薔薇族だった時代 ~昔の自分と今の自分 第56回

薔薇族だった時代 ~昔の自分と今の自分 第56回の画像1撮影:津田広樹

 明けましておめでとうございます。

 この画像は、令和元年年末の「年忘れ文ちゃん会」での伊藤文學さんである。薔薇族編集部勤務だった昭和後期以来、一番頻繁にお会いした令和元年の年末のご挨拶にと、思い出の下北沢に出かけた。一番乗りだった。

 この日の参加者は男性七名だったが、六月に考え方の相違でギクシャクしてしまっていた方が来られていて、私はしばらく目を合わせずにいた。しかし文學さんからの不思議な波動に背中を押された私は、その方が長けた話題を出して会話に入ってみた。途端にその方は笑顔になり、私と目を合わせてくれたのだ。

 誰に対しても平等で、基本的に否定的な表現をなさらない文學さん を見習い、自ら閉めてしまった扉を開けて良かったと感じた。その方から「また会いましょう」と言っていただけたのが有り難かった。

 私のツイッターアカウントをフォローしてくれて、毎回この会に参加 されているノンケの大学生男子が、短歌の話題を文學さんに話された。私は文學さんに「『歌集・靴下と女』には、 文學さんの大学生時代の写真満載ですよね」と言うと文學さんは、ご自分のリュックサックの中から「靴下と女」を出された。数ある書籍から文學さんが、この書籍を選ばれ持参されたことに以心伝心を感じた。何故なら、やりたい撮影があったからだ。

 数年前から複数の雑誌で「昔の自分と今の自分」的な比較画像を掲載するのが流行っているが、私は約20年前からそれ(昔と今の肖像比較撮影)をやっており、文學さんにも若い頃の写真を持っていただき、撮影したかったのだ。

 チャンス到来とばかりに、アー写さながらのドアップの大学生時代の文學さんの写真が掲載されているページを開き、文學さんにその書籍を持って頂き撮影させてもらったのが、 この画像である。

 私のやりたい事を瞬時に把握してくださった文學さんは、笑顔で書籍を持ってくださった。しかし、表情を大学生時代の文學さんに寄せたかったので、真顔の文學さんのカットをセレクトしてみた。およそ66年程の時が経過して、自身の大学生時代の肖像を掲げている文學さんに感動した私だった。お世話になった編集者の方も来られたので、ご挨拶できて何よりな「年忘れ文ちゃん会」だったのである。

 伊藤文學さんお墨付きの薔薇族カメラマン「津田広樹の立体写真集 ・電子版」限定送信しているので、下記の津田・・・から始まるアカウントのTwitterをぜひとも覗いていただきたい。

【津田広樹プロフィール】
 いわゆる80年代アイドル全盛の時代にスチール撮影のみならず、その多才さを認められてグッズ等の企画発案にまでもマルチな才能を発揮したキャリアをもちながら、あらたなる新天地として当時の有力ゲイ雑誌であった薔薇族の出版会社に編集部員として転身。その後もさらにその非凡なる才能の昇華は衰えを知らず、グラビアや企画ページ等にも幅ひろく手腕をふるい、多くの絶賛を得るまでにおよぶ。そして1996年にはゲイ業界初の試みであった3D写真集付き映像ビデオ、ジャック・リードを発売し世に送り出した。
 さらにオリジナル競パン付きDVDの発売など革新を起こし続けるも、無断配信に苛まれ、2018年に全ての映像ソフトのレーベルを手離す。しかし長年ににわたり不変的な価値観を持ち続ける津田広樹の世界観は色褪せることのなく、その真価を現在も世に問い続けている。

津田広樹Twitter
@Wi08XKZE10Vb5rx

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