『耳をすませば』が実写化。10年後は想像するだけでも残酷

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DVD『耳をすませば』

 清野菜名と松坂桃李のダブル主演で実写化することが決まった『耳をすませば』。スタジオジブリが製作したアニメ版で多くの人が、自分の青春と対比して血の涙を流してきた作品だけに、まだ製作もしていない段階からディスりの言葉がネットには蔓延している。

 多くの人がディスっているのは、実写版が原作の世界観を再現する「あの頃(過去)」と、オリジナルで加わる「10年後(現在)」を描くとしているからだ。そのため大勢の人は「10年後になって二人は愛を育んで幸せに……みたいなことを描くのではないか」と、疑念を抱いているのである。

 でも、きっとそんなことにはならないだろう。公開以来、この映画を観た誰もがその後を想像しているわけだが、誰一人としてこのカップルが大人になってからも愛を育み、結婚へと至るなんて思ってはいない。

 なにせ、イタリアと東京との超遠距離恋愛。次第に便りも減り自然消滅という意外に未来は見えないのだ。

 ゆえにオリジナルで描かれる「10年後(現在)」も、そうした世間の評価を踏まえたものになるだろう。なにかの偶然で再会した二人が、ちょっと過去のことを思い出しつつ、またすれ違っていく……そうした物語であれば、それぞれ演技を評価されている清野と松坂は適役といえる。

 しかし、それぞれ小説家とバイオリン職人という夢を持っていた中学生は、10年後にどのように成長しているのか。10年後となるとまだ20代前半。どちらの職業もまだ成功したというには微妙な年齢だ。ならば余計に10年後の再会は残酷なものになりそうな気もする。

 きっとそこまで考え抜いたファンたちの「期待」を裏切る作品になるはず。そうじゃなければ実写化する必然性もない。
(文=大居 候)

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