中国国家映画局が、2019年における中国映画興行の作品別興行収入を発表。中国市場での日本アニメの立ち位置が明らかになっている。
昨年の中国における日本アニメの話題といえば、『千と千尋の神隠し』と『天気の子』。前者は、初の公開ということで注目され、後者は日本でも興行収入140億円を超えたヒット作として海外での評価も期待されたところである。
ところが、その実態は厳しい。もっとも収益を挙げたのは『千と千尋の神隠し』の4億8800万元(75億6000万円)。『天気の子』は2位で2億8800万元(44億6000万円)となった。
日本国内で、この収益をあげれば「大ヒット」として宣伝されるところだが、14億人の人口を抱えている中国においては、これは「そこそこ」程度でしかない。なにしろ『アナと雪の女王2』は8億4000万元(130億2000万円)。『ライオンキング』は8億3000万元(128億7000万円)を稼いでいる。
元来、中国では劇場で観るアニメは3Dが基本。2Dは限られた人しか観ないとされてきた。
そのことが如実に現れたといえるだろう。中国市場は、いまだ有望な市場ではあるが、日本の作品をそのまま持っていくよりは、中国向けの作品を志向したほうがパイが大きいことが見えてきている。
それというのも、昨年中国で公開された映画でもっとも収益を挙げたのは、中国産アニメ『哪吒之魔童降世』の50億1000万元(766億6000万円)だからである。日本では『天気の子』の大ヒットが話題となったが、もはや井の中の蛙だったと自覚するしかないところにきているのだ。
まだ日本では公開されていない『哪吒之魔童降世』であるが、ここまでのヒット作ゆえに年内には公開もある様子。いったいどこが中国人の感性に合っているのか刮目してみるべき作品だ。
(文=中国ニュース取材班)
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