アニメ『虚構推理』七瀬かりんを殺したのは七瀬かりん?第11話

アニメ「虚構推理」より

 ここまで繰り出してきた3つの虚構。全てにおいて六花さんから反撃を食らっていたが、それも琴子の計算の内。

 今まで繰り出してきた3つの虚構は、少しずつ前の虚構を取り入れながら進められていた。寺田刑事が鋼人七瀬を独自調査していたこと。七瀬かりんの父が悪意を持って手記を残していたこと。それぞれの結論は棄却されても要素自体は棄却されていないために少しずつ要素が生き残り、虚構の中から虚構が生まれ、それが真実に裏返り鋼人七瀬が消え去る道を得ることができるという計算なのだ。

 九郎が何度も命を落として掴もうとしていた未来を、琴子の虚構で真実に近づけるのだ。六花さんの方も何度も自死を繰り返してはサイト上の意見を自分の望むほうに導こうとしていたが、サイト運営に個人の意見が見え隠れしてはいけないために琴子の方が有利になってきている。

 この状況の中で琴子が用意した4つ目の虚構は「七瀬かりんを殺したのは他でもない七瀬かりん本人である」というもの。マンションの建設現場で亡くなっていたのは、かりんに仕立て上げられた別人だというのだ。

 かなり斜め上な推理にネット内もかなり騒然となる。推理小説の中では定番の「顔のない死体は入れ替わっている可能性がある」というものを用いた新説だ。

 自分と体型の似ている女性を見つけ、彼女を味方につけ協力を仰ぎ自分の容姿に近づいてもらい現場で彼女を殺す。そして自分はその女性のふりをして生き続けているのだ。

 ではなぜ鋼人七瀬が現れたのか? 自分で自分の死を偽装したのに鋼人七瀬の噂が大きくなれば自分が怪しまれる確率が上がってしまう。このことについて、ネット民たちが議論を始める。この議論が盛り上がれば盛り上がるほど鋼人七瀬の存在は揺らぎ始める。皆が七瀬かりんが生きている=鋼人七瀬は存在しないと考え始めたから。琴子の説を受け入れるものが多くなればそれでいいのだ。

 今まで複数の解答を投下してきたのも手伝い、皆がすんなりと今までの解からヒントを得て鋼人七瀬が存在しない理由を思考し始める。

 だんだん鋼人七瀬のパワーが弱まってきたところで、琴子は最後の一撃を放つ。それは、鋼人七瀬の噂をかっこたるものにしようと入れ替わった七瀬かりんが「鋼人七瀬まとめサイトを開設した張本人である」と仕立て上げたのだ。

 六花さんが作り上げたサイトだということは勿論わかっている。だけれど、それを知らない一般の人が面白がり信じやすいように。この噂を広げたのが七瀬かりん本人であるという虚構に真実を混ぜた解答をたたきつけた。

 サイト閲覧者を巻き込んだ大きな虚構。人は面白い方に傾く。ここで六花さんが自分は七瀬かりんではないと書き込んでもその言葉に耳を傾ける者は少ないだろう。いよいよ決着のとき。閲覧者に判断を委ね鋼人七瀬討伐に王手をかける。

 次週は最終回。長かった鋼人七瀬と共にこの物語も幕を閉じる。
(文=三澤凛)

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