アニメ『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』マインがギルとデリアに歩み寄り……第17話

 

『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~』公式HPより

 側仕えの反抗に手をやくマイン。フランとはいい関係が築けそうになったものの、残るギルとデリアはマインを受け入れようとする姿勢を見せない。

 フランとのことで自分の行動にも非があることを知ったマインは、どうしたらふたりが歩み寄れるかを考える。そんな時、マインを送り届けに来たルッツに対して、ギルが暴力を働いたことをきっかけに、マインは自分が側仕えに対して「与えるべきもの」を全く与えていなかったことを知る。

 与えるもの、というのはつまり人間の基本的な衣食住だ。側仕えたちは、主によってその人間の最低限のものを与えてもらって生活する。だが、マインは神殿の中のそのルールを知らず自宅からの通いを希望しているために神殿で食事をとらなくてもさほど困ることはなかった。

 フランは神官長から、デリアは神殿長の元で食事を摂っていたが、孤児院からマインの元に送られたギルは食事を得る場所はマインのところだけ。最低限のものを与えられることはなく、飢えていた。

 だが、文句ばかりいいマインを主として接してこなかったギルにも落ち度はある。仕事を全くしないものに対価は与えられない。マインは側仕えを抱える巫女見習いとして、ギルに食事という対価を与えるためには仕事をこなさなければならないことを教える。

 マインの談判によって与えられた彼女の居室となる部屋を掃除することを命じられ、ごはんをお腹いっぱい食べたい、という一心で見違えるほどにきれいにした。マインはその働きっぷりを見て、その行動に感謝と誉め言葉を与えた。今まで誰にも感謝されたこともほめてもらった経験もなかったギルはマインからの対応に涙する。

 そして、働きに応じた対価としてギルは衣食住の、衣食を得る。お昼ご飯は神殿ではなく下町にでて取ることに。神殿の衣を纏うと否が応でも目立ってしまうために、マインはギルとフランに外出着を与えそれを着て一緒に外に出る。初めての下町での食事にギルもフランもソワソワしっぱなしであり、ギルは改めて下町と神殿内での常識の違いに驚く。

 最初はマインを常識知らず、とけなしていたがお互い育った環境が違うということをまざまざと感じたギルはその非礼を詫び反省する。だがそれはお互い様であり、マインも神殿の常識を知らな過ぎたのだ。互いにわからないことを補い合おうと約束し、お互いの理解はさらに深まっていく。

 そして、残る問題児はあとひとり。神殿長のお気に入りとしてマインを困らせるように言われていたデリア。その真意には彼女をスパイとして送り込むという目的もあった。だが、マインが彼女を放っておいたのをいいことに神殿長の周りにずっといたことが仇となってしまう。

 マインが独自で部屋を持つことを、デリアではなく別のものから聞かされた神殿長は彼女を送った意味がないと激怒され、彼の元からお払い箱にされてしまう。神殿長に取り入り、最終的に彼の愛人になることを目的に人生設計を立てていたデリア。それがこの一件でおじゃんになってしまい、マインへの憎しみが増した。
 
 その怒りを直接マインにぶつけるが、マインにとって彼女が神殿長の元から外されたことは痛くもかゆくもない。さらにはギルやフランもマイン側についた今、彼女の味方になってくれる人はひとりもいない。

 巫女に同性の側仕えがいないのはおかしい、ということでそのままマインの側仕えのまま居座ろうとしても、彼女の武器は女の花を使うことだけ。だが、その場にいあわせたベンノに色仕掛けをしかけようとしても、ベンノにその手は通用しない。

 どこにいっても自分は必要ない、といわれているように感じられ、とうとう泣き出すデリア。神殿長の元からもマインの元からもいらないといわれたら、彼女が戻らなければいけないのは孤児院だけ。

 だが、その孤児院にだけはどうしても帰りたくないと号泣する。その姿を見て、マインは今までさんざんにマインのことを貶めようとしてきたデリアをも許し、側仕えでいるようにと命じるのだった。

 先週までのマインとは大きく変わってかなり度量が大きくなったように感じる。フランのことから始まり、自分にも責任があるという自覚が出てきたのだろう。 マインの対応に報いるために、デリアも彼女を主として認め仕えようという意志が生まれた。まだまだ完全に打ち解けるには時間もかかるだろうが、こうしてマインと側仕え問題は一応の解決を見せた。

 側仕えの衣食住問題も、彼女の居室についていたキッチンに本格的なオーブンがあったことから、自宅に料理人を招き食事を作りそこから側仕え、さらには孤児院に下げ渡すことができる仕組みが整いそうだ。

 ちょこちょこ出てくるこの神殿システム、色々ツッコミどころが多そうでマインもそのあたりに色々思う所がありそうだ。人間関係や仕組み問題に掛かり切りで肝心の本については最近触れられていないのでそのあたりの展開も期待したい。

 果たしてマインはこの側仕えたちを従えて、次はどんな手に出るのだろうか。

(文=三澤凛)

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