アニメ『うちタマ⁈ ～うちのタマ知りませんか？～』まさかのタマが擬人化！BLにショタ…これが令和の『うちタマ』か！！

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　1983年にデビューをした『タマ&フレンズ　～うちのタマ知りませんか？～』。文房具や雑貨で一度は目にしたことがある、おでこにブチがあり黄色い耳をしたみんなのご近所ねこ「タマ」がまさかの擬人化で登場！

01「うちのタマ知りませんか？」
　今期は動物アニメが多い。その中で擬人化も多いが今作についてはやはり異色と言わざるを得ないだろう。なんといっても私たちが昔からなじみのあるあの三丁目のタマが擬人化するのだから。

　しかも、タマたちが全員美少年になるなんて幼少期想像したこともない。あの頃の子供たちがちょうどターゲットに入っているからという戦略はよくわかるが、初めて聞いた時はちょっと思い出を荒らされるような気持ちもした。

　冒頭は私たちのよく知る、あの姿のタマがベンチでお昼寝をしているシーンからスタートする。お母さんの夢をみて気持ちよさそうに寝るタマがベンチから転がり落ちたら擬人化した姿に！

　仲良しの犬のポチが犬の姿で駆け寄ってきたかと思ったら次のシーンには擬人化…‥と普通の姿と擬人化が混ざって表示されて暫くは脳がバグる。
　
　あくまで彼らは猫であり、擬人化は物語を見せるための手段のようだ。世界観を守りつつ商業的にヒットを狙い美少年たちの戯れを見せてもらうのだ。

　そしてタマは飼い猫。人間のショタも登場するのだ。飼い主のたけしくんは、よく家を抜け出して町内を徘徊してしまうタマを探すために「うちのタマしりませんか？」と小さなころから何度も見たあのポスターを町内のいたるところに張り付けるのだった。
　
　たけしくんが転校してきたばかりのお友達、倉持くんにばったり出会い、タマの説明とタマのお友達の説明をする声が映像にかぶっていくという手法。タマにはお友達がたくさんいるのだ。

　三丁目は犬猫がたくさんいる。お豆腐屋さんのポチ、新聞やさんのベー、コンビニに住むクロ、インテリアショップのゴン、喫茶店ノアイドルモモ、大工のトラ、松の湯のコマ、野良猫のノラなど個性豊かな、だけど馴染みのある犬猫が大集合。

　そういえばキャラクターは見たことあるけど彼らがどこの犬猫かは知らなかったなぁ。　そしてポチとタマ、そしてモモとコマがケーキを頂いたおうちのブルは倉持くんの家の犬という発見も。擬人化してるとコワモテなブルも倉持くんが来ると、滅茶苦茶かわいいブルドック姿になっててこのギャップがかわいすぎた。擬人化と元の姿の切り替えもうまい。
　
　腐女子に人気がでそうなキャラ設定にしてあるが、誰が一番人気なのだろう。ノラはわかりやすいイケメンだったが、個人的には高い所に登りたがって降りられなくなっちゃうトラがかわいくて気に入った。これだけ種類がいるとカップリングもはかどりそうだ。BLはもちろん、百合もノマも全方位網羅している……。

　三本立ての最初の話は、主にキャラクターと世界観の丁寧な説明に終始。わかりやすくて丁寧な導入だ。これでスッとうちタマワールドに入っていける。

「犬会議」
　公園にポチとベー、ゴンが集まって最近引っ越してきたブルについて話し合っている。ポチはタマと一緒に彼のおやつを食べてしまったことにより怒られたことで怖いイメージを持っていた。その時の怖さは土佐健の1億倍だという。
　
　犬組はポチ以外は大人なヴィジュアルなので、これはこれで優しいお兄さん感があって良い。本当に様々な需要に対応してくる……。
　
　一方そのころブルは、三丁目に多くの犬猫がいるという情報から、ケーキを食べていたやつらがそいつらだろうとあたりをつけるが、ナメられてはいけないと自己紹介の練習を始める。しかしその自己紹介の文言がかーなーり中二病というか自分に酔っている系というか、とにかく見ていて痛々しいものばかり。ブルのこの残念感はなかなかにかわいいぞ。

