アニメ『映像研には手を出すな!』学外でビジネスを展開するのは悪なのか!?第10話

TVアニメ『映像研には手を出すな!』公式サイト

 毎週神回を更新し続ける『映像研には手を出すな!』。独走状態が止まらない。

 一つの目標に向かうときの役割分担の大切さ、感覚派だけでは成り立たないし、頭脳派だけでも作品は出来上がらない。当たりまえのことだが、アニメをただポカンと見ているだけだと気づかないこと、物作りをしたことがない人にはかなり目新しくも映るのではないだろうか。
 
 まだ大まかなストーリーもふわっとした状態ではあるものの、制作進行は進めなければならない。金森氏は先手先手を打つために確認をしたり根回しをしたりと大忙し。

 使えるものは全て使う主義の金森氏は水崎氏のネームバリューこそが映像研のもつ強力な力であることを力説。最近は映像研にかなりの力を注いでおりモデル業をおろそかにしていた水崎氏にも知名度を継続的に維持するように指示。

 その水崎氏の知名度と商店街からの強力をもって声優オーディションを開催する企画を打ち立てる。

 しかしそこに再度生徒会、ひいては学校からの横やりがはいる。映像研が資金繰りと発表の場として選んだ外部イベントである自主制作物展示即売会への参加を快く思っていないために近況会議が開かれた。

 学校側としては学校外部で金銭のやり取りが発生することは望ましくない。だから参加を取りやめるべきだ。とマニュアルっぽいことばかりで説得を試みるがそんな言葉で金森氏を論破できるはずもない。
 
 金森氏はビジネスをすることは悪ではなく、そこで生徒を守れないから云々で面倒なことを避けたいというのが一番の本音であることを畳みかける。そもそも商店街との共同事業は提案を行った上で決断されたもので一方的な資金援助というわけでもない。こういう視点を高校生の時点からもっていることって大事だと思うし、そもそも学校でもう少し生き抜くための知恵をもっと基礎として教えておいてほしかった。

 とにかく外部イベントでの金銭のやり取り禁止を言い渡され、この場は終わった。しかしそのままではないだろう。

 ストーリーや細かい設定作りに行き詰った浅草氏は、百目鬼氏の音響ハンティングに付き合うことで新しい刺激を取り入れようと試みる。映像研の面々みんなでサイクリングだ。

 学校の反対側にある時計塔のチャイムの音を取ることが目的なようだが、今まであまり足を運んだことのない場所だったこともあり浅草氏は今回の企画とは全く関係ないアイデアがポンポンと浮かんでは金森氏に怒られるということを繰り返す。どの話も面白そうだが、今はそのアイデアではないものが欲しいのだ。

 最終的にはこのサイクリングのおかげで作品に使えそうなアイデアも沸いたようで万々歳だ。やはり煮詰まったときには新しい刺激をいれることは重要だ。

 この現場に途中から生徒会としてやたらと金森氏に絡む書記さんが現れる。彼女は金森氏に前回の話し合いについての答えを聞きに来たようだ。金森氏はコメットAの参加までは部活の映像研として行い、販売とお金の回収は著作者個人として行うと説明。

 イベントで得られることを考えると参加しないというのは論外なのだ。映像研にとってマネジメントも研究の内に入っている。マネジメントの結果を活動報告として提出するのだから部活として悪いことはしていないというスタンスだ。

 学校の枠からはみ出すと、そこから守ってもらえるというメリットを手放すことになるが、彼女たちが見ているものはそんな小さなものではないのだろう。

 この書記さんとのバトルも面白いけれど、やっぱり金森氏の弁舌は聞いていて気持ちがいい。あそこまで理路整然と脳内のことを勝たれたらどんなにいいだろう。すっきりする。

 少しずつまとまってきたらしい浅草氏の世界観。そこに水森氏の絵がついたらどんなものが出来上がるのか。完成が待ちきれない。
(文=三澤凛)

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