TVアニメ『魔王学院の不適合者』凡庸な転生ものだが今後化けるのか！？第1話

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　俗にいう「俺TUEEEEE系」ではあるものの、凡人が転生してくるのとはわけが違う。伝説に残る魔王がそのまんま転生してきて、その魔王を崇めて育成しようとしている学校に「不適合者」として入学するのだ。

　自分が転生しているという自覚を持ち、魔王学院の入学試験を受けに来たアノス。不合格になるはずもないと、堂々と試験会場に向かおうとするところにいちゃもんをつけてきたのが、魔王の血を継いでいるという皇族で、同じ試験を受験するゼベス。

　純潔のものとしてかなりの自信を持ち、弱いものいじめのつもりでアノスに絡んだが、魔王が転生しているだけあって、その力の差は大きく、試験前からゼベスは格の違いを見せつけられてしまう。

　だが入学実技試験で受験者同士の決闘で再び相まみえた時、ゼベスは家に伝わる高レベルな鎧と武器を身にまといまたしても自信満々でアノスに立ち向かおうとする。しかしそんな装備ごときで絶対的な魔王の力の前には風前の灯火。全く足元にも及ばず即死する魔法と蘇生の魔法を交互に駆けられるという暴虐非道さで完膚なきまでに倒されてしまう。この戦いは観客も淹れていた為に、皇族が無様にやられている場面が公になってしまったとなって彼の兄であるリオルグはアノスに目をつける。

　試験で圧倒的な成績をたたき出したアノス。勿論入学試験には無事合格。学校に入ることは決定となる。入試前に出会ったミーシャと仲良くなり、彼は仲良くなった印に夕飯に彼女を招待する。
　
　アノスは実は転生して一か月。まだ生まれて間もないといっても過言ではないのだが、明るすぎ、ポジティブすぎて我が子を愛している両親から猛烈な愛情を浴びせられ、魔王という意識はありつつもこの両親も大切に思っているようだ。両親は生後一か月で魔王学校に合格し、さらには帰りに女の子までつれてくる息子の成長を喜びつつミーシャのことも歓迎してくれた。　

　帰り道、彼女を送り届ける最中に事件は起こる。試験中に皇族を侮辱されたとして、ゼベスを引き連れリオルグがアノスたちの前に立ちはだかる。言ってしまえば自分の直系の子孫に絡まれたわけだが、慌てず騒がず、自分の力を見せつけるようにまたしても圧倒的な力で彼らを制圧するアノス。

　ここまで強く圧倒的であると、主人公として困難に立ち向かうという展開は望めなすぎて不安にもなる。彼に攻撃をしかけてくる相手も全て格下にならざるを得ないしワクワク感は望めないだろう。
　
　かくして皇族の面々にも格の違いを見せつけ、意気揚々と学園生活をスタートすることになったアノス。だが、学校ではミーシャ以外の同級生は彼を遠巻きに困惑したような表情で見つめるばかり。皇族兄弟を懲らしめたことが話題になっているのかと楽観的に思っていたアノスだったが、本当の理由はそれもあるが、彼のつけている印。制服にはそれぞれの魔力を表す紋章が付けられているが、アノスがつけているのは学校始まって以来の印。その印が示すのは魔王学院の「不適合者」に当てはまるもの。

　彼の魔力の強大さは現代の測定器では正確な数値が付けられないほど。それによって「0」と出てしまい、結果的に不適合者というレッテルになってしまったようだ。この不遜で本物の魔王の転生者であるアノスが、この不適合者の看板をどう跳ね返していくかが物語の軸になりそうだが、これからどう面白くなっていくかがちょっと見えづらいのが懸念点だ。魔法でのバトルシーンは1話だからか気合が入っていた。しかし、毎回こうだとも思えない。

　学院が舞台なのもあって、どれくらい世界観が広がるかなどでも評価は変わっていきそうだ。とりあえず今後の展開に期待したい。
（文=三澤凛）