　この痛々しい自己紹介練習、犬会議の面々に見学されており「別の意味で怖い人」という印象を植え付けた。正式に彼らが邂逅するときにこの練習は果たして功を奏するのか？！

「俺たちのワイハ」
　猫は段ボールが大好き！　今日もお気に入りの段ボールでお昼寝をしているタマだったが、気持ちのいいその時間をトラに邪魔をされてしまう。段ボールが目の前にあるのに入らないわけにはいかないのだから仕方ない。おかげでタマの大事な段ボールは壊れてしまう。

　二人のそんな姿を見て、新聞屋のベーは「段ボールってワイハーかな？」と二人に問いかける。なんでも新聞屋さんに来たお客さんが一年中暖かくて何も考えずにぼーっとできる所がワイハーだといっており、まるで段ボールがそうなのではないかと思ったのだ。
　
　トラも「いい感じに暖かくてずっとそこにいたくなる場所」とならここでは？！　という場所を思い浮かべる。それは、ご主人様が捜査するPCの上。ずーっといたくなっちゃうあそこは多分ワイハーだろうと言い張る。もしくは炊飯器の上。どっちもすぐにどかされてしまうけれどもどっちもずっといたくなるからワイハーだ！

　そういうことなら！　とタマも思いつくワイハーを発表する。それはたかしくんのソバ。一緒に寝ると温かくてずッといたくなるからたかしくんの側もワイハー！

　ええ、もうこの猫たちの自分の思うワイハー話可愛い。特にトラの炊飯器とPCの上がかわいい。猫あるある……。二匹の話をきいてベーはワイハーは案外近くにあるものかもしれないからこれからみんなで探してみようと提案する。

　さっそくそれぞれの主張溢れるワイハー探しが始まった。塀の上もワイハーだし、ベンチは上も下も使える2段式ワイハー、銭湯の煙突もワイハーだ。

　ゴミ捨て場はワイハーというには失礼にあたるような気もするし、とだんだんワイハーと言いすぎてワイハーって何だっけという気持ちになってきた。続いて見つけたワイハーは車の下。ベーとトラは寝転がってそのワイハー具合をかみしめている。

　その間タマはノラと出会って立ち話。彼は社会勉強といって人間が捨てた地図帳を拾って眺めていた。色々な知識がある彼にタマは現在ワイハー探しをしてると告げるが、もちろん彼の反応は「は？」である……。

　タマも遅れてベーたちのワイハー＝車に到着。するとトラの姿が見えない。どうやら彼は車で、もっとも温かいエンジンルームに入ってしまったようだ。

　ノラはすぐにその危険を察し、ベーを車の下から引き釣りだしトラもエンジンルームから出そうと必死になる。しかし彼らはなぜノラがこんなに焦っているのかが分からない。

　エンジンルームから中々抜け出せないでいると、車の持主が戻ってきてしまう。見るからにガラの悪い男でこれは猫のことなど見向きもしなそう……。このままエンジンをかけて出発されたらトラの身が危険である。

　ノラは持主に気付かれるようにボンネットにのり注意をひく。今まで電話でかなり機嫌が悪かった持主さん、ノラの顔を見るなりメッロメロになってしまう。なんだ、猫好きか。ノラが彼にアピールしてボンネットに注意を促すと彼はトラを見つけて救出してくれるのだった。　

　そんなに危険な場所だと知らなかった他の猫たち。猫を嫌いな人や気付かない人もいる。人間も猫がいないか十分に気を付けてほしいと台詞の中に大事な注意喚起が含まれていた。

　結局「俺たちのワイハー」は見つからなかったが「みんなの心の中にある」とトラが決め台詞を吐いたところで、ノラがワイハーの正式名称と所在地を拾った地図帳で指し示し幕を閉じた。

　ノラは色々闇を抱えてる設定っぽいので今後エピソード色々ありそうだ。とにかく初回の3本たてはどれもかわいくて面白かった。まんまとハマるのはどこか悔しい気持ちはあるけれど、素直にはまっておこう。
（文-三澤凛）