NHKの番組でも明らかに……日本のアニメは海外に負ける!?

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NHK『東京ミラクル 第3集 最強商品 アニメ』より

 昨年12月に放映されたNHKのドキュメンタリー番組『東京ミラクル 第3集 最強商品 アニメ』。宮崎駿監督がやっぱり引退しないことが明確になったこの番組では、改めてアニメの低賃金労働の問題や外資の進出が明らかになった。

 これまで、アニメ業界やそこで働く人々の労働環境の問題は幾度も論議されてきた。というよりは、問題提起されるたびに多くの識者やネットユーザーが「これは問題だ」「なんとかしなくては」といっては、話が収束するということが繰り返されてきた。

 なぜ、こうした論議が盛り上がらないのか。理由はやはりアニメ業界で働く人々が職人であり芸術家という意識が強いからといえるだろう。

 これがたとえば工場で働く労働者であれば、低賃金や過酷な労働環境に対して雇用主に対して声を挙げやすい。しかし、一種の「芸術」にまで持ち上げられることもあるアニメ業界では、そうしたことは困難。今の苦労は将来の成功につながっているという希望はあるし、そうした声を挙げるのは才能のない負け組根性のような見られ方をしがちなのだ。

 なにより、もしも現在の雇用関係や労働環境が変わってしまえば、日本のアニメ業界は終わってしまうという恐れが常にある。だから、たいていの識者は「問題ですねえ」とはいいながらも本気で解決する気はないのだ。

 だが、ここに来て状況を大きく変えているのが番組でも取り上げられていた「外資系のインターネット動画配信企業」である。Netflixがオリジナル番組を投入して既存の日本アニメに揺さぶりをかけているのはよく知られる通り。これに加えて、これからは人材の流出も本格化しそうだ。

 日本のアニメの才能が流出する先として、意識されているのはやっぱり中国。すでに3Dアニメではハイレベルな作品を生み出しているが2Dはまだまだといったところ。だが、その資本力ゆえに日本の才能をどんどん引き抜いていくであろうことは想像に難くない。

 先日には『アズールレーン』で知られる中国企業のYostarがアニメ制作会社「Yostar Pictures」の立ち上げを発表。取締役に『SSSS.GRIDMAN』の総作画監督などで知られる人気アニメーター・斉藤健吾氏が就任したことでも話題を集めた。

 これからアニメ業界に進みたいと、夢を持っている若者が学ぶべきは、とりあえず外国語ということになる未来もそう遠くはなさそうだ。
(文=大居 候)

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