TVアニメ『かくしごと』漫画家は貧乏なのか?第3話

TVアニメ『かくしごと』公式サイトより

 鎌倉で見つけた父の隠し事。パンドラの箱の中にはまた別の箱があり、それは自分の家にあった箱の続きのようだった。さらに、この鎌倉の部屋は中目黒で育った家の間取りと全く同じものだという。

 アシたちが続々と災難に見舞われ、原稿制作が危うい中、担当の十丸院が新しいアシスタントを連れてきた。信用ならない十丸院の紹介アシスタントなど危ないやつに違いない、と高をくくっていた。しかし予想に反して他の誰よりも仕事ができる男であった。だがその何でもできる部分に警戒心が生まれ、可久士はやはり彼と打ち解けられないままに、新アシスタント君はそこに勤めているアシスタントの誰よりも早く雑誌連載を勝ち取りアシスタントを卒業していってしまった。
 
 一方そのころ、可久士の愛娘・姫は友人と自宅前にいた。今時珍しい平屋のお宅は子供には不思議に見えたのか、「もしかして貧乏なのではなか?」という話に。友人の一人がブルジョワだったのがいけないのだが、2階がないこと、オートロックじゃないこと、コンシェルジュがいないことなどを理由に貧乏を疑われてしまう。いないよ、普通の家にはコンシェルジュは。

 友人の心ない一言で家が貧乏なのだと思い込み始めた姫は、節約に励み始める。姫を心配して可久士が呼ぶようにしていた家政婦さんへの連絡を辞めたり、冷房をつけないでいてみたり、と健気な行動をとる。だが可久士はその理由の意図が最初はわからない。姫から「うちって貧乏なんでしょ?」と聞かれて絶句してしまう。

 彼は漫画家だが、一般のサラリーマンよりは収入を得ているらしい。だから姫に不自由させないためにも家政婦を呼ぼうとしているし、家だって古く見えるが実は新築なのだという。わざわざ平屋の図面を持ってきてまでして建てた家だというのだ。

 現代パートの謎にもつながるが、この家はあの鎌倉の家をモデルに建てられているのだ。どうしてこの間取りにこだわっているのかは分からないが、これが大事な情報にはなりそうだ。

 可久士は姫の誤解をとき、家が貧乏でないことを伝えたが、貧乏だと思われたのはやはりそれなりにショックだったようだ。漫画家という商売上いつどこで本当に貧乏になってしまうかは分からないが、今のところは何も心配いらなそうだ。できるアシスタントが去った後もいつメンのアシの腕の骨折が治らないことに業をにやし、リモートワークできるアシスタントを全国から募るために会社全体で完全デジタル化を目指すことに。

 アシスタントたちに指示されながら機材を購入し、ペンタブで絵を描いてみてもまだまだ不慣れな可久士。だがアシスタントネットワークはこのおかげで全国に広がった。腕も確かで距離の壁もない中で、画面の向こうにいるアシに背景を頼むが、依頼した相手がインドネシアの方だったらしく、雨の街を書いてもらおうとしたら想像と全く違うものがあがってきたのだった。国が違うと認識も違うだろうからそのあたりも考慮しないといけないようだ。

「漫画の実情と筋肉」
 姫の運動会に向けて体力づくりを始めた可久士。姫と朝のランニングを始めたようだが、そのせいで仕事中に披露マックスになってしまうという悪循環を患っている。元々運動するタイプではなさそうだが、100mを15秒以下で走っていたら漫画家だとばれるかもしれないので、今から運動会に向けなければいけないのだという。すごい理屈だ。

 だが運動会で大切なのは筋肉よりもお弁当スキルではないか、との指摘により運動よりもクッキングスタジオに通うことにした可久士。料理が上手に作れる人が姫のお母さんだったらな、とスタジオの先生に言ったことで、先生に好意があると誤解されてしまう。

 他にもお花屋さんでお花が好きな人がお母さんだったらと口走ってお花屋さんを誤解させたり、仕事の資料として探していたアイドル志望の女の子の話を真摯に聞いたことでその子にも惚れられたり、姫の担任の先生に言った言葉がプロポーズと取られてしまったり、と天然でかなり女性に勘違いされまくった可久士。
 
 運動会でお母さんがいないことでさみしい想いをさせてしまうのではないか、と不安に思っていたが、この勘違いした女たちが可久士からアプローチされたと勘違いして姫の運動会になぜか同席し、にぎやかな運動会になってしまう。あるかもしれないと警戒していた父兄の参加型競技は結局なく、なぜか筋肉痛だけを残して姫の運動会は幕を閉じた

 姫はたくさんの知らない女の人が父を想って集まったことに感づいており、そこに少しのさみしさを感じていたようだ。「賑やかな運動会で楽しかったか?」と聞かれた姫は「おとうさんと二人っきりでもよかったのにな」とこぼす。

 突然「新しいお母さん」と紹介されても子供は喜ばないもの。姫心があんまりつかみきれていない可久士だけれど、姫は本当にお父さんが大好きだということをもっと自覚してほしいところ。

 現代パートの中で可久士はどうなっているんだろうか。父の隠し事を知ろうとしていない、ということはいつかこのお父さんが大好きだった姫が、お父さんに感心をもたなくなる展開がやってくるのだろうか。そんな展開がやってきたらそりゃ可久士死んじゃうよな……という気もするが。
(文=三澤凛)

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