TVアニメ『イエスタデイをうたって』「愛とはなんぞや?」 名作青春群像劇の第1話

TVアニメ『イエスタデイをうたって』公式サイトより

 黒電話が置かれている部屋の中で、アルバイトの為に早朝から起き出す主人公リクオ。スマホが主流の現代で、黒電話などもう古代の代物だ。コンビニバイトというと馴染み深いが、この作品の時代背景は今よりもだいぶ昔のことらしい。

 アルバイト先のコンビニで、廃棄する弁当をカラスにあげていたところに、カラスのカンスケを肩に乗せた少女が現れ廃棄弁当をねだってくる。最初は難色を示したリクオだがその強引さに弁当を渡してしまう。彼女の名前はハル。この日からハルはリクオのバイト先にちょこちょこと顔を出すようになっていった。

 肩にカラスを連れている、という設定だけでラノベ感が出てしまうが衛生的にどうなんだろう。現実感のある作品だけにフィクションっぽすぎるオプションに感じる。

 リクオは大学を卒業してから定職につかずにアルバイト生活をしているようだ。そんな彼の元に同窓会のお知らせが届くが、乗り気ではないようす。就職した同級生たちに引け目があるのと、大学時代の思い人、榀子がいるからだ。

 結局同窓会には参加せずバイトをしていたリクオ。そこに、同窓会終わりに榀子がやってくる。突然の再会に動揺を隠せないがバイト終わりに合流し、お互いの近況を伝えあう。榀子は非常勤講師で金沢に赴任していたが、東京で新しい赴任先が見つかり戻ってきているという。また会うことを約束し途切れていた縁が復活した。
 
 ある日、リクオのバイト先に榀子がきて一緒に帰っていたときにハルが乱入したことで物語は動きだす。

 冗談交じりにリクオの彼女ともどもからかってやろうとしたハルだったが、榀子の顔を見てすぐにその場を立ち去る。ハルは彼女の教え子だったらしい。在学中にバーのようなところでアルバイトをしていたことが見つかり停学処分になったという。

 それだけで学校をやめるという理由にはならなそうだが、一体何があったのか。

 さらに、ハルは5年前からリクオに会っていたことがわかる。

 5年前、彼女はリクオが落とした受験票を拾い、渡したという。その時はみつあみ眼鏡と、地味な姿。今とはだいぶ雰囲気が変わっていた。その時からリクオに思いを寄せていたようだ。

 たったそれだけのきっかけで5年も恋をしていたのかと思うとすごい執念のようなものを感じてしまう。まだまだハルに関してはわからないところだらけだ。

 ハルにけしかけられたり、同じバイト先の人にもはっぱをかけられたことも手伝い、リクオは榀子に大学時代から持ち続けていた気持ちを打ち明ける。結果は惨敗だったが、学生時代からとらわれた思いに終止符が打てた。自分を追い込んでみたらどうなるか、と思ったが結局変わらない、というのが彼が勇気を出した行動の答えだった。

 この答から、リクオはどう進んでいくのか。榀子との関係は今後どうなるのか? ハルは5年分の想いを抱えてリクオと知り合った今、どうしたいのか? などなど、まだまだ導入部分でわからないことだらけだ。

 しかし、名作と謳われているだけあって雰囲気はとてもいいし今後面白くなっていく予感が随所から感じられる。今後の展開に期待していきたい。

(文=三澤凛)

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