アニメ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』人生の全てを推しに捧げるトップオタ…その生活は想像よりも幸福度高い?第1話

アニメ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』人生の全てを推しに捧げるトップオタ…その生活は想像よりも幸福度高い?第1話の画像1
TVアニメ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」より

#01 そんな舞菜を愛してる

 岡山で活動するアイドル『ChamJam』のメンバー・舞菜を強烈に推す女オタク・えりぴよ。バイト代の全てを貢ぎ、赤ジャージ着用でキンブレを振り続けるのは、全て推しの舞菜の尊さを全世界中に広めるため! しかし、当の舞菜はえりぴよに明らかな塩対応を繰り返していて…。

 人生を楽しく過ごすには推しがいた方がいい。そんな推しがいる女性と推しとのエピソードが詰まった物語。これに似たようなドラマを見たような気がする。『だから私は推しました』という地下アイドルに突如はまった女性のドラマだ。

 地下アイドルと言えば男性ファンが推すものという印象を変えてくれた傑作ドラマであるが、このアニメも女性ファンが金銭をつぎ込み推しているアイドルが武道館に行ってほしいと熱く願う物語。アイドルが主役じゃなくてファンが主役っていうのがいい。
 
 推しを全力で推す姿、そして誰かが誰かの推しになる姿って美しい。とある春の桜並木、チラシを配られて何気なく見に行ったステージで自分の姿を見てチラシを渡してくれたアイドルがニコリと笑ってくれた。それがこの物語の主人公えりぴよが『ChamJam』のメンバー・舞菜に落ちた瞬間だったのだ。

 この落ちる瞬間、誰かを推してる人は思い当たる感じあるんじゃないだろうか。幸せな地獄への入り口……。

 『ChamJam』のランダム商法を協力して乗り切る二人のオタたちの会話から本編スタート。フォトセット販売で1人20種類でランダムって集めるの地獄……。そんな地獄のランダム商法でも推しのフォトを交換なしで一瞬で集めた猛者がいるという。そう、それこそがえりぴよだ。

 彼らがオタ話に花を咲かせていると『ChamJam』のメンバー・舞菜と空音がビラ配りで現れる。眼鏡のオタはれおのトップオタだが有名な方なのでメンバーも顔を覚えているようだ。

 雑談をしていると遠方からえりぴよがやってくるのが見えるがその瞬間に舞菜は逃げ出してしまう。えりぴよも舞菜に避けられていることに薄々感づいている様子。推しに避けられるって悲しすぎるな。

 えりぴよを始めて直視した新参オタは、収入の全てを推しに貢ぎ、服は高校の指定ジャージのみを着ている古株にして唯一のトップオタとして有名なのだという。しかしえりぴよに言わせれば、舞菜ファンはいないのではなくて分かりづらいだけなのだという。彼女のイメージカラーがサーモンピンクのために、多少の加工をしないと表現できない。それゆえイメージカラーがピンクのれおのファンとかぶってしまっているらしい。

  この物言いにはれおのトップオタのくまささんは黙っていられない。この二人はいつもこのようなじゃれ合いをしているようなのだ。オタ仲間って尊い。

 オタ仲間と共にビラ配りでの接触を切り上げて劇場に入ってしまう3人。お金を落としての接触こそ至福という本当にオタクの鑑だ。えりぴよもこれには同意で舞菜の時間が欲しくて、買い占めもじさないという。だからこそ本来増えるはずの舞菜ファンが増えないのでは? という懸念もあるが、彼女は塩対応だからどんなに長く時間を買っても話せる言葉はだいぶ少ないらしい。

 そんな塩対応にもめげないえりぴよ。お金と時間を使って最高の立ち位置を狙って整理番号1番をゲットしたのに、ライブ中は目も合わせてもらえない。結構心折れそうだがそれでもポジティブシンキングで乗り越える。
 
 ここで皆が応援している『ChamJam』の楽曲が流れる。それぞれのメンバーのコールまでばっちりな楽しい曲だ。いよいよ舞菜のコールの番! と張り切ったが張り切りすぎたのか鼻血を出してしまうという大失態。握手券のために購入していたCDも無くしてしまうが、改めて10枚購入するなどやはりファンの鑑……。

 鼻血もケガも乗り越えて握手会に参加するも、手が血まみれなために握手をためらってしまうえりぴよ。心配もしてもらえず、握手もできず嫌われている疑惑が募っていく。

 生活の全てが舞菜中心のえりぴよ。新曲発売にともない行われるチェキ会は購入に枚数制限があると聞けば、始発から並ぶのもオタクの鉄則。6月なのに真夏日というのは最近だとよくある事態だが、こんな長時間だと命に関わる。

 あまり衣装替えをしないグループゆえに、新衣装のチェキはかなり貴重なのだ。しかも夏の衣装ということで爽やかかわいい衣装になるのは間違いない! とくまささんと共に気合を入れて並ぶ。

 残り7時間ある段階で炎天下でかなり疲弊してしまうオタクたち。もう並ぶのを辞めたいという人たちも現れる中、根性で並び続ける面々。これはきつい。

 アイドル達の入り時間にはメンバーが並ぶ彼らの横を通りすぎる。これはちょっとしたご褒美タイムだ。しかしえりぴよは舞菜に重いと思われたくないと、顔を隠してやり過ごしてしまう。この複雑な乙女心の理解はなかなかに難しい。

 待ちすぎてカオスになる時をやり過ごし、とうとう物販開始時間! 無事に購入制限の枚数を獲得するも、次は長時間まっていたことで、汗だくになった姿で舞菜とチェキを撮るという事実に困惑する。これも乙女心~。推しに臭いなんて思われたくないのは分かる。

 期待していた衣装はオタクが考えた方がいいのでは?というような微妙なものだったが、来ている本人がかわいいからオールOK。ライブも盛り上がっていよいよチェキタイム!

 しかしあれだけ頑張ってゲットしたチェキ券なのに、えりぴよがとった写真はかなり距離のあるもの……。もう愛がこじれて二人の接触がすれ違っていっている。周りのオタクたちはそんなえりぴよの行動に首をかしげるが、彼女の愛が本物なのは誰がみても確かなものだ。
 
 彼女は世界のみんなが舞菜のかわいさに気付いてほしいと願っている。推しを独り占めするのではなく、みんなのものになってその中で一番舞菜を好きでいたいのだ。これだけ好きになれる対象があるっていいな!!

 いっぽう重たいくらいに思われてる舞菜も、えりぴよに素直に思いを伝えられないだけで実はとっても感謝しているという事実が描かれる。なんだよー! 実は相思相愛かよ! お互いの愛情表現の下手さですれ違ってるっぽいけど、今後舞菜が売れていくことで二人の関係はどう変わっていくんだろうか。

 アニメ視聴者には誰かを推している人も多いだろうから共感ポイントも多いだろう。今推しがいない人はえりぴよと一緒に舞菜を推すのも楽しいかもしれない。癖になるテンションの高さにも引き込まれてしまうので今後の展開を楽しみにしたい。
(文=三澤凛)

アニメ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』人生の全てを推しに捧げるトップオタ…その生活は想像よりも幸福度高い?第1話のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!