ドラマ『まだ結婚できない男』第6話――「ごめんなさい」も「ありがとう」も素直に言える相手がいること

■やっくんとの対決、そしてその正体

 一方、桑野の「やっくん探し」にも進展があった。ブログの写真に写っていた腕時計が、特徴的な色使いのものだったのだ。「これと同じものを薬丸がしていれば間違いない」、そう思った桑野は、ジムで会った薬丸の腕時計を確認する。
 
 果たして、薬丸は同じような時計をつけていた。「間違いない」そう踏んだ桑野は、サウナの中で薬丸を問い詰める。どうやら薬丸は、桑野に言い寄られていると思ったようだ。結局、真相を聞き出すことができぬまま、薬丸には逃げられてしまう。

 その夜、亮介が桑野の元を訪ねてくる。吉山が自分自身と向き合い、納得のいく結論を出すようにと説得して欲しいというのだ。亮介はなぜ、桑野に頼んできたのだろう。これまでの吉山と桑野のやり取りを見て、本当の気持ちを言い合える間柄だということに気づいたのかもしれない。
 
 そんな時、吉山から電話が入る。開口一番、彼女は言う。「この間はすみませんでした」。

 吉山も、桑野に負けず劣らず、素直に謝れないタイプではないかと思う。その証拠に、母親とも関係が悪化しているのだ。でも、桑野に対しては素直に謝罪できる。そんなところに、この2人の関係性が見える。

 そして、プロバイダーからの開示によって、やっくんの正体がわかったという。彼の名は「大和貴史」。あの薬丸とは全くの別人であった。そしてその大和(三四郎・相田周二)は、吉山の事務所にやってきて、ことの次第を話すのだった。彼は元々桑野のファンで、建築家になりたいと考えた。しかし、大学を落ちて、就職した会社でパッとせず……、そんな中で桑野を逆恨みするようになっていったのだ。

 とりあえず、大和からもうブログに書かないという誓約書を取り交わし、彼を許すこととした。

 だが、桑野にはまだやることがあった。それは、誤解を与えてしまった薬丸に謝ることだ。薬丸を待ち伏せ、向かい合った桑野は、彼に謝罪する。ここでも桑野は素直に謝っている。そうなれたのは、吉山の影響かもしれない。

 謝ったことを伝えに吉山の事務所に行った桑野は、ちゃんと動いてくれているのかとせっついたことを謝る。素直になった桑野を見てのことだろうか、吉山は母に電話をして、昔のことを謝る。母は、プリンのことなど覚えていなかった。人のこだわっていることなんて、意外とこんなものなのかもしれない。

 帰ろうとした桑野に、吉山は言う「ありがとうございます」。

 事務所を出た桑野を亮介が呼び止め、改めてお礼を言う。「僕がお願いしたことをやってくれた」というのだ。結局、桑野も吉山も素直になれたのは、彼の存在があったからなのかもしれない。

「すみません」「ごめんね」「ありがとう」。今回は、なかなか素直に言えない言葉が、たくさん聞けた回だった。形だけの感謝や謝罪ではなく、心から素直になれる相手がいるということは、実はとても幸せなことなのかもしれない。桑野たちの話を見て、そう思うのだ。

(文=プレヤード)

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