TVアニメ『かくしごと』「させて頂いている」精神でサイン会開催するも姫とまさかのバッティングをする第6話

TVアニメ『かくしごと』公式サイトより

 毎年姫のもとに『だてなおと』からランドセルが贈られる。姫は父のランドセルが一番といいつつも、このプレゼントを喜んでいるようだ。姫が喜ぶのなら無碍には出来ない可久士も、新しいランドセルを背負った写真を撮ることでこの毎年のイベントを乗り切っている。

 そもそもランドセルを買い与えたいと思っている身内は多い。孫に自分の買ったランドセルを愛用してもらいたいという祖父母×2、親だってそうだ。だから可久士はランドセルは「買わせていただいている」ものだと主張。この主張から全てのものごとは「させて頂いている」という精神で取り組もうという展開に。

 メジャーな週刊誌で連載をさせて頂いている、仕事の依頼を受けさせて頂いている、など受け手が全てこの精神でいればお互いが優しい気持ちを持てる、とアシスタントたちもこの思考回路を継承し、仕事にもこの精神を持ち込むことに。

 だがこの精神で仕事に取り組むと、続々と仕事が増えていくことになり可久士のスケジュールは圧迫される。そして何でもかんでもありがたく仕事を受けていたらサイン会というスケジュールが入っていることに気付く。姿を絶対に知られたくない漫画家がサイン会を開いたら姫にバレる可能性がある。さらにこのサイン会の日程はやっと予約がとれた姫のキッザニアの日だった。

 キッザニアとは、子供が色んな職業が体験できるという超大人気テーマパークだ。望んでいない仕事のために姫との約束を反故にするなど考えられない。だがもうネットで告知も流れており、サイン会をキャンセルことはできない。頭を抱える可久士に、墨田が「両立させることができるかもしれない」と、妙案を出してくれた。

 サイン会が行われる会場と、キッザニアはまさかの偶然で同じ施設。しかも近距離に書店とキッザニアのスペースがあるという。この地の利を使って姫とキッザニアを楽しみ、サイン会もこなすというのだ。

 そんなことができるはずないとゴネル可久士だったが姫のためならやるしかないと腹をくくりる。姫をキッザニアに送り届けてからサイン会会場で仕事着に着替えるが、客なんかこないとかなりすさんだ精神状態。頑張ってくれている書店スタッフさんがサクラに並ぶとか、一人も客が来ないだとかネガティブな妄想ばかり。

 疑心暗鬼のまま、サイン会がスタート。しかししょっぱなから身内、アシの友達とサクラ疑惑がぬぐえない人物ばかりが続いたために他の見知らぬ顔の人も全員バイトとして雇われて参加しているようにしか見えなくなってきてしまう。

 それぞれに「バイトなのか?」「時給はいくらもらっている?」と質問をしだす始末。それぞれが本当にバイトで生計をたてていたり、自ら働いている職場の時給を素直に答えてしまったため、可久士はサクラのバイトであるという確信を深めていってしまう。

 一方、アシスタントの面々は順番に姫のキッザニアでの職業体験している姿を見守る。他人の子供の職業体験を見ている他人の大人ってかなり怪しいが、可久士が姫にばれないように細心の注意をはらって生きていることも重々承知しているので協力的だ。

 だが、親同士の会話が交わされるときに色々と嘘をつかねばならず、アシスタント陣たちの中でも複雑な設定が構築され、カオスな状態になっていく。

 なんとか午前中のサイン会が終了し、休憩時間に可久士は姫の元へ。姫が仕事で作ったハンバーガーを食べながら癒しをもらう。休憩の間に、可久士が客を全員サクラだと思い込んでいることが判明したものの、ヤバイ編集者である十丸院が、可久士程度の漫画家のためにサクラを雇う予算などない、といったことから誤解も解消。

 疑惑が払拭されたこともあり、後半のサイン会ではきちんと自分のファンと対面することができた。老若男女問わず様々な世代の人たちが自分の漫画を楽しみにしてくれていること、さらには親子でやってきた人には子供に自分の漫画を読ませているのか? と尋ねるも、親子でファンなんです! と嬉しそうに答えられ、不思議な気持ちに陥る。

 自分の漫画はいろんな人に喜んでもらえるのだと自信を取り戻したその瞬間、会場を取り囲んでいたパーテーションが壊れ、そこには姫が現れる。サイン会会場で色紙をもって絵を描いている姿を見られた! これは絶体絶命と誰もが思った瞬間、彼の大ファンである六条先生が機転を利かせて、ここは大人のキッザニアであり可久士は漫画家の仕事を体験しているのだ、と姫に説明。

 姫は大人のキッザニアという設定を信じ、さらに小汚い恰好をしていた可久士を父だと認識しなかったようで、父を探しに行かねば、とその場を離れてしまう。九死に一生を得た可久士。まだ姫には漫画家だとはばれていなさそうだ。
 
 帰宅後、姫は働いた後にもらったお給料で可久士にプレゼントを買っていた。姫が初めて働いたお金で買ってくれたプレゼント……。こんなの親ならうれしすぎるだろう。 キッザニアで得た知識で、彼女は仕事というものに対して色々な感想を抱いたようだ。

 冒頭で現れた「だてなおと」どうやら、可久士もその存在をちゃんと認識していたようで、どうやら姫の母親の父。つまり姫にとって祖父にあたる人物の仕業のようだ。黒塗りの高級車に乗っていることを考えるとかなりの金持ち、そして作中で大きな展覧会を開くほどの絵描きらしく、彼も「かくしごと」を生業にしている様子。

 可久士に『娘が下ネタ漫画家と結婚するといったらどうする?』など厭味ったらしい質問をしていたこともあり、彼は可久士と娘の結婚に反対していたようだ。ずっと不仲だったのかもしれない。義父の登場でますます過去が気になってくる。

 そして現代パート。姫が17歳の箱の中から見つけたのは、父の漫画。両親と娘のなんでもない日常を描いた面白くもない。だが、その面白くない漫画を読んで涙を流してしまう姫。
ほしかったけど手に入れられない日常だったのか。いつかどこかで体験したことのある日常だったのか‥‥…。

 だんだん本編中にもシリアスさが混じってきており、所々で心臓をキュウっとさせられてしまう描写が増えてきた。この後に親子の間に何が起こってしまうのか。目が離せない。

(文=三澤凛)
 

 

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