【レビュー】

『ルパン三世 The First』最大公約数的で子供向けの薄味 シナリオはチープで、広瀬すず演じるヒロインが出張りすぎな件

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『ルパン三世 THE FIRST』公式サイトより

 12月6日、『ルパン三世』シリーズとしては23年ぶりとなる劇場作品『ルパン三世 THE FIRST』が公開されました。

 本年は、『ルパン三世』原作者であるモンキー・パンチ先生、長く石川五ェ門役を務めてきた井上真樹夫氏が亡くなられ、宮崎駿監督の『カリオストロの城』公開から40周年でもありと、図らずとも『ルパン三世』にとっては節目の年となりました。

 こんな2019年に、久しぶりの劇場版『ルパン三世 The First』が公開されるのも何かの縁でしょう。大傑作とまではいいませんが、『ルパン三世』の今後が明るく見えるような良作であることを期待しながら観賞してきましたが……今は、脱力しています。

■舞台は1960年代風? 時代設定&考証は割と雑

 初代アルセーヌ・ルパンが盗み出せなかった秘宝「ブレッソン・ダイアリー」。その謎を解き明かした者は、莫大な財宝を手に入れられるという。そんなお宝を狙うルパンは、考古学を愛する少女・レティシアと、ひょんなことから、協力して謎を解き明かすことになるのだが……と、『ルパン三世 The First』のあらすじはこんな感じです。

 物語は第二次大戦中、秘宝を守ろうとするブレッソン博士がナチスドイツに狙われ、命を落とすところから始まります。シリアスな展開に、序盤は胸を踊らされました。

 それから十数年後、ルパンがゲストヒロイン・レティシアとお宝を巡って、出会います。舞台を現代と設定せず、1960年代に定めたのは、実によいアイデアだなと思いました。

 原作マンガ『ルパン三世』の連載が始まったのは1967年。ルパンや次元たちキャラクターが使う拳銃や車、その他の小道具や背景は、やはり60年代のモノがしっくりきます。そこんところの融合に苦労している、浮いてしまっているTVスペシャルもありますから。

 パリの町並み、フィアット、その他美術も良い雰囲気でした。ただ、山崎監督は他サイトでインタビューで「1960年代後半に設定した」と発言されているのですが、作中のテロップでは「(第二次大戦から)十数年後」となっています。ということは、正確には1960年代前半ですよね?

 また、ルパンたちがカップヌードルっぽいカップラーメンを食べるシーンがあるのですが、日清のカップヌードルの発売は1971年です。本当は何年という設定なのかと、混乱させられますが、「『カリオストロの城』のオマージュをやりたいんだ! 細かいことはどうでもいいんだよ!」という監督や製作上層部のメッセージなのでしょう。

 さて、「ブレッソン・ダイアリー」を狙う秘密組織在も絡みながら、『ルパン三世 The First』の物語は進行していくのですが、ゲストヒロイン・レティシアがめちゃくちゃ出張ってきます。

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