アニメ『真・中華一番!』あまりにも中途半端すぎる最終回…もう少しどうにかならなかったのか?

『真・中華一番!』公式HPより

 90年代に一世を風靡した料理漫画『真・中華一番!』。再アニメの第12話がオンエアされた。

第12話 運命の男
「七星刀」でひとつでも多くの幸せを紡ぐことを誓ったレオン。究極のカニ料理を完成させるが、審査員たちから“まずい”と言われる。シャンの策略を見抜くマオに対して、シャンは二つ目の「七星刀」の真実を告げる。そして、第三試合を迎えたマオの対戦相手は因縁の相手であった!

 今期、色々「え? ここで終わり!?」という終わり方のアニメ多い。しかし、『真・中華一番!』の終わり方のぶん投げ方は、他の追随を許さなかった。

 レオンのカニ料理の酷評を受け、一度出した判決は覆らぬことをきっちりと確認するシャン。だがなぜレオンの渾身の料理がここまで酷評されるのか、確認のためにその料理を食べてみるシロウ達。

 しかし、レオンの料理を口にするだけであまりの旨さに悶絶する面々。これぞ至高のカニ料理と太鼓判を押す、シロウとメイリイ。対してシャンの料理は確かに美味しいけれども、レオンの料理と比べてもそこまでの感動は得られない代物。なぜこうも意見に相違が出てくるのか? その答えは付け合わせのスープに合った。

 マオはそのスープをシロウに飲ませ、そのあとにレオンの料理を食べてみるように指示する。半信半疑でマオの言う通りにその順番で食べてみると、先ほどまで絶品と言っていたレオンの料理が、激マズ料理に変貌を遂げる。

 この変化は嗅覚疲労に近いものらしい。先にカニの濃厚なエキスが入ったスープを飲んでしまったことにより、舌が疲労し、カニの旨味ではなく脂っこい部分のみが協調されてしまったのだ。レオンの料理が旨ければ旨いほど評価が下がってしまう仕組みになっていたのだ。
 
 シャンのやったことは相手を貶める最低な戦い方だったのだ。だがシャンは勝利することにのみこだわり、勝ち方に重きを置いていないようだ。
 
 そもそも彼女がどうやって七星刀を手に入れたのか? それはレオンが殺したはずの包丁職人ラーチェが実は致命傷をはずし生き延びており、その窮地を救ったのがシャンだったのだ。

 裏料理会の人間は料理だけでなく、様々な知識に精通しているというなんでもあり設定のため、シャンはラーチェの体を手術し献身的な介護で彼の命の恩人となりどんな願いも聞いてくれるだけの信頼関係を築いた。そのうえで七星刀を改めて作ってもらい、用済みになったラーチェを今度は本当に殺したのだ。

 だがこの真実を聞いたことで、レオンは人殺しを犯したという事実は消える。さらに突如二人にラーチェの声が聞こえ始め、シャンの持つ七星刀が全て壊れてしまう。それはラーチェの魂が真の七星刀の持主はレオンの方だと選んだという事だった。

 今までレオンの手に染みついていた血の香りは消え、彼は許されたのだった。レオンは今回の勝負の敗北を認めるが改めて今後の人生は自分の作る料理で人を幸せにすること誓う。

 かくして残るはマオの最終戦。裏料理界は誰が来るのかと身構えたがそれはマオのよく知る人物だと、シャンは告げた。その言葉に何か気付いたマオは走り出し、船の外へと駆け出す。そこに待っていたのは母を過労死させる原因を作ったにっくきショウアンだった。
 
 彼もマオに大きな恨みを抱いており、その恨みを晴らすために裏にはいり厳しい修行に耐えてきたのだ。二人の因縁の対決、勝負する食材はかつての食材「豆腐」以外にないだろう。戦いの火ぶたは切って落とされる……はずだ。

 そう、ここでこのアニメは最終回。二期の製作始動とはあるが、そこまで引っ張るほどの勝負でもないような……。もう少し考えて製作始めればよかったのにと思わざるを得ない。始まる前の話題性が高かっただけに、色々と残念なリメイクになってしまった。
(文=三澤凛)

アニメ『真・中華一番!』あまりにも中途半端すぎる最終回…もう少しどうにかならなかったのか?のページです。おたぽるは、漫画アニメ作品レビューマンガ&ラノベの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!