アニメ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』ガチ恋ファンとアイドルはどう向き合うべきか？第６話

• ツイート
• 

　今回は空音がピックアップされつつのれおのすばらしさが垣間見える回に。毎回神回すぎて困る。

　空音がアイドルになったきっかけはれお。れおが前に所属していたグループのステージを何度か見かけていた空音。最初は「あんな風になるのは無理」と言っていたが、のちにれおと同じグループに入ることとなる。

　見かけていたアイドルと一緒にステージに立つ。憧れていたというのは隠しているっぽいけれど、最初から素敵だと思っていたれおは、ステージの上だけでなく人間性も素晴らしい人間で、彼女がセンターを務めるグループで自分も頑張りたいという気持ちを強く持つようになる。

　そして今ではれおに肩を並べるように空音もチャムのトップ3に入る人気を得るように。推しメンカラーであるブルーを身にまとうファンも多く、えりぴよ達と仲がいい基も空音にがガチ恋する一人だ。

　しかし、ガチ恋ファンというのは熱心に推してくれる反面非常に打たれ弱い。真偽不明の目撃情報を鵜呑みにし、一気に担当を降りると言い出すのもガチ恋ファンだ。

　空音が和気という基さんの地元で男と歩いているのを目撃したという情報がSNSに出回り、それを知った基は大きなショックを受けてもうチャムのオタを辞めるとまで言い出した。

　地下アイドルならワンチャンある、という気持ちを持ってしまうのはある意味仕方がないと思うし、夢を見るのは自由だが恋愛が明るみに出たからファンであること自体をやめてしまうというのには疑問を感じてしまう。かわいい、好きだ、という気持ちと恋愛のそれはイコールなのか。アイドルを推したい応援したい、好きだ。という気持ちとは一体なんなのか。そのあたりについて考えだすと難しい。

　ただのガチオタであるえりぴよとくまささんは、他人の推しである空音に目撃情報が出ようが基さんが落ち込んでいようが我関せず。それよりも自分が推しとお近づきになりたくてアイドルになった場合に、アイドルとして推しを見れなくなるという危惧を含んでいることを真剣に議論していた。くまささんとえりぴよがアイドルになる可能性は万に一つもなさそうだがそういう議題には真剣に取り組むこの二人が愛おしい。

　当の空音もエゴサでそんな噂が広がっている事実を確認し多少の動揺が見られた。確実に事実無根なのに勝手にそんなことを言われて弁明しようにもアリバイを証言してくれるメンバーがアホの子すぎて役に立たない。気にしなくていい、と言われてもやはり変な噂がたつのは困るものだ。そんな時に自分をしっかりと信じ、さらに支えて食えるれおという最強のメンバーがいるのは心強い。
　
　この『ChamJam』、眞妃とゆめ莉というカップルは以前から確定していたが、れおそらという新しいカップルまで……。空音の発言から、れおは全員が好きというプレイボーイタイプのようだ。舞菜とも仲いいし、さすがはセンターである。

　れおの言葉を受けて、ライブでは落ち込んでいる基にきちんとレスをしてアピール。さらに噂が流れて人が寄り付かなくなった握手会でもしっかりと基の心をつかむことに成功。ちゃんとファン心理をわかって適切な対応が取れる空音は頭がいい。

　そんな空音の行動をみた舞奈もえりぴよの心をつなぎとめるために頑張ってファンサを試みるが、見事と思ってしまうほどにえりぴよと舞菜の通じ合わなさっぷり。ステージの上からレスを贈れば見てもらえず、道端でやってみたら手でハートマークを作るのが下手すぎて気功を撃たれたと勘違いしたえりぴよが倒れてしまったりと残念すぎるすれ違いを起こす。

　だが、えりぴよは最近1枚しかCDが買えなかったり他メンバーの色のものを持っているだけで推し変！　といわれることで舞菜に伝わっていないのでは？　という懸念からCD1枚分の握手5秒の間に舞菜のどこが好きかを思い切り伝えるチャレンジを試みて見事成功。

　推しているから好きなのは当たりまえだけど、ダイレクトに伝えられるとうれしいものだ。二人の間にあったすれ違いが少し解消されたようで一安心。

　さらに、ネットで話題になっていた空音の男との目撃情報は基とその妹の玲奈ちゃんが原因ということで一件落着。アイドルのファンでいるということは、愛の種類が試される。実らないことの方がほとんどの相手を好きになり、応援する。その分、ステージなどの活動がその愛への見返りとなる。そこに満足するのか、そこよりさらに先の存在になることを願ってしまうと本人もアイドルにも辛い道しか見えない気がする。
（文=三澤凛）