アニメ『魔術士オーフェンはぐれ旅』伝説のライトノベルが完全アニメ化!でもちょっと時代にそぐわない演出がチラホラ?第1話

TVアニメ「魔術士オーフェンはぐれ旅」公式サイト

 累計1200万部を超えるハイ・ファンタジー『魔術士オーフェン』が、生誕から25年の時を経て完全アニメ化。『魔術士オーフェンはぐれ旅』第1話がオンエアされた。

第1話 追憶の呼び声

 かつてはドラゴン種族が棲息し、現在は人間種族が繁栄する地、キエサルヒマ大陸。

魔術士養成機関≪牙の塔≫で暮らしていた少年・キリランシェロは、異形の姿となって失踪した義姉・アザリーを探すために旅に出る。

それから五年。男はオーフェンと名乗り、モグリの金貸し業を営んでいた。

ある日オーフェンは、地人種族のボルカン、ドーチンとともに、エバーラスティン家の令嬢への結婚詐欺をするはめになる。

 過去大ヒットした作品がリメイクされることは最近よくあるが、主役以外のキャストは全部変更での新作アニメは、最近だとセーラームーンくらいだろうか。過去作品のファンはうれしいかもしれないが、その時代に生まれていない者からしてみたら、あまりありがたみがない。初見ファンも取り込めるかどうかがカギになるだろう。今回の新作アニメはいったいどの層に響くように作られているのか。

 冒頭、牙の塔でキリランシェロという少年が、アザリーという女性が獣化していくのを成すすべなく見守っていた。続々と登場人物が現れて都度名前が表示されるが、テンポが速く誰が誰なのか分からない。

 そのままアザリーとよばれた女性は竜へと姿を変えてどこかへ消えてしまった。このキリランシェロはアザリーを助けるために竜化した彼女を守るために他の人物たちを攻撃するが、彼女はもうそれすらもわからないままどこかへ飛んで行ってしまった。

 彼女が消えた虚空を見つめるキリランシェロ。彼がこの物語の主人公、オーフェンの過去の姿だった。

 OPは主演である森久保祥太郎さんの新曲。これには往年のファンから歓声が上がったようだ。個人的には過去の声優のキャラソンの歌い方という感じがした。でもこれはそれぞれの好みの問題だろう。

 作中、国についての説明がなされる。この世界ではドラゴン種族と人間種族の間に魔術師が生まれたのだという。ということは主人公もそれに該当するということだろうか。

 場面は変わり首都トトカンタで主人公オーフェンが子供二人を追い詰めていた。どうやらこの子供二人は兄妹で、彼から金を借りて踏み倒しているようだ。捕まえたあとも腹をけり上げるなど、痛そうな制裁を食らわす。いくらこの二人がクソガキだとしても、ちょっと心配になる蹴り方だ。

 さらにこのボルカン・ドーチン兄弟は警察に指名手配されており「被害は少なく楽しく逮捕!」をうたっている派遣警察が捕まえにくるが、彼女こそ被害を拡大しているように見える。ここでオーフェンの力を示すように彼女が被害を生み出した相手に治癒魔法をかける。
 ボルカン兄弟には攻撃魔法をかけていたし、彼がで使うことができる魔法はかなり幅が広そうだ。

 彼女はオーフェンの首元にかかるペンダントが牙の塔出身のものだと見抜くが、彼はあまり過去のことを話したくない様子。彼はあのアザリーとの事件のあとに牙の塔との関係が変わってしまったのだろうか?

 そして場面は変わり、彼の下宿する宿へ。宿に併設されている酒場で夕飯を食べるオーフェンに憧れの目をむけるマジクという少年。彼は母親が魔術師の血を引いていたらしく、自分も素質があるのではないかと考えているようだ。魔術師の素質は純粋で真摯な情熱だというオーフェンに希望をもつマジク。そこに再度ボルカン兄弟が彼の元に訪れる。

 なんでも踏み倒した借金を返済するための計画を思いついたからオーフェンに手伝えというのだ。彼らは似合わない正装をし、どうやら金持ちの家に乗り込み結婚詐欺を行おうとした様子。しかしお互いの意志疎通が全くできていなかったため、あっさりと不審者扱いされてしまう。

 話を聞いて母親と娘はすぐさま警察を呼ぼうとしてしまうが、末の妹クリーオウはどうやら彼らに興味を持ったようでズカズカと迫ってきて彼らを質問責めしてしまう。このクリーオウの持ち込んだ話が、全て説明台詞っぽくてなんだかなぁという気持ちにさせられる。

 とにかくこのクリーオウの家に前も魔術師がきていて援助を施していたとのこと。その魔術師はオーフェンにも所縁のある人物だったようだが、話の途中で竜が暴れ出したことでうやむやになってしまう。

 その竜はオーフェンの過去に深くかかわりのあるアザリー。数年たっての再会なのか? 彼はこの邂逅をどうとらえているのか……。

 とにかく初回を終えての感想は、過去はかっこよかっただろうキャラデザも現代でやるにはやはり少し古臭い感じが強く、森久保祥太郎さんの芝居も現在の薄味芝居がメジャーとなった今では少し過剰にクサく感じてしまう。さらに原作も長いシリーズだからか内容が1話にしては詰込みすぎというか、ファンだったら分かるかもしれないが、新規で見るものにはあまり引き付けられる部分が少ないように感じる。

 この作品のヒットがあったから生み出された後続ファンタジーアニメはたくさんあるだろう。だからこそ、それらになれた現代ではいささか物足りなさを感じてしまう。これからこのジャンルの金字塔として底力を見せてもらいたい。
(文=三澤凛)

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