NHKアニメ『ヴィンランド・サガ』アシェラッドの器のでかさたるや…敵味方関係なく、魅力的すぎる!第20話

NHKアニメ『ヴィンランド・サガ』アシェラッドの器のでかさたるや…敵味方関係なく、魅力的すぎる!第20話の画像1
『ヴィンランド・サガ』公式HPより

 『ヴィンランド・サガ』の第20話がオンエアされた。

#20  王冠

 戦士達の争いを収めたクヌートはアシェラッドとトルケルを配下につけ、ゲインズバラに帰還する。ラグナルの死を経て、戦いの最中に愛とは何かを悟り覚醒したクヌートは、それまで持っていた父への僅かな思いを一切捨て、アシェラッドとともにスヴェン王の暗殺を企てる。

 クヌート王子がめちゃくちゃかっこいい。こんなにも人は変わるのかというほどに大きな変貌を遂げた王子が、ついに王のもとへと帰還する。しかしこの王も一国の王であり、陰謀の渦中を生きてきた男。一筋縄ではいかないやり取りが繰り広げられる。

 アシェラッド・トルケルを配下として帰還したクヌートを出迎えたのはフリーキ。彼はクヌートがトルケルによって打ち取られると算段していたために、無傷のまま二人を配下として従えて帰ってきたことに驚愕する。さらにクヌート王子の圧倒的な王子としてのオーラが、今までと段違いなことにも大いに狼狽していた。画面の外から見ているだけでも彼の変わりっぷりには驚いているのだから、時間をおいて事情を知らずに対面したらだいぶ戸惑う。

 久しぶりに故郷に戻ってきたものの、王子が配下であるアシェラッドとかわす言葉は物騒なもの。どうやったら一番効率よくこの国を乗っ取れるか。アシェラッドは暗殺が一番いいと、さらりと答える。というのも兄は今遠くに出向いており、父王が崩御すれば最高指揮官はクヌートとなるので、暗殺者を偽装すれば望む形を作ることができるというのだ。

 自分の実の父を殺すという話をするクヌートは、その先に豊な国を作ることを目指していた。神もその様子を見ていていつかクヌートを神の地へ導くことがあるだろうが、絶対にそこには行かない、と神への拒絶を露にする。

 腹に一物を抱えながら王との対面を果たすが、もとよりクヌートを殺そうとしていた王。もちろんこの場にも、いつでも彼らの首をはねられるように何人も伏兵が潜んでいた。

 しかしお互いに腹の内を察しながらもうわべだけの探り合いの会話が始まる。この緊張感のある押収、かなりドキドキさせられる。王もかつてはクヌートのように先代を倒し、王冠を手に入れたのだという。しかし王冠を戴たことによって現在のようになってしまっということなのだ。

 それだけ強大な力を持つ王冠は、クヌートを欲していないとも王は言った。だから殺しはしないが田舎に引っ込んでいろと、王子としての職務を全うさせないようなことを言われる。

 だが、アシェラッドが彼の功績を語ったことまたアシェラッド自身の器のでかさを王が見抜いたことによってこの場は円満に収まった。近いうちにクヌートが王を倒しその冠を奪いとるだろうことが予見されるようだった。

 後半の見どころも、アシェラッドの器のでかさが光った。先のトルケルとの闘いにて精神がおかしくなってしまったトルグリムを連れて、アトリは田舎に戻る頸椎をしたようだ。最後は裏切る形になってしまったが、アトリはアシェラッドに最後の挨拶をするために足を運んだ。

 アシェラッはアトリのその生真面目さを見て、もう二度と剣を握らずに生きて行けと選別を渡し送り出す。なんだかんだと下に慕われてきていた彼のこういうところが魅力なのだろう。主人公からの目線だと圧倒的な敵役なのだが、魅力的なキャラクターというのは敵だろうと味方だろうとやはり魅力的である。

 残り数話で最終回を迎えてしまう。原作ではまだまだ先が長いようだがどの程度で終わりを迎えるのかが非常に興味深い。トルフィン・クヌート・アシェラッド三人の思惑はどうなるのか。ラストまで目が離せない。
(文=三澤凛)

NHKアニメ『ヴィンランド・サガ』アシェラッドの器のでかさたるや…敵味方関係なく、魅力的すぎる!第20話のページです。おたぽるは、漫画アニメ作品レビューマンガ&ラノベの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!