいものに変更になっている。どちらも作品に寄り添うようなスローテンポの曲で、エンディングは十二支の面々の着物姿が麗しい。ちょっと中二病テイストな着物なメンバーもいるけれど、キョンの着物は最高だ。

 夏休みも終わり、学校行事に忙しくなる学生たち。その中でも大きなイベント三者面談が近づき家庭にそれぞれ問題を抱えている草摩の面々と透くんにはそれぞれ動きがあった。彼女の唯一の肉親であるおじいさんがぎっくり腰で動けなくなり三者面談の参加が難しくなるという。その話を受けて紫呉は自分が保護者として三者面談にいくことを決める。

 一方由希はまだ両親に三者面談の知らせを伝えられていなかった。意を決して実家に戻ってみても母親は不在。空振りを食らってしまう。十二支憑きの家には問題が多いが、由希の家は兄弟そろってだから親の方にもそれなりに理由があると思うが、それでもやはり子供の視点からみると辛いものがある。

 仕方なくそのまま帰宅した由希は家の近くで依鈴と遭遇する。姿を見ると逃げようとする彼女を捕まえて、ハルを振った動機を聞きだそうとする。まるで暴れ馬のようにじっとしていない彼女に、由希は自分の記憶の話をする。まだ本家に幽閉されていたとき、いつも会いに来てくれていたハルに付き添っていた依鈴の姿。今ならば、彼女がハルを守るようにしていたことに気付くことが出来たと。そう思うと、今依鈴がハルから急に離れようとしたのもまた、何かからハルを守ろうとしての行動なのではないかと問いかける。

 勿論、依鈴は由希のこの発言を否定。そんなつもりはないし、由希が今紫呉の家で暮らせるようになったのもハルのおかげなのにそれを知りもしないでのほほんと暮らしているように見えることが許せないとばかりに暴言を浴びせかける。

 由希に対して暴言を吐きまくる依鈴を止めたのは、たまたま紫呉宅に遊びに行こうとしていたハル。かつて付き合っていた二人が再開し、ハルはまだ依鈴を好きなままでいるが、やはり依鈴はハルを拒否する。

 その態度を見たハルは「もう死んでもい」と絶望したような表情をしてしまう。その表情と言葉に一瞬依鈴が動揺して見えた隙に、ハルは突如依鈴にキスをしかける。最初は衝撃を受けて固まっていたように見えた依鈴も、そのキスを受け入れたように見えた。やはりまだ依鈴もハルを好きなままなのではないか。何よりも、ここに居合わせて突然キスシーンを目撃させられてポカーンとしている由希が不憫である。長かった……。

 我に返った依鈴は、一目散にその場を去ってしまう。本気で走ると馬の依鈴には追い付けないとそのまま見送るハル。あまりにも動じないハルに、逆に動揺する由希だったが、彼が昔から自分を気にかけ寄り添ってくれるハルという存在の弱さと強さと安心を見た由希。

 ハルに「新しいことをやるのはいいことだと思う」と自分を優先するようにと背中を押してもらい、自分のふがいなさを抱えたままではあるものの涙を流して一人では生きていけないことを再確認した由希。2nd seasonに入って弱さをしってどんどん変わっていく由希がとても人間らしくてよい。

 主人公、透くんにも大きな試練がどんどん忍び寄る。ぎっくり腰で倒れたおじいさんを見舞うと、いつしか思い出話になり、おじいさんの夢の中に透くんの両親が現れたという。二人に会いたい、会いに行きたいという彼の言葉に透くんは過去の封印したハズの記憶を思い出してしまう。

 お母さんが亡くなったという過去意外には暗い部分など見えない彼女の中に見える、ほの暗い感情。その感情に押しつぶされそうになってうずくまってしまった瞬間に、「どうした?」と声をかけてくれるのが、夾なのだ。
 
 一番つらい時に優しく声をかけてくれる人なんだよ、夾はーーー! もうこのシーンかっこよすぎた。声をかけて、立ち上がらせてくれる人。夾君。お互いにとってそういう存在なのが最高です。もう夾と透くん本当に尊い。夾と話すことで、いつもの明るさを取り戻した彼女。勿論解決はしていないので、これからその闇の部分に迫るお話がやってくるわけだけれども。

 子供たちが未来に向かって一歩ずつ踏み出していくこれからのストーリーはハンカチ必須。後半の展開に今から期待大だ。
(文=三澤凛)

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