楽しめないのは自分のせいだけど……

『ラブプラス EVERY』なぜこんなヒロインと付き合うことになったのか 「はやく別れたい」と思ってしまう件

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『ラブプラス EVERY』公式サイトより

 待たされましたが、いよいよサービスが再開しました『ラブプラス EVERY』。ひとまずクリスマスに間に合わせたいので、容赦なくガチャを回しまくって攻略に限ります。

 けれども、いざカノジョになってから気づいたのですが、筆者は思ってしまったのです。

「はやく別れたい……」

 ええと、筆者は寧々さん一択で進行しています。まず三人とも告白の手前まで進めた上で寧々さんを選びました。理由は、消去法です。

 まず凛子はダメです。初対面から人と話をしている時にイヤホンをしています。物語では次第に複雑な家庭で育ったことがわかってくるわけですが「守ってあげたい」感情になる人は待ってください。複雑な家庭とか以前に、これはあまりにも育ちが悪すぎます。「ぶっきらぼう」と許容なんてできない無礼な発言の数々といい、近くにいるだけでイラつきそうです。付き合う以前に同じ空間に身を置きたくありません。

 愛花もダメです。なによりも「住んでいる世界が違う」感がダメです。主人公のおかげで次第に殻を突き破っていくわけですが、実家は開業医。所詮はブルジョワのお嬢様です。いちいち仕草に金持ち感が出てイラつきそうです。「この世間知らずな女を征服してやるぜ」という強い意志でもない限り、付き合う気にはなりません。しかし、そんな強い意志をぶつけるには凡庸なお嬢様なのでパスです。

 結果、年上だしバイトもしているし、まだ無難かなと思って寧々さんを選択。たしかDS版でも悩んで寧々さんを選択したのですが、理由は忘れました。なので、ここからはまっさらな気持ちで綴っていきます。

 バイトを通じて関係が深まり、付き合うことになる寧々さん。DSの時は、付き合えてから楽しい毎日を送っていたはずなのですが、あれからすでに十年。今の筆者は思いました。「本当にこの女と付き合わないと、いけないのか?」と。

 付き合うまでの間に物語は着実に進行していきます。しかし、限られた文字数で行われる寧々さんとの会話には、友達から恋人へと関係を深めるためのフックがどこにもありません。

 たとえば、寧々さんがホラー映画を愛好していることが途中でわかるのですが「ホラー映画」意外に具体的な言葉はないので、極めて浅い嗜好に見えてくるのです。ゲームのシステム上、仕方のないことかも知れませんが、付き合いはじめてからも映画館デートでホラー映画好きが語られるので、どうしても気になります。

 ゲームを進めると、やがて恋人同士になるわけですが、やっぱり首を傾げます。どうしても、なんら決め手のないままなんとなく付き合っているとしか思えないのです。どうしても、寧々さんは経験人数5人くらいでたまたま空白期間だったので、なんとなく付き合い始めたくらいにしか思えないのです。

 これに加えて、つき合い初めてからは寧々さんに幻滅する要素も出てきます。もっとも気になったのは将来の夢をたずねた時です。この時の寧々さんの回答は「お嫁さん」です。

 高校三年生で将来の夢が「お嫁さん」。もちろん男子たるもの嫁が食うに困らない、むしろ少しでも贅沢な暮らしができるように頑張るのはやぶさかではありません。でも、これから人生への様々な期待があるはずの高校三年生が「お嫁さん」とは。この地方都市で見られるマイルドヤンキー的な思考には我慢できません。

 そういえば、季節は冬。寧々さんは高校三年生の設定なのに来年以降の話がまったく出てきません。現実の季節感とリンクさせているわけですから、この時期の高三の話題といえば大学受験に尽きるはずです。主人公も高二設定ですから志望大学の話題は出て当然のはず。筆者の通っていた岡山県立金川高校は、大学進学のほうが少数派のアホ学校だったので三年生のこの時期は「来年からイズミヤじゃ」「わしマリンポリス」みたいな会話ばっかでした(あと妊娠→中退も)。でも、十羽野高校ってそんな雰囲気じゃなさそうなんですけど。

『ラブプラス EVERY』はあくまであり得なかった青春を体験するためのゲームでしょう。10年前は素直にゲームの目的を試すことができました。でも、もはや人生の半分くらいを終えた今となっては素直に楽しむことなどできません。

 きっと、このまま寧々さんと付き合っても先に大学に進学した寧々さんとは次第に価値観もズレていきます。早ければ高校卒業と共にお別れです。いったい、なんのために俺たちは付き合っているのか。

 そう、よしんば大学生になってからも関係が継続したとしましょう。おそらくは「ずっと一緒にいたいから」と、いう理由で同じ大学に通うことになるはずです。ええと、貴重な大学生活をお互い半径2メートルくらいが世界のすべてみたいな感じで過ごすのか。そんな人生は耐えられません。

 そうですよ、寧々さんには悪意がないかも知れないけれど、彼女自身が常に狭い世界しか
見ることができていないんですよね。もっと世界は広いものだと知った時に、互いに「こんなのと付き合うんじゃなかった」と愛は恨みに変わるでしょう。

 無常感の中で早く別れたいという気持ちが募るゲームになっているような気がします。
悪いのはゲームじゃなくて、筆者なんですけどね。

(文=昼間 たかし)

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