アニメ『BEASTARS ビースターズ』ケモナーたちの四角関係勃発？これは新しいジャンルとなるか？第8話

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　擬人化された肉食獣と草食獣が生活・共存をする世界を舞台に、全寮制の学校「チェリートン学園」へ通う動物たちの群像劇『BEASTARS ビースターズ』、第８話がオンエアされた。

【第8話】

　隕石祭の会場からの帰り道、ハルと揉めたレゴシは危険なオオカミとして駅員に追われ、駅の中を逃げまわるハメに。しかし二匹で走り回ったおかげでハルとの距離が少し縮まる。あの日ハルを襲ったのは自分だと打ち明けるべきか迷うレゴシだが、今の関係を大事にしたいがために、再び胸にしまってしまう。 ところが数日後。隕石祭の会場で停電が発生し、暗闇のなかでレゴシに抱きついたハルが口にしたのは、ルイの名前だった。

　隕石祭間近で準備も大詰めになってきた。しかし町では食殺事件の影響で、学生が遅くまで残ることを禁止したり肉食獣への警戒が強まっていた。

　レゴシ達は演劇部の美術班として、ハルは園芸部として一人で作業にいそしんでいたが、友達のいないハルは帰宅時間に気付かずに一人ぼっちで取り残されてしまう。そんなハルの姿を見かけたレゴシは声をかけて一緒に帰ろうと誘う。ハルが怖がらないように目線を下げたり、優しい言葉をかけたりするレゴシがけなげでいじらしい。

　始めて会った時には、あわや肉食と草食で肉体関係を持ってしまいそうになったものの、いまではその話には全く触れないレゴシ。ハルは過去の笑い話として触れようとするが、レゴシにとっては大切にしたい思い出になっているあの出会い。

　さらにレゴシはあのように誰にでも体を差し出してしまうハルを悲しく思っていた。もっと自分の体を大事にしてほしいと告げると、そこには肉食動物であるレゴシには分からない思惑が潜んでいた。

　いつ、肉食動物に食い物にされて命が尽きるかわからない存在の草食動物。愛されることなく殺されるかもしれないからこそ、誰かを求めてしまうという弱小草食動物の気持ちなど、肉食動物には理解できないと面と向かって言われたことで、レゴシとハルは口論になってしまう。

　警戒されている中でウサギが狼と口論していたら、それはまるで襲われているように見える。不審に思われ、レゴシが周りから問い詰められてしまい、ハルはそれをかばって走り出す。ここでもアワアワしていたレゴシだったが、「少しはリードして！」というハルからの言葉で狼の身体能力を使って、ハルを連れてその場から逃げきることができた。

　好きな子の前で、自分の良い点を適切に表現ができることは自信につながる。このシーンのレゴシ嬉しそうだった。かわいい。二人は駅のトイレに隠れて追ってをやり過ごす。

　狭い場所で隠れているというシチュエーションなのに、レゴシはハルに触れようともしない。そのレゴシの繊細さや、時にみせる図太さに戸惑うハル。

　彼女は、過去に肉食動物に襲われたことがあるとレゴシに語り出す。その相手の顔は見えなかったけれど、あのとき死ななくてよかった、とレゴシに笑いかける。その相手がレゴシだったことを知らずに。レゴシはそのことをハルに伝えようとしていたところだったので、言葉を飲み込んでしまった。もし、ハルにこの事実を告げたら二人の関係はどうなってしまうのだろう。

　一方、レゴシに思いを寄せるハイイロオオカミのジュノは、ルイに個人レッスンを申し込む。しかし彼の肉食動物に対しての差別的とも取れる発言から様子が変わり、ジュノの意外な一面が顔を出す。彼女は自分の魅力を十分に理解し、周りを引き付ける力を持っている。ルイを引きずり下ろし今年のビースターには自分がなると宣言した。

　ジュノは気が弱い感じなのかと思ったが、強かな面もあるようだ。この面をレゴシに見せることはあるのだろうか。ルイとジュノの強気どうしの二人の関係もどう変化していくか。

　隕石祭目前の準備中、突然停電となってしまう。食殺が起こるときは大体が停電の夜ということで、警戒する演劇部の面々。肉食動物が壁となり皆を守ろうとするが、その時レゴシはこの会場にはハルも来ているだろうことを思い出し、飛び出していく。

　木の下で震えているハルに声をかけると、彼女は「ルイ！」と他人の名前を呼んでレゴシに抱きつくのだった。このことが意味することは一つだけ。レゴシは気付いているが、そんなことはおくびにも出さず、ハルが無事だったことを喜ぶのだった。

　色々人間関係が複雑化してきた物語は、一体どこへ向かうのか。今これは四角関係なのかな？　こじれろこじれろ。
（文=三澤凛）