TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』カタリナの数々の悪事とは？？第9話

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　今回はまさかのカタリナ付きのメイド、アンがメインの回だ。攻略対象キャラやライバルキャラだけにとどまらず自分のメイドもしっかり攻略しているカタリナ、恐ろしい。

　アンはカタリナの誰よりも近くで誰よりも主人の様子を見ていたからこそ、彼女に向かう恋心も誰よりも把握していた。ジオルドが婚約を破棄しないのも、キースが姉の婚約をどうにか破棄させようとしているのも、アランが無自覚ながらもカタリナに恋しているのも、周りが気付かないながらもニコルがカタリナといるときは微笑んでいることも。

　さらにメアリがカタリナが好きすぎてとんでもない計画を立てていることも、ソフィアが兄とくっつけてカタリナの妹になることを望んでいることも、マリアががっつりとカタリナの胃袋を掴みにいっていることも全て分かっている。アンが気付いていてもポンコツ鈍感のカタリナは何一つ気付いていない。なんだかんだいって一番アンがカタリナのことを大事に思っていることもだ。

　アンは元々男爵と使用人の母の間に生まれた子で、父である男爵に嫌われないように生きていたが、15で母が亡くなるとあっさりと切り捨てられ、遠縁のクライス家にメイドとして入り、そこからずっとカタリナの側にいたという。最初は癇癪持ちで性格に難ありだったカタリナだったがどんどん思いやりのある子に育っていったのをずっと見ていたのだ。
　
　男爵である父親が気まぐれにもってきた縁談でカタリナの側から離されてしまいそうな危機が一度あったが、その時にもカタリナが必死に男爵を説得したことで切り抜けた。自分を必要としてくれる大切な存在となったカタリナをいつまでもそばで守りたいと思っている。
　
　カタリナは今日もアンに見守られながら、いつものメンバーから愛され健やかに過ごしている。仲良しの女子たちとパジャマパーティーを開くという口実でマリアの恋愛ルートの進行状況を聞きだすのが目的だったようだがフラグが全部カタリナに向いている今、全く破滅フラグの危機は見いだせない。

　安心したカタリナも、ガールズトークに花を咲かせて楽しんでいた。メアリのガチさがだんだん冗談じゃなくなってきているのだがこれでも気づかないのはそろそろやばいのではなかろうか。

　そんな鈍感女王のカタリナが、婚約者のジオルドに珍しく手紙を送りつける。普段は手紙など書かないタイプなのは重々承知だし、わざわざ日時を指定して誘いをかける内容に動揺を隠せないジオルド。やっと婚約者として自分への好意を伝えようとしてくれているのかと意気揚々と彼女に贈り物を用意しこの招待を最高のものにしようと画策する。

　だが、もちろん一人だけが呼び出されるなんてあるはずもない。待ち合わせの場所に赴くとそこにはいつものメンバーが勢ぞろい。皆カタリナからの手紙を受け取っていたのだ。さらに、カタリナへのプレゼントも全員園芸用のはさみという息の合いっぷりはむしろ不憫に思えてくる。

　カタリナは大好きなメンバーとカタリナ農園の収穫祭を行いたいと全員に招待を送っていたのだ。揃いの作業着も用意して一人ご満悦のカタリナだったが、攻略対象キャラたちがひどく不憫である。

　天然と鈍感で全員を振り回すカタリナだが、その愛すべき言動ゆえである。ゲームの中のカタリナのような悪事は何一つしていないように見えるが、そんなカタリナに「数々の悪事を公のものとする」と宣戦布告をする輩が現れた。

　彼女のいう数々の悪事とは何を指すのか。カタリナは破滅ルートを潰すことが出来るのか、次回に期待だ。
（文=三澤凛）