アニメ『映像研には手を出すな!』動きへのこだわりつづける水崎氏の熱すぎるセリフに心が揺れ動いた第7話

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 今回は本当に泣きそうになるくらいの神回だった。今回のメインは水崎氏。動きへのこだわりつづける彼女の原点が垣間見えた。

 物語冒頭、幼少期の水崎氏は祖母が庭に飲み残したお茶を投げ捨てる姿に目を奪われる。水の飛ぶ軌跡を自分も真似しようとしても、祖母のようにふわりと浮かせて飛ばすことができない。何度も何度も祖母にねだった。

 その後も椅子から立ち上がるとき、歩くときなどの動きを細かく観察、スケッチしていた。このころから「動き」というものに対して強烈な興味を持っていたようだ。

 一方、映像研の取り掛かっているロボアニメ。他の部活と協力することで制作は楽になるかと思いきやかなり難航していた。それぞれに自己主張が激しく、人見知りが激しい浅草氏はみるみるうちに疲弊していった。それらを渋滞させている原因の一端は、水崎氏の動きへのこだわりが強すぎる部分だった。

 金森氏のようなアニメ素人からみたら何がどうおかしいのか理解ができないほどの些細な部分。アニメとして流したら5秒にも満たない。そこに水崎氏のこだわりが詰まっている。百目鬼の音を付けたらむしろ迫力でカバーができる部分でもあるが、そこが大事なのだと熱弁をふるう。

 この、なぜ細部にまでこだわるのか。という部分が今回の一番熱く胸にぐさっとくるシーンだ。アニメーションの中で動きというのはとても大切な要素だ。実写とは違い、どんなに地味でデフォルメされた仕草だとしても全て作者が意識して描いたもので出来上がっている。動きの細部に注目して描かれているというインパクトは大きい。
 
 ロケットを使い、かっこよさ、動きの大切さ、などの表現について、とてもわかりやすく語られる。説明を受けながら見ると、新しい視点に気付かされる。この視点を持って、今までアニメを見ていた作品を見直したくなってきた。
 
『チェーンソーの振動が見たくて、死にかかってる人がいるかもしれない。私はチェーンソーの歯が跳ねる様子を見たいし、そのこだわりで生き延びる。大半の人が細部を見なくても…私は私を救わなきゃいけない動きのひとつひとつに感動する人に、私はここにいるって!言わなくちゃいけないんだ』

 アニメを作るという職業に就く人全員がこの気持ちを持っているわけではないだろう。激務に追われて忘れてしまった人もいるはずだ。だけれども、絶対に世のものを作る人すべてに響くのではないか。それくらいに熱が入った台詞だった。

 さらには、この台詞がしっかり胸に届くこの「映像研には手を出すな!」は素晴らしい作品だということの証明に他ならない。

 アニメを見て胸が震える。人生が変わる。大事なことを教わる。人生の中でそういった経験は幼少期誰もが経験しただろう。それを大人になってからまた味わうことができるなんてこんなにうれしいことはない。ああ、来週も楽しみだ。
(文=三澤凛)

アニメ『映像研には手を出すな!』動きへのこだわりつづける水崎氏の熱すぎるセリフに心が揺れ動いた第7話のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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