アニメ『厨病激発ボーイ』いまいち最後までふりきれず…パンチも盛り上がりも足らない最終回

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　平穏な高校生活を望む瑞姫と、厨二病男子たちが織りなす、妄想炸裂なドタバタ厨二病学園コメディ『厨病激発ボーイ』。第11話が放送された。

第11話 ｢放て俺のサーチライト！｣

　ヒーロー部に助けられた人々の想いに触れた瑞姫は、自分たちが必要とされていることを知り、活動再開を決意する。そして、校内の協力者に支えられ、ヒーロー部はついに復活！しかし、ヒーロー部がいない間に謎の事件は続き、いまだ皆神高校は混乱の中にあった……。果たして瑞姫たちは史上最大のピンチを乗り越えられるのか！――世界を救え、ヒーロー部！

　え、あ、最終回！？　という感じでまぁ2週連続で話が続くときは大体最終回。

　学内で起こる謎の事件に立ち向かうヒーロー部支持の生徒一同。生徒会にばれないようにヒーロー部再結成を誓い、皆でこの問題に取り組むことを決意した。

　その後は学校生活の中で秘密裏に行動。生徒会にはばれないように情報を集めたり、密会をして依頼を受けたりと徹底した隠蔽が行われた。
　
　陸上部からの依頼で選手になってほしい依頼があった際には皆で参加するなどかつてのヒーロー部のような活動に、みな張り切ったりと和やかな前半パート。しかしそんな平和な最終回が合っていいはずがない。

　陸上部への助っ人という依頼も無事こなし、いい結果を出せたと大満足で帰宅する中、なにやら生臭い香りが。なんと、最近学内を襲わせていた怪奇現象に陸上部が襲われたというのだ。　
　
　学内での流血事件ということで、学校への信頼度はがた落ち。生徒会は頭を抱える羽目に。ここで全員の頭にヒーロー部のことが頭をよぎったが、自分たちが廃部を言いわたした部活に頼ることはできないと八方ふさがり。

　だがヒーロー部たちはもうすでに動き出していた。目撃情報から割り出したイラストから人外の仕業であることから、ニャルラトホテプではないかと話題になる。とにかく実態を見ないことには、ということになり彼らは夜中に現場である学校プールへ。

　そこに現れたのはなんとペンギン！！　地球が温暖化だからかあまりにも意外な動物の登場にみな驚くが、ペンギンはプールの中に潜ってしまう。

　慌ててヒーロー部の面々も続くがペンギンのスピードに勝てるはずもない。部員たちの頑張る姿に感化された瑞姫はあふれる気持ちが爆発して、ピンクとしての隠された力を発揮する！ とレッドと共に「エターナルフォースブリザード」をとなえる！！

　するとなぜか？　竜巻が巻き起こりペンギンを確保することに成功！　え？！　何これ？！　やはり瑞姫は何かしらの力の持主だったのか！？　とミスリードさせるような描写であったが、まぁそんなことあるわけもなく。

　かくして学内を騒がせていた事件の犯人、ペンギンを見つけたことでヒーロー部は表彰され部活動を学校側から認めてもらえることに！

　撤去されていた部室も元に戻り全てが完璧に元通り。今まで以上に精力的に活動をすることができるように。めでたしめでたし。

　そんなわけで大団円で幕を閉じた『厨病激発ボーイ』。過去にものすごい盛り上がりを見せた『美男高校地球防衛部LOVE！』のような感じを目指したのかなーという感じだったが、そこにいくにはキャラクターのパンチも話の盛り上がりも弱い作品というイメージに終始した。

　声優人気にあやかり、そのファンの人にはいい作品になったのかもしれないが、ずっと語り継がれるほどの作品とはならなそうだ。

　ドタバタ感だけで乗り切るにはもう一工夫ほしいところ。似たようなオタクが題材の作品のアニメ化も進行しているとのことなので、この作品の反省をいかしてそちらは盛り上がってもらいたい。
（文=三澤凛）