薔薇族だった時代 ~1枚の完成度が全て 第51回

撮影:津田広樹

 1年前の平成30年12月16日に紀尾井フォーラム(東京 ・千代田区)で、『伊藤文學講演会「ひとりぼっち」の人たちをつないで』が開催された。用意された66席は、伊藤文學さんの講演に駆けつけた人で満席となった。文學さんは私に「みんな来てくれるかな?」と心配そうに仰ってたので満席は嬉しかった。

 さらに文學さんは、私に初めて「講演会での僕の写真を撮影してほしいな」とリクエストしてくださったので、私はお客としていち早く参加電話予約したのだ。当日講演中の写真撮影は禁止だったが、主催会社の林由香里社長が特別に許可していただいたので、スーツ姿の文學さんを撮影できた。

 画像のクミコさん(歌手)からのお花が、届けられていた。伊藤文學さんは、クミコさんがまだNHK紅白歌合戦に出場される何年も前に、クミコさん他何人かのシャンソン歌手をロマンの泉美術館にゲスト歌手として幾度も招いていた。その時代の恩義でクミコさんは、文學さんにお花を贈られる律儀な方なのだ。「有名になっても僕に花を贈ってくれる歌手はこの人だ けだよ」と文學さんは語られていた。

 その律儀な姿勢は、クミコさんの歌の世界観に現れていると私は思 っている。1枚の絵画を観ているようなイメージなのだ。

 絵画と言えば、私は予々「写真も絵画同様、1枚の写真の完成度が全てを物語る」と言っている。つまり何十枚もの写真を見せるのではなく、優れた1枚を見てほしいのが写真家であり、人物写真なら被写体のモデル自身も珠玉の1カ ットを見てほしいと願っているからなのだ。

 写真集マニアの人は、ページ数やカット数にこだわる人がまれにいるが、 それは違うと私は声を大にしたい。最高峰の写真を得たい人は、カット数にこだわらないでいただきたい。そうしていれば、最高峰の一枚に出会えるのだから。薔薇族カラーグラ ビアの巻頭を決め色稿(印刷前に確認するグラビア)が上がってきた時に文學さんが編集長として「津田君、良いねグラビア」と評価してくださるのが誇りであり励みになっていたのだ。

 伊藤文學さんが、薔薇族編集長時代にお墨付きをいただいた津田広樹の珠玉のスポーツマン写真をセレクトした「 津田広樹写真集限定電子版」をシリーズ化している。 下記の津田・・・から始まるツイッターアカウントをクリックし、ぜひとも見ていただきたい。

【津田広樹プロフィール】
 いわゆる80年代アイドル全盛の時代にスチール撮影のみならず、その多才さを認められてグッズ等の企画発案にまでもマルチな才能を発揮したキャリアをもちながら、あらたなる新天地として当時の有力ゲイ雑誌であった薔薇族の出版会社に編集部員として転身。その後もさらにその非凡なる才能の昇華は衰えを知らず、グラビアや企画ページ等にも幅ひろく手腕をふるい、多くの絶賛を得るまでにおよぶ。そして1996年にはゲイ業界初の試みであった3D写真集付き映像ビデオ、ジャック・リードを発売し世に送り出した。
 さらにオリジナル競パン付きDVDの発売など革新を起こし続けるも、無断配信に苛まれ、昨年に全ての映像ソフトのレーベルを手離す。しかし長年ににわたり不変的な価値観を持ち続ける津田広樹の世界観は色褪せることのなく、その真価を現在も世に問い続けている。

津田広樹Twitter
@Wi08XKZE10Vb5rx

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