アニメ『僕のヒーローアカデミア』ナイトアイの死…雄英の生徒たちの心に残ったものとは！？第77話

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　『僕のヒーローアカデミア』第77話が放送された。

　エリちゃんの力を借りることで成しえることができるようになった、デクの100％ワンフォーオール。その力をもってオーバーホールを倒すことができた。しかし、この戦いでエリちゃんを救い出すという目標を達成できたことへの引き換えに、あまりにも大きな代償が支払われてしまう。

　この戦いに参加したみんなが大小さまざまな傷を負った。それはオーバーホールや八斎會の面々も同じだ。正義には正義の、敵には敵のそれぞれの思いがあるということが、この作品を観ていると痛感させられる。オーバーホールはただただ組に、彼を救ってくれたオヤジに恩返しがしたかった。オーバーホールを支えた部下たちにも思いがあった。

　それに立ち向かったヒーロー一人一人にも譲れない思いがあったのだ。間違いなくオーバーホールが悪いのだが、彼の気持ちもどうしてそうしてしまったのかも見せられると、少し同情してしまう。

　何よりオーバーホールに同情したくなるのが、彼が敵専用病院に運び込まれようとしたところに、敵連合が襲撃したシーンを見せられたからだ。このインターン編が始まった当初から、上からの態度で敵連合を従わせようとして来ていたオーバーホールのやり方に仲間を出向させたりと、いくらか協力的な姿勢を見せようとしていた敵連合。しかしマグ姉を殺され、コンプレスも腕を一本消され、さらには口うるさく指示を出されたりしたあげくに敗北した。死柄木はこの結果に腸が煮えくり返っていた。

　彼は搬送されるために拘束されたオーバーホールを奪い、彼が個性を発揮するために必要な腕を自身の個性で破壊し、今後二度と個性が使えないようにしてしまう。しかもその時の台詞が「これからは咥える指もなくただただ眺めて生きていけ！頑張ろうな！」ですよ……。どんだけ性格ねじ曲がったらこんな台詞言えるのよ……。

　肉体的にも精神的にもかなりやられたオーバーホールの表情が忘れられません。これにてオーバーホールこと、治崎は完全に終了。死柄木の「次は俺たちだ」の台詞が怖すぎる……。

　対オーバーホール戦で致命傷を負ってしまったナイトアイの最後……。彼は、自分の未来を見通すという個性でオールマイトの暗い未来を見てしまったことをずっと気に病んでいた。どうしたら未来を変えることができるかと必死だったが、それはできないことだと半ばあきらめていた。

　だが今回の戦いで、オーバーホールに敗れるという結末をデクが捻じ曲げた。それは多くのみんなの「勝ちたい」という強い思いがデクのパワーを後押ししたゆえに起こった結果なのかもしれない、とナイトナイは分析する。

　ずっと気まずい関係だったオールマイトも駆けつけて、ここにきてやっと和解することができた。そして同じく重症を負っていたミリオも駆けつけ、彼の未来は明るいと最後の予知をして笑顔で眠りについた。

　オールマイトとナイトアイという師弟。ナイトアイとミリオという師弟。そしてオールマイトとデクという師弟が揃ってこの場でこの会話なのがもう……。

　明るい未来を誰より望んで、元気とユーモアなんて言葉がめっちゃ似合わないのに、それを一番大事に思っていたナイトアイの笑顔で「明るい未来」ってタイトルが入って終わる演出がずるい。

　今までヒロアカの中でこうもはっきりと味方の中で命を落とす人がいなかったこともあって、このナイトアイの死は本当に胸が痛い。雄英の生徒たちにとっても心に残る大きな事件だろう。これにて、長かったインターン編が終わり、次回から？　ガラッと変わって文化祭編となる。

　今まで出番がなかった人気キャラクターも登場するのでそちらも楽しみだ。
（文=三澤凛）