ドラマ『まだ結婚できない男』第5話―――― 一人旅の気楽さと三人旅のにぎやかさ

■結婚相手を探す後輩・エリカ

 帰りの道すがら、吉山は、高校の部活の後輩だったエリカ(野波麻帆)と出会う。6時間並んで結岡神社の参拝をしてきたというエリカは、絶賛婚活中とのこと。そして「背が高くて、自分の仕事にプライドを持った、常識をわきまえている」という理想の人を紹介してほしいと吉山に頼むのだった。

 それを聞いて、桑野のことが頭に浮かんだ3人、常識があるかどうか迷うところだったが、吉山は、紹介することにした。

 有希江のカフェに桑野を呼び出した吉山は、エリカを紹介する。ぎこちないながらも話しだした2人。しかし、「結婚したい」というエリカに対し、桑野は例によって自身の結婚論を語りだし、エリカは泣いて出ていってしまう。もはやカフェで女の子を泣かすのは、このドラマの定番になっているようだ。

 翌日、後輩に悪いことをしたと落ち込む吉山のもとにエリカが訪ねてくる。しかし、彼女は全く落ち込んでいる様子はない。結局、桑野の話を聞いて考えが変わったと喜んでいる様子なのだ。

 今回のエピソードは、旅行が中心だったが、人生もよく旅に例えられる。桑野が一人旅を満喫していたように、一人で生きることも楽しめばいいのだ。たくさんの人と生きることは、にぎやかではあるが、自由に制限が出てくる。早紀が、旅行から帰った後、友人との電話で「年上のお姉さまと付き合うのはスキルを要求される」と話していたのは象徴的だ。どちらにしても、それぞに合った旅の仕方や、生き方があるということだろう。

 そして、旅行のシーンで印象的だったのは、終始満足そうな桑野の表情だ。訪れる場所の見どころや歴史を調べておき、それを確認するように実物を見る。私も同じようなことをやっていたし、予定した通りに行動ができた時や、出会った風景が予想以上に美しかったときなどは、あんな顔をしていたのかもしれない。もちろん、一人旅だから誰にも見られる心配はない。

 桑野が神社のご利益を期待しているというのもまた面白い。あのような性格だから、信仰心など無いのかと思っていたが、しっかり自分のお気に入りの神社を見つけ、神頼みをしている。そんなこだわりも、桑野らしいが。

 ドラマの最後は、女性たちが縁結びをお願いしていた神社は、実は商売繁盛の神様で、皆その御利益が出てきているというオチだった。要所要所に細かなネタを仕込みながら、最後に大きなオチを持ってくる構成は見事。女性たちは、その御利益に気づいていないのを、視聴者は「神の目線」で見て、「なるほどそうなっていたのか!」と納得する仕組みだ。そんなところも含めて、コメディのドラマとしては理想的な展開が見られた一話だった。

(文=プレヤード)

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