ドラマ『同期のサクラ』事前の期待を大きく裏切る出来栄えにガッカリな最終回…宣伝よりも中身を充実させて!

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『同期のサクラ』公式HPより

 主演・高畑充希×脚本・遊川和彦の『過保護のカホコ』の再タッグ! 『同期のサクラ』の第10話がオンエアされた。

 1話1年。同期達と共にサクラの成長を描く物語が最終回を迎えた。しかし、これは良い最終回だったのだろうか。
 
 ドラマスタート前から話題性抜群だったこのドラマ。しかしスタートしてから「おや?」と思う部分が多々見られた。

 忖度しないといえば聞こえはいいが、人の話を聞かずに猪突猛進なサクラというキャラクター自体に大きな違和感を覚えた。さらに同期5人の絆が大きなテーマとなっているために、各回で各キャラクターと絆を深めるエピソードが盛り込まれ、寝込んでいるサクラに話しかけるというスタイルで、徐々にこの作品のスタイルに馴染み感情移入をしていっていたが、最終回はその感情をどこか裏切られるような気持ちにさせられるものだった。

 というのも、最初からサクラは誰に忖度をするでもなく自分の夢は「故郷の島に橋をかけること」「仲間をつくること」と言っていたが、作中にその夢の一つである「橋」の夢は潰えてしまう。その夢を何かしらの形で遂げようとする姿は見られず、大きな力に飲まれそうになり、最終的には「自分がつくった建物で多くの人を幸せにする」という新しい夢で終わってしまった。

 あんなに大きく言い続けていたのに? そう、このドラマは大々的に言っていたことがあっさりと裏切られてしまう。キレイごとを公然と言い放ち、その青臭さを全うするドラマというのは今までも数多くあった。それなりに感動させられた。このドラマもそうなるかと思いきや、むりやり形を整えるように前言撤回されていく姿を何度も見せられると視聴者はそのうすら寒さだけをくみ取ってしまうのだ。

 例えば「サクラのいない世界に生きていたくない」とまで言い切った百合も、自分の興味のあるセミナーがあればサクラが色々意気込んで同期を集めた回もドタキャンしてしまうし、あれだけ何年もサクラが好きだといっていた葵も、あっという間に百合と関係をもって妊娠させてしまう。

 言ってることとやっていることに矛盾を感じると白けてしまうのだ。最終回は、この1時間の中に色々と展開を詰め込みすぎたゆえに短絡的に見えてしまった部分が多く、満足のできる最終回とは言えなかった。

 「いい話にしよう」「いいことを言おう」「世間に問題提起しよう」どこかそんな説教臭さを感じつつ、そのために都合よく動かされるキャラクターに嘘くささや思惑が見え隠れしてしまい入り込めない。

 題材や切り口が面白かっただけになんだか残念で歯切れの悪い終わり方だった。大事なのは事前の宣伝ではなく本編の中身だ。すっきりとした終わりを迎えてくれる作品と出会いたい。
(文=三澤凛)

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