アニメ『ランウェイで笑って』早くもタイトル回収の胸アツ回!千雪と育人の初の大舞台どうなる??第3話

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 序盤のクライマックスが早くも3話にしてやってきた。育人の千雪の初ランウェイ。追い込まれたコレクション現場で、服を縫えるのが育人だけ、そして出られるピンチヒッターモデルは千雪だけという状況に陥ったため、怒ったブランドにとっては大ピンチ。しかし二人にとっては大きなチャンス。

 そして3話目にしてタイトル回収なのが胸アツだ。デザイナーの柳田はかなりこだわりが強い男。だからこそこの状況で新人ともいえない素人高校生に、大事な洋服を預けるのは屈辱にも近いものだっただろう。それを託し、受け取った育人。

 時間が全くない。しかも千雪が着る服はその身長のせいでやぼったくなっている。裾をカットしたいが、その裾を処理するのには時間がかかる。さらに手早く縫うためにミシンを使おうとしても厚い布地に耐えられる針がない。

 自分の創作で服を作るのではなく柳田の洋服を作るのだ、という大きなプレッシャーに押しつぶされそうになり見るからに動揺していく育人。そのテンパり具合に活を入れたのは、やはり同じように押しつぶされそうな千雪だった。彼女も手が震えるほどに緊張しているのにも関わらず、励ましてくれたおかげで頭が一瞬すっきりした。千雪に似合う柳田ブランドのドレスを作り出す道筋をつけることができた。

 千雪は身長こそ低いものの、等身は他のモデルと同じようにバランスが取れている。さらに千雪の魅力の一つの力強い雰囲気、彼女が着こなさねばならないのは体のフォルムを隠すものだが、彼女に似合わせることを考えるならもっとポップで動きがあるものがいいと考え、裾をばっさりと切ってしまう。

 切った後の処理が問題となっていたが、裾を丸めることで裾の処理が見えない工夫を開始する。しかし、残り時間はあと5分。無駄な手数をかけてはいけない。パターンも仮縫いもすることなく縫い上げなくてはならない。必死の形相で作業をする育人を見て、他のスタッフ、モデルも協力をしてくれるようになった。

 音楽をスローテンポなものに変更し、モデルの歩きも多少ゆっくりとなり3分ほど時間を稼ぐことができた。彼女たちはランウェイから帰ってくるたびに服が変わっていくことを楽しみにしていると声をかけてくれた。
 
 同じショーに立つメンバーが期待してくれている。それは大きな力になる。彼女たちが育人たちのランウェイにつなげてくれているのだ。彼女たちの思いを受け、育人と千雪は最後の仕上げをしていく。育人が前に千雪に語った夢「もう一度千雪に自分の作った服を着てほしい」が叶ってしまったとつぶやくが、この服は育人のブランドの服じゃないんだから、早く夢をかなえろと発破をかける千雪。

 最後の糸を千雪の服から抜くと、彼女はランウェイに向かって歩き出す。いよいよ、二人の初めてのランウェイが始まる。

 ランウェイではモデルは無表情で歩く。それは服を見せるショーだから表情に視線がいってはいけないからだ。初めてショーにきた新沼という女性はそれが退屈だと思い柳田のショーを見ていた。

 だが、そこに明らかに低身長の千雪が出てきたことで目を奪われる。新沼はちんちくりんな自分にはファッションを楽しむ資格などないと思い込んでいる女性だ。

 千雪の登場は場をざわつかせ、かつ視線を釘付けにした。柳田が何かしらの意図をもって千雪を選んでランウェイを歩かせたのだと誰もが思っているのだ。

 しかし、ランウェイの途中でアクシデントが発生する。千雪が急遽履いた靴はヒールが一度折れたものだったのだ。ちょうど真ん中に来たあたりでヒールが折れてつんのめってしまう。しかし、そのアクシデントが育人が服に施した仕掛けを誘発した。

 最後にとめなかった糸が転倒の衝撃で外れ、洋服が第2形態を現した。まるで蝶が舞っているような演出に諮らずもなり、会場はその美しさに騒然となる。

 この育人の仕掛けを知らなかった千雪も、アクシデントを見事に回避した育人の技に感銘を受けてつい笑ってしまう。笑ってはいけないランウェイで笑ってしまった千雪。すぐさま真顔に戻るが、その笑顔は見るものの心を動かした。

 誰もがこの千雪の登場でこの柳田のコレクションが大成功をしたことを実感した。柳田は育人に、この拍手の半分をやる。と告げる。その言葉が育人への最大の賛辞である。さらに彼は「かけらほどは向いているんじゃないか?デザイナー」と誰よりも手厳しいデザイナーである柳田からこれ以上ないほどの言葉をもらう。

 とにかく二人にとって緊張に包まれた初ランウェイは大成功を収めた。お互いにミスもあったし十分ではないけれど、観客から拍手がもらえるだけのことを二人は成し遂げたのだ。
(文=三澤凛)

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