アニメ『アフリカのサラリーマン』社畜よ永遠なれ!最高にクールでエンタメな作品だったけれど、最後の最後のネタは必要だった?第12話

2019.12.27

TVアニメ「アフリカのサラリーマン」公式サイト

 サバンナも食物連鎖もカンケーない! アニマルサラリーマンたちのかわいく、シュールで世知辛い、資本主義会社員デイズ『アフリカのサラリーマン』。第12話が放送された。

第12話「アフリカのサラリーマン」

あらすじ

「この仕事がとれなかったら、きみたち3人クビね」というカメ社長の圧とともに、プレゼンを任されたライオン、トカゲ、オオハシ。ライバル会社のトラとヒョウに宣戦布告されるも、3人は互いの仕事ぶりに力をもらいながら一緒に準備を進めていく。そして、徹夜でプレゼン当日の朝を迎えるが──。

 今回でとうとう最終回! 最後は社畜につきものな、企画プレゼンの資料作りにてんてこ舞いするというストーリー。
 
 朝から頭を抱えて震えているライオン、ひたすらにパソコンとにらめっこするトカゲ。そして我関せずにいつも通りのほほんと出社し、二人にちょっかいをかけるオオハシ。ライオンとトカゲはオオハシのそんなノリに全く触れず、ひたすら仕事に対してのプレッシャーを感じている。あまりにもいつもと違う2人の状態にオオハシは疑問を持つが、それはただたんにオオハシが社長からのメールを見ていなかったからだ。

 オオハシが見ていなかったメールの内容は、このプレゼンを成功させないとライオン、トカゲ、オオハシの3匹はクビというまさかのもの。首になったらサラ金にお金が返せないと、泣きながらオオハシも状況を把握。そこから必死に戦うサラリーマンの姿が映される。
 
 そこに、プレゼンで戦う相手であるトラとヒョウが3人に宣戦布告しにやってくる。彼らは過去にライオンにひどい目にあわされたことを恨みに思っているらしく、彼らに脅しをかける。

 さらには同僚のラーテルたちもわざわざ彼らの邪魔をしに来たりと、トラブルが続出する。いつもは騒ぐだけで役に立たないオオハシも追い込まれる。真面目にこの業務にあたっているだけに、同僚たちの妨害は痛手でしかない。

 しかし彼らは力を合わせ、なんとか時間内にプレゼン資料を完成させることに成功する。しかしできたのはプレゼン開始の3時間前。少しだけ仮眠を取ろうと、それぞれがオフィスでしばし身体を休めるが、これはもう確実なフラグ!!

 案の定目が覚めたにはプレゼン開始の15分前! 慌てて飛び起きたのはまさかのオハシ。二人を叩き起こしてタクシーに飛び乗り、プレゼン先の会社にたどり着いたのは15秒前という超ギリギリ! プレゼン資料も部下に作らせ余裕綽々で席についていた対抗馬のトラたちは、ネチネチと嫌味を言ってくるがなんとかプレゼンスタート。

 先行のトラたちのプレゼンはよく練られているもので、明らかにクオリティが高い。これは確実に負けるやつでは……と恐れるも、オオハシが「自信を失ったら終わり」と2人を鼓舞し、自分たちが徹夜で作り上げた努力の結晶であるプレゼンを行う。
 
 アイデアや勢いは良い、と敵からもあっぱれな堂々のプレゼンを終え、結果をその場で待つばかり。緊張の瞬間だ。先方の偉い人がライオンたちの前に立ちはだかり「もし怒られたらそこの窓から逃げよう」とまで思い詰めたが、彼らにかけられた言葉は「すばらしい!」だった。

 取引先は彼らアフリカ商事の熱気の詰まったプレゼンに心動かされ、採用を決めたのだ。因縁がありつつも勝敗を決した後、なぜこんなにもライオンに恨みをもっているのか確認すると、過去に楽しみにしていたプリンをライオンに食べられたからだという。しかも食べられたのは今は生産終了となっているプリンらしい。恨みは晴れない。しかし、オオハシがググるとその廃盤になったプリンは、現在復刻版が発売されているという。後日ライオンがそのプリンを買って出向くという事で決着がついた。恨み10年にして、やっと和解できた。

 かくしてプレゼンに勝利し、会社では3人のお疲れ会が開催される。首の皮もつながりトカゲ君も離婚を回避。万々歳で終わろうかというところで、オオハシに着電が。なんと、やっぱりあの企画は破棄したいという内容のもので、社内全体の肝を冷やすもいつものオオハシのジョークだった。

 ゆるゆるとしたキャラクターと社畜という共感あふれるエピソードの数々が、かなり面白かった。日曜の夜中に送るには最高のアニメであった。

 毎回本編最後にあるアフリカのJK、最終回もばっちりあったが、中の人ネタで締めたのだけが残念。アニメを楽しみたいから、中身の喜多村英梨も小倉唯もどうでもいい。残念! ライオンとオオハシとトカゲくんで終わらせてほしかった。
(文=三澤凛)

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