アニメ『星合の空 -ほしあいのそら-』次々とメンバーの抱える悩みが明かされた第8話

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 廃部寸前の男子中学ソフトテニス部を舞台に、ソフトテニスを通した様々な想いを胸に抱く少年たちの青春ストーリーが描かれる赤根和樹原作・監督・脚本の期待のオリジナルアニメ 第8話がオンエアされた。

月ノ瀬家では、直央とクラブ活動を快く思わない母が口論になっていた。
直央は自分の居場所になりつつある、
ソフトテニス部や仲間と過ごす時間を守りたく思っていた。
しかし、そんな気持ちは伝わらず…
母がいれたクレームで、一週間のクラブ活動自粛が決定してしまう。
そんな中、桜井から夏の地区大会の団体戦相手が
“旗の丘中学校”だと知らされる。
旗の丘中には、また強敵になりそうな選手がいるようで―。

「様々な想いを胸に抱く少年たち」というコピーにある通り、人がいればその数だけ思いがあるということを痛感させられる。

 月ノ瀬の母親は典型的なモンスターペアレンツで、直央が楽しんで参加した休日の部活メンバーとのバーベキューですらクレームの対象となってしまった。学校側としてもクレームが入ったため、何もしないわけにはいかないと部活動の1週間自粛が決定してしまう。

 部全体がやる気に満ちているタイミングで自分の親のせいで部活ができなくなってしまうというのは、たとえ部員が何も言わなくても本人にとっては大きなショックだろう。

 実際、母親の行動の後から直央の様子がおかしい描写が見らえる。夕飯の料理をつつくだけで全く口に運ばず、話しかけられても上の空な様子や、教科書などを黒く塗りつぶす……。彼本人が悪くないのに責任を感じたり、親という子供にとって絶対的な存在から逃れられない部分だから余計に心配だ。

 どこかでこの問題に解決の糸口が見つけられる展開は訪れるのだろうか……。

 しかし、活動が停止になったところでへこたれない部員たち。その間にできることをしようと、地区大会の対戦相手の情報収集を行うことに。その対戦相手の中のペアに強敵となりそうな生徒がいることが発覚。同い年の選手なのに身長も高くイケメンでモデルとしても活動している日下部ジョイくんという男の子だった。

 彼の情報を偵察に行く案が出される。しかし対戦相手に見学もさせてもらえない。頭を悩ませた中で出てきた案が「女装」。幸いジョイくんには固定ファンがおり、いつも誰かしら女性がコートを覗いている。それゆえに女装すれば怪しまれずに偵察ができるだろうという考えだ。

 しかし、体格的にもどんどん男性らしくなっていっている面々。女装は厳しいのでは? と思わあれたがマネージャーの悠汰と真己ならば似合うであろうということで話がまとまり、御杖も加わって3人で偵察に出向くことに。

 この女装準備の段階でフォーカスがあたったのが悠汰。彼は自身の性別に対して違和感を感じており、だがだからといって女性になりたいという願望があるわけでもないといういわゆるXジェンダーだということを真己に告白する。

 真己の身近にもFTMの人物がいたことから悠汰の告白を大げさに驚くわけでもなくすっと受け入れ話を聞く姿が見られた。このアニメの多様性がすごい。中学生男子という媒介をもってして世の中に散らばる様々な価値観を提示し、そこに介在する問題を丁寧に描いている。

 本当に中学生たちみんな必死で頑張ってる。だからこそ、理不尽な大人たちの力の前にどうしようもなくなってしまう姿がたまらなく悲しい。中学生のころあれだけ軽蔑した大人に今の自分がなっているかもしれない、とわが身を振り返る機会にもなりそうだ。

 彼らの行動に幸あれ。
(文=三澤凛)

アニメ『星合の空 -ほしあいのそら-』次々とメンバーの抱える悩みが明かされた第8話のページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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