アニメ『22/7(ナナブンノニジュウニ)』メンバーが倒れてひとりで仕事をこなすジュン 彼女が笑顔でいられる辛く悲しいわけは?

TVアニメ「22/7(ナナブンノニジュウニ)」より

 それぞれのメンバーの個別過去回が順当に作られていく。メンバーのキャラクター紹介程度の認識しかなかったが、今回の戸田ジュンエピソードは格が違った。ジュンの株が爆上がりすること間違いなしと言わんばかりのエピソード。構成の仕方も彼女自身の過去と、それを超えての今とのギャップなどかなり濃い回だった。

 ジュン以外のメンバーが食中毒で倒れてしまい、スタッフはてんてこ舞い。とりあえず無事だったジュンでそれぞれのスケジュールをこなすことを合田が決断したため、寝る暇もないほどハードなスケジュールが組まれた。

 持前の元気さ明るさ、子供っぽさで悩みも過去もありそうに見えないジュン。誰の仕事の代打もそのキャラクターでこなしていく。特に見ごたえがあったのは全員出席のイベント。ひとりで全員の物まねをしてその場をやりきってしまうという荒業を見せた。かなりメンバーの特徴を掴んでおりしゃべり方なども似ているとあって、これにはファンも大喜びだ。

 ハードワークをこなす、ジュンの体力にスタッフも驚きの声を上げる。今回の頑張りには彼女の過去が関係していた。かつてジュンは運動をすることができないくらい体が弱かった。呼吸器系の持病を持ち、何度も入退院を繰り返す。学校も休みがちになり友達もいなかった。その暗く沈んだ表情は今のジュンからは想像もできないものだった。

 ある日いつものように入院したジュンと同室に同じ年のころの悠という少女が入った。彼女はとても明るく、入院生活すらも楽しもうとしているように見えた。人見知りもせず、ジュンにも他の子にも分け隔てなく声をかける彼女に最初は戸惑いつつも、どんどんその明るさに魅せられていく。

 悠は「人生は遊園地だから、遊園地にいる間は楽しまないともったいない」話す。これの言葉が転機となり、ジュンもどんどん明るい性格に変わっていく。一緒に病院を抜け出してカラオケに行ったり、同じ音楽を聴いたり一緒に遊んだり。

 悠と出会えて楽しい入院生活も、ジュンの退院で終わりの日を迎えようとしていた。恩人のような悠に感謝の気持ちを伝えようと手紙を書いて届けたが、待っていたのは悠の死だった。

 その事実に対面したジュンは、ネガティブな自分よりも生きることを楽しんでいた悠が生きていたならいいのに、と自分を責め、何度も祈りながら彼女は泣いた。

 そして、その日を境にジュンの持っていた病気も一緒に姿を消した。悠が一緒に連れて行ってくれたのかもしれない。そこから、彼女は今のジュンになった。

 仕事をなんとか乗り切り疲弊しきった彼女の前に、脅威の回復力で復帰したメンバーが現れた。安心して涙目になりながらメンバーたちに抱きあう。

 みんなジュンの仕事ぶりを何かしらで見ていたようだ。「大変だったでしょ?」と声をかけてくれるみんなにぐっときたジュンだったが涙はみせずに「ほんっとに楽しかった!」と言い切るジュンの笑顔で今回は終了。

 これはいいジュン回。特に推しはいなかった22/7だが今回普通にジュン推しになりそうになってしまった。エンディングには悠との2ショットシーンが多用されているのも泣かせてくる。

 次週は3000人規模のライブの話とあかねが絡んできそうだ。いったいどうなるのか、楽しみにしたい。
(文=三澤凛)

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