アニメ『ランウェイで笑って』美しい作画かつ原作に忠実！期待の第１話

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　待望のアニメ化となった『ランウェイで笑って』。冒頭から絵がきれいだし、漫画と遜色なくて最高です……。

　10歳で158センチあった主人公の千雪は将来有望、確実にトップモデルになるだろうと本人も周りも誰もが思っていた。しかし、彼女の身長はここから1センチものびることはなく、モデルにしては致命的な低身長となってしまった。

　ところが彼女はあきらめることなく、何度も父が経営するモデル事務所のオーディションを受け続け、パリコレに出るスーパーモデルになることを夢見続けていた。

　事務所のみんなも、千雪がどれだけパリコレモデルをやりたいか理解している。身長以外はパーフェクトなだけに、別の大手事務所を紹介してみたりとなんとかフォローしようとするが、彼女の気持ちは変わらないままだ。

　学校の進路希望調査がきっかけで話すようになった、クラスメイトの都村育人が洋服を作るのが好きだと知ったことからこの物語は動き出す。

　彼はもやししか入っていないお弁当を持ってくるほど、金銭的に余裕がない生活を送っている。それゆえに進路希望も「就職」にしていた。しかし、一人でこつこつと手芸部として活動する姿、新しく買えない洋服を古着をリメイクすることで作り続けている姿から彼が本心からその道を選びたいのではないのが分かる。

　彼と話すことで、なりたい職業は違っても彼が自分と同じ境遇に置かれていることを知った千雪は、彼に対して自分が何も考えずに口にした言葉が自分が言われて傷ついた言葉だったことを知りショックを受ける。

　育人が「高卒でもファッションデザイナーになれると思いますか？」といった言葉にも軽く「無理なんじゃないの？」と答えていたが、それはそのまま「158センチでもパリコレモデルになれますか？」という問いに等しいものだったのだ。

　無意識に自分のことも否定してしまっていたことに気付いた千雪は、その足で大手のモデル事務所のオーディションを受けてみる。すると一発合格を叩き出し、やはり自分には才能があると思い込もうとする。

　だが自分がなりたいと思う「モデル」について考えてみたときに、彼女が選ぶべき道は大手モデル事務所所属の道ではないことに気付く。そのまま育人の元に走り自分が一番魅力的に見える服を作ってくれと依頼する。

　恒例のオーディションの日。服を見せるのがモデルの仕事。服に着られてはいけないのならと、自分に一番似合う服で勝負にでた。千雪がこだわった父のブランド「ミルネージュ」千雪が生まれた年に設立された父の思い入れが詰まったブランドだ。フランス語で一番大切なものの名前を付けたという父の言葉がフラッシュバックする。ミルネージュは日本語で「千の雪」。パパの事務所でパリコレに行くこと。これが千雪の夢。彼女の夢が、今動き出した。

　彼女の夢が動き出したと同時にもう一つの夢も動き出す。千雪がオーディションに着ていった服は育人が作ったものだ。その服をきてオーディションに挑む前に、千雪は街角スナップに撮られていた。

　その服が雑誌に載り、その雑誌のスナップを拡散力の高いモデルがSNSにあげたことで一気に話題となり、「ミルネージュの服」といってしまったがゆえにお店に問い合わせが殺到してしまったのだ。

　千雪から訳を聞き出した父親は、育人をミルネージュに呼び出し、デザインを買い取りたいこと、さらには育人にミルネージュでデザイナーをしてみないかと持ち掛ける。

　そう、千雪がトップモデルを目指す物語がスタートするのと同時に育人がトップデザイナーを目指す物語も同時にスタートしたのだ。

　いったいこれから2人にどんな試練が待ち受けているのか。
（文=三澤凛）