アニメ『うちタマ⁈ ~うちのタマ知りませんか?~』ノラと飼い主の悲しい別れ いつもとは違うシリアスな展開に涙が止まらない第8話

TVアニメ「うちタマ⁈ ~うちのタマ知りませんか?~」公式サイトより

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■まつりばやし

 ある夏の日。3丁目には蝉の声とまつりばやしの音が響き、タマと3丁目の仲間たちはわくわくした様子でお祭りに向かう。そして一方、ノラは一人幼い頃の自分を思い出していた。

 今回は期待値の高かったノラの過去がじっくりと描かれる。いつものようなギャグパートはなく、予想外にグッときてしまう展開にやられてしまった。

 飼い主も猫もまつりばやしにソワソワ。しかし、ノラだけはその音を避けるように移動する。夏、まつりばやし、セミの声。それらを聞くと悲しい過去を思い出してしまうのだという。

 ノラが子ネコだったころ、自力で餌を得ることもできず、水も得ることができなかった真夏日。あまりの空腹と脱水症状で倒れていたところを救ってくれた女性がいた。彼女はノラに水を与え、自分の家に連れかえり、餌とゆっくり眠れる寝床をくれた。

 倒れているときに「ノラ猫くん」とよんだことから「ノラ」という名前に反応するようになったノラ。違う名前を考えようとしていたのに、とのことだったが本人が嬉しそうだから、とそのまま定着したようだ。

 今はクールな様子ばかりのノラだが、子ネコの時はやんちゃでイタズラ放題だったようだ。飼い主になってくれた女性に甘え、捕った獲物をプレゼントしたりととても懐いていた。

 しかし、彼女は何かしらの病気をわずらっているようでどんどん体調を崩していってしまう。ノラもその様子を心配しているが猫にどうにかできる問題ではない。じゃれついても手をなめても、女性は動かなくなってしまう。その唇をそっとひっかいて出てきた血をなめとり、ノラはその場から離れ、今のノラになっていった。

 ノラは避けていた夏祭りだったが、コマに無理やり連れてこられてしまう。そこで生まれたての子猫が捨てられているのを発見する。小さなころの自分のように体が冷え切ってブルブルと震えている姿を見て、ノラは必死で守ろうと行動する。

 その後、タマたちの助けもあり、たけしくん達に子ネコを保護してもらうことに成功。この子猫救出が、あの時何もできなかった自分を救うきっかけになってくれればよいのだが……。

 夏になるといつもあの飼い主だった女性のことを思い出してしまうノラ。今はひとりではなく、何もできなかった子ネコでもない。ちゃんと子ネコを助けてあげることもできたんだから、夏を楽しめるようになってほしい。

 飼い主が先に亡くなってしまうという問題をネコ視点で見てしまうととても切なくなってしまう。予想以上に泣かせる話できたので、今回はいつものようにほのぼの見ていられなかった。いや、とってもよかったんだけれども。だけど次回はまたいつものばかばかしい話を期待したい。
(文=三澤凛)


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